古くてもいいものはいい

千葉のディーラーで2台を試乗させていただいた後、大きな寿司屋に入って遅い昼食を取りました。海鮮丼、とても美味しくいただきました。せっかくここまで足を運んだので、この地域で他に乗れるクルマがあるのならチェックしたいと思いました。

先の店先に、ショップ・オーナーの趣味とかでCX-3をオフロード車風に、タイヤから何からチューンナップした展示車両があり、初めてこのクルマをいいなと思いました。たぶんCX-3はMazda2の前身であるデミオのシャーシを使っていて、CX-30は3ベースだから1クラスが違う。2の方は考慮したことがありますがSUVテイストのCX-3はアンテナにかからなかったのです。町中でも相当数見ていたはずですが、これまで殆ど意識することはありませんでした。

しかしこのオフロード仕様のドレスアップが新鮮なカッコ良さでした。どうせならCX-3を対象範囲に加えてみることにし、簡単な調べでディーゼル・4WD・MTの組み合わせが可能なことがわかります。ロードスターならRFという結論が出ていましたが、自家用に買っていいのかどうか、そこは全く不透明なままです。ですから異なる回答も用意しておかなければなりません。そこでCX-30より、Mazda3より、CX-3がひょっとしてマツダではベストではないかと、それまで思いつかなかった角度からの検討に入ります。

寿司屋で満足した後、お土産のピーナッツも買って、ディーラーの検索をしますとATでならディーゼル四駆のCX-3が付近にありました。好都合にアクアラインの入り口方面に所在する店です。さっそく電話を入れ、試乗のアポを取ります。

接客担当は、働き盛りでやり手を思わす頼もしいイメージの男性社員でした。冷たいお茶をいただきながら、面接のようなインタビューを、まず受けます。彼が気にしたのはボルボV40をどのように感じ、次に乗るクルマには何を期待するか、という点です。マツダディーラーを2軒回ってきましたが、このような、概念的な方向から商品選択へ迫る商談は初めてのことです。

V40の不満は、ターボラグがあるのと、同じ事ですがアクセルへのレスポンスが鈍い、重量配分問題ですが旋回するとき不快なフィードバックがある、ホイールサイズによりますが市街地走行時の乗り心地が悪いなどをあげました(一応ここで述べておくと、美点は燃費がいい、インテリアがいい、長距離の運転でも疲れない、積載量が十分な割に車体がコンパクトといったところ)。さらにMazda3などの1.8Lディーゼルは、試乗済みでボルボと較べれば力不足に感じる、それが実用上問題無くともフィーリングとして、面白みに欠けたことも正直に伝えます。

その方の意見では、ボルボの動きを鈍く感じる理由の一つはトルコン8速オートマのせいではないか、とのことでした。マツダが採用するオートマチックは6速で、それを他社よりも遅れているとネガティブに評価する記事を読んだこともありますが、ドライバビリティの点では、むしろ売りだとおっしゃるのです。段数を多くして細かく変速を繰り返しているのは少しでも燃費を稼ぐためですが、乗り心地には不利ではないかというお話。

納得したわけではありませんが、ロードスターの試乗を契機にマニュアルミッションを選びたくなり、試乗できるCX-3はATのディーゼル・四駆ですが、ターゲットはそれのMT版であると述べました。考えてみればMTは6速なのでATも同じでいいではないかと、ふとその時思いました。

同乗した彼の案内通りに付近をぐるっと回ってCX-3のテイストを理解しました。車両感覚という点で、私には一番しっくり来ました。一人乗車が99%で、本来なら荷物を常に積むという使い方に、もっとも合います。その上、Mazda 3以降のデザイン・トレンドより、見た目に関しても非常に気に入りました。4WDがどうであるかは感じ取ることができませんでしたが、走行感としては、やはり大人しいもので、私の走り方は周囲にどんどん先へ行ってもらうようなのんびり派ではあるけれど、しゅっしゅっと小気味よく動きたい気持ちはあって、だから低重心でコンパクトな車体を望むのですが、動力性能の味付けとしては、当然ながらそういう方向ではありませんでした。

ショップへ戻ってこちらの感想を求められます。思いのままをお話ししました。欲しいのはロードスターRFだけどそうもいかない。実用性を確保しつつ、町中では機敏で、ロングドライブにも余裕がある、そういうのはやはり無理なんでしょうか、と問いかけます。

そこで、2.2Lのディーゼルはいかがですか、と提案されます。あれはよく回るスポーツエンジンですと。現状Mazda6のみで選べます。4WD、MTとの組み合わせも可能です。ワゴンボディもあります。ということで営業の方は自身を持って勧められるアイテムの発見に表情を明るくしました。

確かに。でもサイズが大きすぎます。V40よりも小さくしたいのです。すると3になって消えましたが、というよりSkyactive-Xエンジンに座を奪われましたが、元々アクセラには積んでたんですよ、という情報をいただきます。3が対象ならアクセラでも同じ事です。細かい問答については割愛しますが、これで私のターゲットはアクセラの最終モデルになりました。帰宅するや検索を開始します。



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