作られた分断:第十二部 県民投票告示日に「投票結果に関わらず移設進める」宣言 移設反対派の諦めねらったか

今月24日に投開票される辺野古移設の是非を問う県民投票がきょう、告示を迎えた。
政府与党は、投票結果にかかわらず移設を進める構えで、この民意を無視する宣言に多くの批判が集まりそうだ。
また、投票結果の効力がないことをあえて告示日にほのめかすことで、県内に広がる移設反対のムードをかき消すねらいがあったとみられる。

これまでにも、移設反対の県民世論の高まりを政府はあの手この手を使って封じ込めようとしてきた。
なかでも露骨だったのが、県民投票の選択肢を「賛成」、「反対」の二択ではなく、事実上の白票となる「どちらともいえない」を追加した三択での実施を迫ったことだ。「どちらともいえない」を用意すれば「反対」に投じられる票が取り込める可能性がある。さらに、これは不採用となったが「賛成」を「やむを得ない」という表記に変えることで、賛成ではあるが、基地押しつけに対する罪悪感を持つ人の票を取り込もうともした。
逆に言えば、それだけ反対多数という結果となる公算が高いともいえる。
しかし、たとえ反対多数になったとしてもその結果を無視して移設工事を進めるという宣言を政府がした以上、このムードは下火になってしまうおそれがある。
それでもあきらめることなく民意を示し続けることで、ポスト安倍以降の政権の姿勢に変化をもたらす可能性は十分にある。普天間基地返還、移設工事の中止は一朝一夕に実現できることではない。県民のみなさんはどうか長い目をもって民意を示し続けてもらいたい。

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