クルマをどうしよう 2 残価設定の利用法

正直、先週の12ヵ月点検で93000円も請求されなければ、そしてそこに目を惹く特別仕様車の中古が置かれてなければ、現在使用中のMini Cooper S 6MTを入れ替えることなど考えなかったはずです。その時の揺らぎを思い返してみましょう。

残価設定ローンは、賢い人は使うべきではないと批判の矛先が向いている金融業者の戦略商品です。所有歴では先々代のVW ザ・ビートルと先代のボルボ V40をそれぞれ新車で購入したときに利用しており(営業マンの勧めに従って)、今回は中古車ですが3度目です。新車2台の時、5年間の支払いの最終回に設定された残価は購入したディーラーの買い取り保証額となっており、その時点で査定されてマイナスが出た場合補填しなくてはなりませんでした。

一例ではザ・ビートルの場合、返却時に6万キロを超えていると超過分1kmあたり6円をマイナスされると言われ、65000kmで手放すなら3万円が減額されます。実際に4年でそれくらい走ったので、どうするか悩ましかったです。

保証する代わり、プラス査定が出ても差額の払い戻しがあるわけではありません。「返却」なので。ですがその店で次のクルマを購入する、つまりは下取り扱いになれば上乗せがあったり値引きがあったりと、次回の支払いに対して還元されます。このような「囲い込み」や利益の搾取といった側面が所謂「闇」とまで断罪される側面です。人によっては、前車の不足分を積み増ししてローンを組まなければならなくなったりとか。

実際にはVW→ボルボ→ミニ(BMW)と異なる車種を4年毎(組んだローンは5年)に乗り換えることになりました。ザ・ビートルの時はどうしても売りたい(この1台で目標達成だとか)ボルボ社の思惑で出血サービスになったおかげで残債がペイできました。逆にボルボから中古のミニへ行く際、法人から個人登記へと所有者(使用者)名義が変わることもあり、先代は買い取り業者へ売却したところ、残債をクリアするのに100万くらい足が出たのは手痛い経験でした。しかし、それを大損だと思っていないのは、その選択が正解だったと信じるだけの満足感を得られたからです。

ものの値段は流動的ですから、いくら使おうが、真に満足できれば過ちとはなりません。価値に対してそれに見合う出費をする分には、そこへ至る道程で多少の損失を出したとしても後悔は生みません。逆にビートルもV40も、惚れ込んで買ったものの、付き合ううちに拭いきれない不満を抱え、我慢は4年が限度であった事実を認めます。

ミニも3年半を経過し、飽きてきたかと問われれば、逆にずっと一緒にいたいのが本音です。気持ち的に4年サイクルが交換時期といった過去のジンクスには、まるで当てはまりません。新車から乗ったVW、ボルボ共に走行6万キロで手放していて、中古のミニですが、私の使用期間で4万キロ超を走って累計6万に達しようとしている、という点で同じコーナーへさしかかったとは言えます。消耗品の寿命が順序よく尽きていき、自ずと維持費がかかるようになってくる、車齢がそうした段階にあることが私の心を、少し揺さぶったのでした。

9月の最終支払い回が70万ほど、というわけで残価設定に無理はありません。27%くらいでしょうか。数字の絶対値を見ても、再ローンするまでもなく返済可能です。その時点でミニは私のものになります。そうした流れを想定していました。残価設定ローンはその据え置いた分まで金利を払うので損だという言い分が、まずは批判する方々の最初の論です。

頭金70万でローンを組めばそれを差し引いた残金への利息がつき、70万を残価にするなら、それを借り続けていたことになって全額に金利が乗るので、確かに損です。あまつさえ、再ローンとなれば、その70万円分には重複した金利がかかる。ですから残価設定ローンを利用する鉄則は、再ローンしなくても一括で払いきれる残価額にすることだと思います。最初の金利のみが損失ですが、メリットを考えればリーズナブルだと思う。

ある国産メーカーのサイトで見積を試みると、残価設定型ローンの雛形では残価率50%が自動的に計上されます。これには、私は詐欺と言って差し支えないほど悪意ある販売方法だと感じました。あぁ、こういうのが代表的なやり口だとしたら、なるほど使っちゃいけないローンですよね。リボ払いと同じく。

話が前後します。今回のミニに設定した残価は、ディーラーの買い取り保証額ではありません。最近わかったのですが、色々なタイプがあるみたいで、ディーラーへ戻すのも「返却」ではなくて査定が行われ、それに準拠する「買い取り」に値し、ですから「下取り」にする方が多少は有利です。先日魅力ある次期候補を目にして、点検で預けてある間に査定を依頼しました。その結果が、半年間の前倒しで一括返済する額を数十万円上回っており、その数字こそが、車両入れ替えを現実的な案件に引き上げた理由でした。だからそれ以来、夜毎カーセンサーをパトロールするために、今日から始まった確定申告に間に合わせることができませんでした。昨晩も4時まで物件漁りをしてしまい睡眠不足できつかった1日でした。ふう


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