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Bloodstonesの追加2種族が強過ぎる件について

どうも、Duckです。
今回の記事は『Bloodstones』に登場するカオスホードとコルセアの2種族があまりにもバランスブレイカー過ぎたので、何とか個性を損なわずに弱体化できないかとプレイヤー間で話していた内容を私なりにまとめた記事となります。
なお、本記事は私個人の見解であり、特に検証等行っていない戯言です。
ご興味ある方はそれを踏まえた上でお読みください。

概要

そもそも『Bloodstones』ってなんやねん!みたいな方はこの記事は読んでいないかとは思いますが、簡単にご説明しますと2023年に発売されたMartin Wallace氏の新作として発行された殴り合い上等のファンタジーウォーゲームです。

本作は2022年にGamefoundで支援者を募り、2119人もの支援者を集めた作品です。
当初はドラゴンライダー、ヒルフォーク、ホースロード、ネクロマンサーの4種族しかいませんでしたが、ストレッチゴールによって追加の2種族が解放となり、全6種族での大戦闘を繰り広げられるマルチ好きにはたまらないゲームとなりました。
そんなはずだったのですが…

事の発端

先日、フォロワーさんと人数的になかなか卓を立て難いだろうということで6人戦で遊んでみました。

平和だった頃のMap No.4くん

そこで改めて、ストレッチゴールで追加となった2種族が異様に強過ぎることを認識しました。
元々、強いとは聞いていたのですが、私自身使っているプレイヤーと遊んだことがなかったので、正直実感は持っていませんでした。
そこで今回初めてカオスホードを使ってみた訳ですが、以前まで遊んでいた『Bloodstones』とは別ゲームと言って差し障りないぐらいにプレイ感が異なり、困惑しました。
確かに強いですし、得点もぐんぐん伸びていくのですが、残念ながら私は全く面白味を感じられませんでした。
なお、このときの結果は…

1位 コルセア 88点
2位 カオスホード 87点

点差が少し開いて

3位 ホースロード 63点
4位 ヒルフォーク 60点
5位 ネクロマンサー 51点
6位 ドラゴンライダー 44点

という異様な点差での終了となりました。

蹂躙された大地 Map No.4くん

このときの反省を受け、拡張2種族の対策した上で4人戦もしてみました。
その結果は…

1位 カオスホード 71点
2位 ヒルフォーク 67点
3位 コルセア 57点
3位 ネクロマンサー 57点

戦闘の痕跡残る Map No.5くん

このとき、コルセアは能力を活かしきれませんでしたが、カオスホードの対処は誤ったように思います。
また、プレイ人数が少なければ少ないほど、カオスホードが独走する展開は防げるような印象も得ました。

カオスホードってどんな種族?

ここからは各種族の具体的な特徴について、触れていきたいと思います。
まずはカオスホードから。
カオスホードは過去の反乱によって敗れ、故郷を追われたホースロードの子孫といった設定があります。
そのため、唯一城塞や村といった拠点を持ったない種族です。
拠点がないからこそ、自身のユニットさえいればそこに増え続けることができます。
また、全滅すると他種族の村やユニットがないエリア(山岳地帯除く)から湧いてきます。
続いて、他種族の村を焼くタイミングが特殊でメインアクション中にできます。
極端な話、他プレイヤーのユニットがいる村に特攻して、戦闘前に村を焼くっという鬼畜のようなプレイも可能な訳です。
最後の1つはゲーム終了時の村から得られる点数についてです。
通常、他プレイヤーの村から得られる点数は1個1点なのですが、カオスホードは村などの拠点を持たないため、1個当たり2点も得られます。

コルセアってどんな種族?

次にコルセアの特徴について触れていきたいと思います。
コルセアは海を支配する海賊団という設定があり、海の民だけあって海辺に絡んだ能力が中心です。
コルセアは騎兵を持たない代わりに隣接地の海洋に船がある場合、騎兵同様に同数の騎兵、もしくはドラゴンがいない限り、撤退できません。
一方、敵種族に攻撃を仕掛けられたとき、相手にドラゴンがいなければ船を使って逃げることができます。
ここまでは割と海の民っぽい能力なので納得感があるのですが、問題はここからです。
まず、コルセアが参加する戦闘では常に相手の戦力を確認してから自分の戦闘タイルの変更が可能となります。
そうです、常に後出しじゃんけんが可能なのです。
また、戦闘に勝利すると通常の勝利点に加え、追加の1点が手に入ります。

『Bloodstones』の面白みを考える

https://boardgamegeek.com/image/8000954

カオスホードとコルセアの特徴に触れたところで、次はそれぞれの問題点について考えていこうと思いますが、その前に私自身が感じている『Bloodstones』の面白さを整理したいと思います。
個人的には本作の面白さは3つあると思っています。
まず、村やユニットを配置することによって国の国境を主張するかのようにプレイヤー間で牽制し合うところです。
村は勝利点でもあるため、できる限り安全なところに配置していきたいところなのですが、それではどうしても土地が足りなくなり、必然的に地域を広げなければなりません。
ですが、地域を広げていくといつかは他プレイヤーと隣接する地域が生まれ、駆け引きが生まれるのです。
勿論、隣人は敵ですし、いつかは攻撃しなければ勝てません。
ですが、すぐに攻撃を仕掛けては他のプレイヤーかもらタコ殴りに合う可能性があると考えれば、易々と殴る訳にもいきません。
この絶妙な心理戦が楽しいです。

続いては一発逆転もあり得る戦闘です。
基本的に戦闘が発生した地域にあるタイル数や、戦闘に参加するユニットによって戦闘力が増減するため、ある程度は勝ち負けを予想することができます。
ですが、結局のところ、戦闘の命運を握っているのは戦闘タイルの引き運に委ねられるため、まさかの一発逆転だって有り得ます。
一発逆転できたとき、めっちゃ嬉しくありませんか?
逆に準備して戦いを仕掛けたのに負けたとき、地団駄を踏みたくなる程に悔しくありませんか?
そんな心が揺さぶられるような体験ができるのは本作の面白さの一つのように感じています。

最後は、ゲームを通して感じることのできるドラマです。
これは私だけかもしれませんが、戦記ものの小説を読んでいるようなドラマティックな展開が見れるのは本作だけな気がします。
ゲームシステムとしての面白さではなく、体験としての楽しさ。
これらが本作の面白さだと私は考えています。

ここがダメだよ、カオスホードくん

ここからはそれぞれの種族の気になる点をまとめていきたいと思います。
まずはカオスホードから。

①村焼きによる点数が2倍なのが強過ぎる

先述の通り、村を持たない種族だからこそ2倍の点数が入るんでしょうけど、雑に強過ぎます。
種族の設定的に拠点を持てないのは分かりますけど、どうにかならんもんかなぁと思う次第です。

②敵部隊がいる地域なのに村を焼ける不思議

村に駐屯してる守備兵何してたの?案件。
突然沸いた敵兵が村を焼き出すとか、無茶苦茶が過ぎます。
確かにカオスホード自体、極めて強いユニットはおらず、物量で押し切るぐらいしか勝つ方法は思いつきませんが、ちょっと有利過ぎる気がします。

③そもそも村がないので『Bloodstones』の面白さが半減してる

私が担当したときに『Bloodstones』っぽさを損なっていると感じた最も大きな要因はここな気がしています。
ただ、これも①同様、カオスロードの設定的な部分にも関わっているので、ここを否定してしまうと個性がなくなってしまう気もします。
そのため、問題点として挙げはしましたが、ここはどうしようもない個性として受け入れる他ないと私は考えています。

ここがダメだよ、コルセアくん

続いてコルセアの問題点について触れていきたいと思います。
問題点と言ってもコルセアの場合、1つだけなんですけどね。
それが大き過ぎると言ってしまえば、それまでですが…

①戦闘時、相手の戦闘力を確認してから色々できるのが強過ぎる

これがあるせいで戦闘時の駆け引きが損なわれ、面白さが半減しているように感じています。
また、これだけ強力な能力なら何らかの縛りがあっても良さそうなものですが、制限もなく使い放題なのは流石に如何なものかと思いました。
個人的にも種族の特徴とマッチしていないように感じているので、公式で手を加えてもらえないかなぁと思う次第です。
逆にコルセアはこれさえどうにかできれば、どうにかなりそうな気がしています。

②戦闘に勝ってもらえる追加点が地味に強い

コルセアは戦闘で勝利すると追加の勝利点を得られる訳なのですが、相手の攻撃タイルを見てから行動を決められる特殊能力と合わさることで、凶悪な組み合わせと言えます。
戦闘の結果をある程度コントロールできる能力さえなければ、追加の+1点もまだ許容できる気がするんですけどねぇ。

カオスホードくん 弱体化ヴァリアント案

ここからは具体的な弱体化ヴァリアント案を示していきたいと思います。

①村焼き点を他プレイヤーと同じ1点にする

過去2回のプレイを振り返ると、確かにそうすれば点数的にバランスが取れるように感じています。
元々、村を焼きし易い種族ですし、仮に1点にしたとしても猛威を振るうのは間違いないと思われます。
この場合、初期の10点があるとバランス的に良いんじゃないかとも考えます。

②敵部隊がいる地域の村は戦闘が終わるまで焼けない

6人戦で遊んだとき、終盤まで敵種族がいる地域は焼きませんでしたが、それでも72点までいったことを考えると、この能力は確実に封印する必要があるように感じています。
ただし、カオスホードは戦闘が強い種族ではないため、このヴァリアントを入れることにより戦闘を避けて村焼きに励む作業ゲーとなる姿も想像できますね。
後半戦に入れば各種族ともに部隊の基盤が盤石になり、より一層攻め難くなるでしょうから、弱体化といった面でも割と有りなヴァリアントかもしれません。

③初期10勝利点をなくす

私的には無くても十分戦えそうな気がしています。
そもそも既存の能力が強いので、下駄を履かせる意味はあまり無いように感じています。
ただし、①案を採用するなら流石に初期で10点ないとバランスが取れないと思うので、①を採用するなら③案は除外して考えるのが良さそうです。

④リスポン可能位置に厳しめの制限を設ける

これは全滅時にリスポンできる位置に制限をかける案です。
なんとなくカオスホードは隠れ住んでいるイメージがあるので、全滅しても森や丘、砂漠から隠れていた連中が湧き出してくるみたいな感じで。
緩くはありますが、平原から突然沸かなくなっただけでも他プレイヤーは不条理を感じ難くなるんじゃないかと思います。

⑤戦闘の勝利点に+1点する

②案でも触れた通り、カオスホードは戦闘で猛威を振るうタイプの種族ではなく、工夫しなければ他種族を圧倒するには数の暴力で押し切るぐらいしか方法が思いつきません。
そこでジャイアントキリングではありませんが、他種族を倒せたら基本の勝利点に+1点を得られるといった内容です。
最初は多種族に勝てたら2倍とかでも良いかと思いましたが、流石にパーティゲームが過ぎるなと思い、コルセアと同じ追加の1点にした次第です。
なお、この場合は村焼き関係の特殊能力を弱体化させないと強過ぎるので、①案と②案を合わせ技で組み込む必要があると考えます。

コルセアくん 弱体化ヴァリアント案

続いて、コルセアの能力に関する弱体化案です。

①戦闘時の特殊能力を自身の船がいる海洋に隣接するエリアのみにする

戦闘時、相手の攻撃タイルを確認したあと、自身の攻撃タイルを選べる能力に制限をかける案です。
コルセアは海賊なので、能力の範囲は船がある海洋に隣接するエリアのみとすることで種族の設定とも合致しており、これならまだ許せそうな気が個人的にはしています。

②戦闘時の特殊能力を廃して、戦闘時に自身の船がいる水辺と隣接するエリアに+1戦闘力を与える

この案は、①で問題視している戦闘時に発動する特殊能力を封印した上で、船が置かれている海洋に隣接する地域での戦闘に対してだけ+1戦闘力を付与するといったものです。
これなら戦闘のドキドキ感も味わえるし、強さが海辺に限定されるので特徴を活かした戦略も立て易いように感じます。

③戦闘時、特殊能力を発動させる場合、タイルを1枚捨てさせる

こちらも①で問題視している戦闘時の特殊能力に制限かけるもので、発動するためにコストとしてタイルを1枚捨てさせるといったものです。
これはコルセアが有利な状態での戦闘を連続して行えないよう制限をかける狙いがあります。
また、コルセア側としても戦闘で使うタイミングを計ることができるようになるため、ここぞというときの切り札として使ってもらえるのではないかと思います。

④戦闘勝利時、追加の勝利点は得られなくする

一方的に有利な条件で殴った上で追加の勝利点を得られるのは強過ぎるやろってことで、それを廃した案です。
根本的な解決にはなりませんが、少なくとも点数の差が生まれ難くなるのではないかと考えます。

まとめ

ここからは以上で示した案を元に実際に導入するなら、どれを選べば良いのかをまとめたいと思います。

Duck的 カオスロード弱体化ヴァリアント

私としては①+②+④+⑤の複合型を推したいと思います。
この弱体化の主眼は、村焼きに絡む能力の弱体化とリスポン地点の制限によってプレイヤーに縛りを設けることです。
また、プレイヤーが積極的に戦闘に参加したくなる仕組みとして、戦闘に勝利すると追加点を得られるようにしました。
ただし、⑤については強くなり過ぎる可能性も秘めているので一度プレイテストして使用感を試してみたい感がありますね。

Duck的 コルセア弱体化ヴァリアント

コルセアの場合、②のみを導入するヴァリアントを私としては推したいと思います。
前述の通り、私としては本作の面白みである戦闘の駆け引きが損なわれるは避けたいと思っています。
そのため、コルセアが何の制限もなく戦闘の主導権を握り続けるのは面白みに欠けると感じています。
また、種族の設定ともマッチしていない点にも違和感を覚えています。
それなら純粋に海辺での戦闘力を強化して、海辺での戦いだけは誰にも負けないようにしてみました。
懸念点として、海辺での高い戦闘力によって敵勢力からの侵攻を受けず、海辺以外は弱体化するために侵攻もしないといった展開にならないかを心配しています。

最後に

以上、Duckさんの長々とした戯言でした。
私としてはカオスホード、コルセアともにバランスブレイカーとして放逐されるには惜しい種族と考えているので、今回の提案で少しでも遊ばれる機会が増えればと願うばかりです。
今年は『Bloodstones』の新拡張も登場予定ですし、これからも長〜く遊んでいければと思います。

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