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全ての責任は縛り手にあるのか?

みなさんこんにちは、縛師のたかせ秦之助です。

アイキャッチはだいぶふざけていますが、内容は至って真面目でございます。
#アイキャッチ芸の誘惑に負けました

緊縛という行為の特殊性において、最も重要な要素のひとつとして、縛り手と受け手の非対称性があると思っています。

どういうことかと言いますと、ざっくりと下記があります。

  • 縛り手は技術の習得が必要だが、受け手は技術の習得が必要ない

  • 縛り手は自由に動けるが、受け手は自由に動けない

  • 縛り手が怪我をすることは滅多にないが、受け手が怪我をすることは結構ある

ペアで行う遊戯や競技は数多あれど、ここまで極端に非対称なものって珍しいんじゃなかと思っています。
#他にあればぜひ教えてください

これらの前提によって、下記のような観念が定着することとなっています。

  • 問題解決は、技術を習得している側の縛り手が行うのが当然である

  • 問題解決は、自由に動ける縛り手が行うのが当然である

  • 問題解決は、加害者になりうる縛り手が行うのが当然である

まぁ、そりゃそうだだし、状況的にはそうせざるを得ないわけで、その覚悟を持てないのであれば縛るなというのも、ごもっともかと思います。

とは言え、この観念が行き過ぎると、「縛り手は受け手の言いなりになるべきだ」みたいなところまでいってしまったりするわけです。

さすがにそこまでを明言する人はいないものの、実質的にそういうレベルの言動に至ってしまっている受け手さんも、少なくないなーと感じています。

これにより、

  • 縛り手は受け手を気持ち良くして当然だ
    (≒受け手を気持ちよくできない縛り手はダメだ)

  • 縛り手に断る権利はない

  • 縛り手には何を言ってもいい

みたいになっているのは違うと思うのです。

たかせの考え方を整理すると、

  • 縛り手と受け手は対等であることが望ましい(主従的ロールプレイを除く)

  • 行為の性質上、縛り手が優位な部分は、縛り手が責任を負うべきである

ではありますが、

  • 縛り手にだって嗜好はある

  • 縛り手だって万能な訳ではない

というところはご理解いただきたいなーと思う次第です。

つまり、たとえ受け手さん的にイマイチだったとしても、それは相性がよくなかった(嗜好が一致しなかった)だけの話かもしれず、必ずしも縛り手の技術や人格の問題とは限らないわけで。

それを混同してヘイトを撒き散らしたり、無闇にそういった言動に同調したりするのは、いくらなんでも酷すぎやしないだろうか…みたいなこと、結構あります。

緊縛はあくまで人と人とのコミュニケーションなので、相互に思いやりは必要だし、縛り手であれ受け手であれ、独善的な振る舞いをすれば、普通に嫌われますので、その点、縛り手はもとより、受け手さんにおかれましても、ご留意くださいますようお願いいたします。

ヘルプサインが救急車の濫用問題的に陥る可能性

たかせは縛り手なため、通常、受け手さんに対する批判的な言動は極力控えるようにしています。

それは最初に述べた通り、緊縛という行為の性質上、どうしても縛り手の方が優位になってしまうため、縛り手は自制的であるべきと考えていることと、そもそも問題の解決を他方に委ねる言動があまり好きではないからです。

それでもあえてこれに言及したのは、現在対応を進めているヘルプサインについて、運用上の難しさを感じているからです。

これって救急車の濫用問題的な事態に陥りかねないなーと思いまして。

つまり、それほどでもないのに無闇に呼び出されてしまうと、救急医療が適切に機能しなくなってしまうという問題がありまして。

人間同士のコミュニケーションなので、価値観の違いや嗜好の違いに遭遇する場面は多々あり、それにより不快な思いをすることもあろうかと思います。

ただ、その度にヘルプサインを出されてしまっては、本当に助けが必要な時に機能しなくなることを恐れています。

ヘルプとヘイトの線引きが難しすぎるのですが、明らかなセクハラや痴漢、モラハラ行為については、対処しなければならないと考えています。

こんなアナウンスをすることで、本当に助けが必要な人ほどサインを出すことを我慢してしまう事態にもなりかねないため、この記事を書くかどうかは正直かなり悩みました。

ただ、救急医療という膨大な数の人たちが頭を悩ませ、いまだに解決できていない問題を、規模が小さいとはいえ、一人で悶々と悩んでいても答えは出なそうだなーと思いまして、恥を偲んで、正直に悩みを告白してみようと至った次第です。

もし何かご意見や思い違いへのご指摘などありましたら、ぜひご指導くださいますと幸いです。

いろんな方の意見もお伺いしつつ、改善を繰り返してまいりたい次第です。

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