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『高等学校軽音楽コンテスト神奈川県大会決勝』を見てきました

社会人歴が長いと8月だろうが労働に駆り出される毎日に変わりはありませんが、学生さん達は長期休暇中となり、部活動にも力が入る季節となっています。この時期、軽音楽部、或いは学生を含む若年層を対象とするようなコンクール、コンテストが目白押しです。高校三年生はこの夏の活動を持って引退、というケースが標準的であることは、馴染み深い高校野球の世界でも知るところです。

本日は相模原市民会館で午後に行われた、表記のコンテスト、県大会決勝を観戦してきました。主催するのは神奈川県高等学校軽音楽連盟となっており、この組織は現場を預かる教員達によって組織されているようで、言わば最も「公式」に部活動と近しいバンドコンテストという位置づけになります。

私が個人的に関わることのある学校は都内にあり、そちらも同様の「東京都高等学校軽音楽連盟」の傘下で、都大会の決勝が今週金曜日に開催されるので顔を出す予定です。神奈川の方は見知っている学生さんの出演はありませんでしたが、東京では実際に指導を行ったことのあるバンドがステージに立ちます。顧問の先生にも面識のある方々が増えており、ご挨拶できる時間があれば嬉しい限りです。

ちなみに本日、県大会の方でも一度ランチをご一緒したことのある先生が顧問を務める学校から、準グランプリを受賞されるバンドが出ました。個人的には、そのバンドがグランプリとして有力ではないかと予想していたので、少し残念です。ですが、準グランプリ2校もグランプリ校とともに全国大会に進むことができます。まだチャンスがあるので巻き返して貰いたいものです。

私もプロベーシストとして業界の末席におり、職業音楽家としての視点で様々な感想を持ちましたが、個別に何がどうのと申し上げることは差し控えます。本日、連盟の会長のご挨拶で、ここ10年で「技術と楽曲の力強さ」が大きく変わった(伸びた)というお言葉がありました。ところが、今すぐに通用するバンド、あるいは通用する個人(プレイヤーとして)を発見して驚くという期待は叶いませんでした。

学生の部活動の水準という意味では、まだまだ軽音楽部には伸びしろが大きいと言わざるを得ません。軽音楽部が「文化部」の中で「国家が認る」部活動に変貌して行くにはまだ時間がかかりそうですが、しかしこの10年の劇的な振興ぶりを見て、すぐにでも可能なことではないかと思えてきます。

おそらくは、10代後半で通用するような人物は、部活動に籍を置かず、自力で進路を開拓しているのでしょう。逆に軽音部の発展が、部活動の延長上でプロを排出するルートが、より顕在化していくのは間違いの無いことで、私も昨今の活動が、そのサポートになれば有り難いです(言うまでもなくプロ養成が本質ではありませんが)。

神奈川県大会に話を戻します。15年ほど前かと思いますが、ベース教室の、ある生徒さんが地元高校の軽音楽部の部長を務めており、その縁で文化祭のコンサートで使用するPA機材の一式を世話したことがあります。その高校は当時から「強豪校」として知られていましたが、その伝統は失われず、本日グランプリを取ったバンドも、ここの学生でしたので感慨深いものがあります。

また、5年前くらいに、中学3年生で習いに来た子が、県内の軽音が「強い」高校へ進学する、という希望を叶え、無事軽音楽部にも入部しました。すると、そこでの活動は、想像を遥かに超える本格度で、その一環として習い事禁止令があったために、ベース教室もお辞めになりました。2年生になったとき部長になったと、お手紙で知らせてきましたが、同時期にコロナ禍へ入り、目標が達成できたのか心配でなりません。すでに卒業されておりますが、諦めずにバンドを続けてくれていれば嬉しいのですが。

今年指導に伺った学校の新入生は、インタビューしてみると、かつて強豪校で顧問をされていた先生の転勤を追って、この学校を選んだと言っていました。先の女子と同じく、中学校の時から軽音部を指向し、最良の環境を求めて志望校を決めるのは、まさに運動部に似てきたと驚きました。

そう言えば、今現役中学生にもベースを教えていますし、軽音部在籍中の高校一年生が2名来ています。彼等にとって役立てるレッスンができればいいなぁと、現在の部活動シーンに対応する教授内容を取り入れるように工夫しています。

そうですね、音楽的な側面から思うところは多岐にわたってあるのですが、やはり具体的な感想を述べるのは(今は)やめておきます。何も有益な情報が載せられず申し訳ないですが、ここ最近の仕事に新しく加わった軽音楽部支援に関連し、初コンテスト観戦となりましたので、備忘のため記録しておきます。全国大会の日は他の仕事がぶつかっており、拝見できないのが残念でなりません。

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