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作られた分断

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#米軍基地

「作られた分断」について(米軍基地編)

2017年12月よりスタートした連載企画「作られた分断」では、みんながイヤだと思っていることを誰に押しつけるのかがテーマとなっている問題、おもに米軍基地問題、原発再稼働の問題を取り上げています。 本連載を途中から読まれる方にも理解していただけるよう、米軍基地問題、原発再稼働問題に関する基礎情報を2回に分けて掲載致します。1回目の今回は在日米軍基地をめぐる問題です。 ◇沖縄県への基地集中は1956年ごろから2019年現在、日本に存在する米軍基地の数は51。そのうちの約7割が

作られた分断:第十四部 国策の犠牲になり続けた沖縄 基地問題への無関心はこうして作られた

24日投開票を迎えた辺野古新基地建設の是非を問う県民投票は、移設反対票が賛成票を大きく上回り、あらためて「辺野古ノー」が示された。 沖縄県民投票の結果 投票率52.48% 開票率:100% ・賛成:114,933票(18.99%) ・反対:434,273票(71.74%) ・どちらでもない:52,682票(8.7%) 県知事の玉城デニー氏は移設反対票が県内有権者の4分の1を超えたとして投票結果を日本・米国両政府に通知した。結果通知を受けた日本政府は結果にかかわらず移設工事

作られた分断:第十一部 「民主主義を守るため」ハンストした若者 県民投票不参加の5市、反対派の切り崩しねらう

来月24日に、辺野古新基地建設の是非を問う県民投票が行われる。各種報道でも示されているとおり沖縄県民の大半は、辺野古への移設に反対だ。ただ、県民投票に向けた県内の自治体の動きは非常に鈍い。県民投票に不参加を表明する自治体が出てきたのだ。これまでに県民投票不参加を表明した自治体は沖縄市、うるま市、宜野湾市、石垣市、宮古島市の5市。 この5市が県民投票を実施しなければ、県内の有権者の実に3割が投票できないことになる。有権者から投票する権利を奪うのは、民主主義と参政権の否定である。

削られる年金 膨らむ防衛費 | 作られた分断#10

なぜ、辺野古の新基地建設が沖縄県に住む人たち以外にも関わってくる問題だといわれるのでしょうか。 辺野古の埋め立てに反対する理由は実にさまざまです。 ローラさんの「美しいサンゴ礁を埋め立てないでほしい」という純粋なものから、「反対する人たちの意見に耳を傾けようとしない政権のやり方に反発している」という手続き、手法について批判する人もいます。 じゃあ、あなたはどうなの?ってことなんですが、辺野古の話題を出すとよくこんなことを言われます。 「辺野古のことは政治に関わるよく分か

作られた分断:第八部 デニー氏勝利は基地反対の民意なのか?

翁長雄志沖縄県知事の急死にともなう県知事選は辺野古新基地建設に反対する玉城デニー候補が当選。 この選挙は、日本政府が米国との【辺野古の海にコンクリを流して基地にする】約束を認めるかどうかが問われた選挙であり、日本の安全保障のあり方も左右するものだった。 しかし、議論の矛先は 「デニーさんが知事になれば沖縄県が中国に乗っ取られる!」 という非常にレベルの低い方へと向けられた。 特に頭が柔らかく、想像力をフルに使ってしまった10代、20代の若い世代の多くが「デニーさんが