引きこもりの子

幼稚園は、実家からこどもの足で歩いて２０分くらいのところにありました。先回話にでました家の前の坂を下り、根津美術館の裏道の長い坂を登りきり、そこから当時野っ原だった所を突きぬけると、その幼稚園は住宅地の中にありました。後日近所のお寺に付属幼稚園ができたのですが、こどもながらに遠くまで毎日歩いて行ったなというのが印象でした。
　幼稚園時代は体が弱かったせいか、熱を出してよく休んでいました。そう、遠足や卒園式の写真は別撮りの顔写真が集合写真の上の方に載っていました。
でも、幼稚園に行くと結構元気に遊んでいたようで、お絵かきや粘土造作、お遊戯やお歌の時間よりも、園庭で走り回って入るほうがずっと楽しかったように覚えています。
私のクラスは黄色組で、白、青、黄、赤がありました。白組は一年上のクラスで青組は確か、同年代でしたが私たち黄組の早生まれと分けてクラスがあったようです。赤組は一年下のクラスでした。

　ある日、幼稚園に行く前に母親から「今日は帰る時に○○ちゃんと一緒に家まで帰って遊ぶように・・」と言われました。○○ちゃんとは、名前を伏せているわけでもなく、未だに思い出せないのです。もちろん、当時一緒に遊んだ記憶もあまりない子でした。
記憶の範囲では、その子は登園拒否をしているようで、その子の親と担任の先生の話合いで、誰となら遊べるのかという話になり、私の名前が出たように覚えています。そして、私と帰りに一緒に帰って遊んでもらうからということで、その子が登園するようになったということでした。

　帰る時間になり、その子とその子のお母さんと三人でその子の家まで行きました。失礼な話ですが、未だにその光景は思い出すのですが、その子の顔は思い出しません。
家で何かをして遊んだ覚えがあります。たぶん、蔵を改装して創った部屋のような所で。
しばらくすると、その子のお母さんが「一緒におやつを買いに行きましょう」っていうことになり、三人で出かけました。お母さんは私にお菓子屋さんの前で何が欲しいか尋ねました。結構ここはリアルに覚えています。私は、家ではまず買ってもらえなかった不二家？のウエハ―スをリクエストしました。当時レストランなどで、よくアイスクリームなどに乗っていたものです。そのお母さんは私のリクエストを聞いて「赤ちゃんみたいのが好きなのね・・」って言ったのを覚えています。
とはいえ、他の家へ行くと家では食べられないおやつに有りつけるというのが、私が小さいながら学んだことでした。
決して、当時でも家が貧しかったわけではないのですが、家のおやつというと、お煎餅とかどら焼きとか。。まあ、あまりこどもの好きそうなものではありませんでした。
こんなことを言うとなんですが、当時はみんなが食べてた駄菓子が食べたかったのです。
話は飛びましたが、その子とはその家へ一緒に何回か帰り、立ち寄って自分の家に帰るというパターンが続いたかに記憶しています。

皆さんは、小さい時覚えている子にどんな子たいたのでしょうね。
その子との関係性の中で、今に関係している事柄はなんでしょう？