ドブ板踏んだ“外交の安倍” 戦後レジームの固定化進む

もはや「外交の安倍」は聞くにふさわしくない。


犬好きと聞けば秋田犬をプレゼントし、仲良く統治しましょうと提案されれば3000億円(税金)を貢いだ安倍首相。


その一方で多数の犠牲者を出した北海道地震の被災地支援に充てたのはわずか5億円。


今回は全国の自民党員に「外交の安倍」をアピールするため台風や大地震そっちのけでプーチン大統領のもとを訪れた。




にもかかわらず、すっかり“親分”扱いとなったプーチン大統領からの返事はゼロ回答。安倍首相が取り付けたロシアとの「平和条約」のなかに”北方領土返還”の文言は見当たらない。


これまでの朝貢が功を奏し意思疎通を取れていると思い込んでいた安倍首相からすればまさに「煮え湯を飲まされた」格好となったかもしれないが、プーチン大統領は決して「煮え湯を飲ませた」つもりはなく、はじめからもらうものだけはもらって、最も手放したくない北方領土は自らの手の内ににおさめておこうと腹に決めていたということだろう。


6年前の政権奪還以来安倍首相はしきりに「戦後レジームからの脱却」を訴え、慰安婦問題の口止めに他国防衛の解禁と権勢を振るってきた。


しかし、それが却って国際社会の日本を見る目をいっそう厳しいものにしていき「やはり日本は変わっていない」との印象を与えてしまった。  


「戦後レジームからの脱却」はまさに「戦後レジームからの逃走」であり、むしろ戦後レジームを固定化させてしまっているのではないだろうか。


海外に行けばドブ板を踏み、国内ではドブ板を踏むように国民の意見に耳を傾けない現政権。


安倍首相と同じく憲法改正論者の石破茂氏や首相とは距離を置くポーズを取りながら首相が熱烈に応援する沖縄知事選候補佐喜真淳氏の応援にはいそいそと駆けつける小泉進次郎議員と、ポスト安倍をめぐる人選も微妙な自民党。


「いったいどこ見て政治やってるんだ!」そんなツッコミを入れなくてよくなる日ははたしてやってくるのだろうか。


択捉島の中腹にある単冠湾(ひとかっぷわん)は真珠湾攻撃に出撃する戦艦や空母が密かに停泊していた場所=内閣府HP

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