痴漢すな

ライブハウスでの痴漢問題
ここ数年気になっていた話題のひとつを取り上げます。はじめに書いておきますが痴漢は卑劣、最低、最悪です。
私自身バンドをやっているような人間ということもあり、痴漢に関するツイート、ことのほかライブハウスでの痴漢被害に関するツイートを度々目にします。その都度「痴漢あほしね❕」と思っていたのですが、自分の感情を一時的に処理するだけでなく、少し冷静に対処してみようと思った次第です。痴漢あほしね❕とは思ってます。

SNSで情報を得る際には各々バイアスがかかっているかと思いますが、私の場合バンドやそのメンバー、ライブハウス、ライブハウスに遊びに行く人がフォローの大半を占めるので、上記の通りライブハウスでの痴漢被害に関してすぐに情報が回ってきます。イベントの主催者や被害者の近しい人、実際に被害に遭った人のツイート等々。その中で満員電車やバスでの痴漢とライブハウスでの痴漢にどことなく違った印象を受けており、痴漢行為があったこと、痴漢をした者への対応などを周知する点が作用しているのは明らかですが、それだけでなくライブハウスやクラブのような少し特殊な環境下での痴漢には何か特有の問題があるのではと思います。

パワーバランス
ライブハウスに遊びに行くと、周りには全く知らない人だらけ、その上すし詰め状態でそれこそ満員電車のような時もあれば、周りに知り合いや気の置けない友人達がいて、一緒にライブ楽しんで最高、みたいな時もあります。この周りに知ってる人がいるパターンについて少し掘り下げます。フロアには自分がファン、後輩として尊敬しているようなバンドのメンバーとか、別にバンドやってるとかじゃなくても年上の知り合いとかが、わりと普通にいると思います。もしそういったような目上の人だったり自分が憧れてた人なんかに痴漢やセクハラをされた時、そのパワーバランスのせいで何も言えない、抗えないということが考えられます。加えてその時イベントに出てるバンド、周りの人たちに迷惑をかけてしまうかも、と被害者自身が痴漢やセクハラされた事実を押し込めてしまいかねません。最悪。こういった点を踏まえるとライブハウスでの痴漢はハラスメント的な側面を持つ場合もあるのではないでしょうか。

痴漢は捕らえろ
これまでTwitterで痴漢被害に遭いましたと声を上げている人たちの中には、痴漢されている間 周りの人たちは助けてくれなかった、笑って茶化していたと話している人もいました。痴漢された時にいろんな恐怖で声を上げられないようなケースが多々あると思います。実際被害に遭った時、その場で我慢したという人も少なくないです。そのような時、まず助けられるのは周りにいる人しかいません。気付き次第止めるべき、絶対。笑って茶化すのとかマジで最低。

もしかしたらカップルがイチャイチャしてるだけかもしれない…みたいな迷いが生じるのもわかりますが、痴漢されてると思しき人が明らかに嫌そうな顔してるとか、何か少しでも様子がおかしいと思ったら「大丈夫ですか?」と声掛けたり、箱のスタッフさんにあいつ怪しいです!と伝えたりして良いと思います。勘違いして声掛けて恥ずかしいとか思わなくて良いし、痴漢を目の前にして助けられなかった時のほうがよっぽど心苦しい。クルーでイベント主催したり、今のバンドでいろんなライブに出たり、いろんなイベントに遊びに行ったりしてみて、痴漢に限らず何かトラブルがあった時にすぐ助けることができたり、周りに助けを求められるような雰囲気というか環境を整えるのはすごく大事なことだと改めて思いました。

あと痴漢被害を後から報告する人に対して「その時に声上げろよ」「助け求めたらよかったのに」などと言う奴は心が無いし、見て見ぬふりする奴も心が無いです。同じく痴漢被害に遭った人どうしで「そのくらいよくあるよ」とか「気にし過ぎ」みたいな論調もよくない。これ生理痛の話題(唐突)でも時折上がる話と全く同じ構造。痛みの感じ方は人によって違います。自分の定規で喋るな。

最後に
人間関係のパワーバランスの影響がいちばん気になっていた点ではありますが、ライブハウスは人がたくさんいて照明も暗くて、更にデカい音が鳴っているという環境で、加害者にとっては物理的にも好都合なのかもしれません。セクハラする人も無意識にやってるのかもしれないし、やってる側の頭がどうなってるのかはわかりませんが、どんな状況であっても許されない行為です。勿論男性から女性に対する場合だけでなく。電車よりライブハウスの痴漢の方が酷い、とかいう話でもないです。痴漢って実はめちゃくちゃ身近で、被害経験ある人結構いるんじゃないかと思います。好きなバンドのライブ見に来たのに痴漢されて泣いて帰るとか本当に意味がわからない。ライブハウスに限らず痴漢は犯罪です。冤罪にも気を付けて。法的な話とかは調べたらいっぱい出てきます。よろしくお願いします。

2022.10

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