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油田は古い?!次世代は地熱発電とリチウム採掘だ!『Salton Sea』レビュー

どうも、Duckです。
今回は先日フォロワーさんに遊ばせてもらい、その苦しさから購入までに至った『Salton Sea』をレビューしたいと思います。
私的には今年遊んだ中でもトップクラスの面白さを誇る本作を多くの人に知ってもらいたいと思い、この記事を書くことにしました。
最近、ポツポツとプレイ報告も聞く本作、興味がある方は是非最後までお付き合いくださいませ。


【概要】

https://boardgamegeek.com/image/7821718/salton-sea

プレイ人数:1〜4人
プレイ時間:120分
メカニズム: Contracts, Hand Management, Income
Investment, Solo, Stock Holding, Worker Placement  
BGG Weight:3.83
デザイナー:David Bernal
アーティスト:Amelia Sales
パブリッシャー:Devir
参考リンク:

どんなゲーム?

カリフォルニア州に実在する塩湖、ソルトン湖を題材とした作品です。
本作はソルトン湖の環境的特性から地熱発電とリチウムの抽出を行う企業の1社となって、勝利点を得ていくことを目的としています。
ちなみにソルトン湖近辺には地熱発電施設が設置されており、2023年11月に発表されたローレンス・バークレー国立研究所の調査結果によると、ソルトン湖の地下深くにリチウム鉱脈も発見されています。

まだ実現には至っていませんが、将来本作と同じような企業間競争が起こりそうな気もして、非常にエモいですね。

デザイナーはどんな人?

本作のデザイナーはDavid Bernal氏。
スペイン出身のデザイナーで、2024年までに5本の作品を発表しています。
過去作にはギリシャの建築家として、太陽神アポロンの聖地としても有名なデルフィにトロスを建設する『Tholos』や、4本のシナリオから構成された推理ゲーム『24h』が有名なようです。

https://boardgamegeek.com/image/7605514
https://boardgamegeek.com/image/4930402

アートワーク担当はどんな人?

アートを担当したのはAmelia Sales氏。
代表作は遺伝学の祖と言われているグレゴール・メンデルの助手として、エンドウ豆から遺伝的特性のデータ収集を行う『Genotype: A Mendelian Genetics Games』や、ライト兄弟やサミュエル・ラングレーなどを操作して飛行機の飛行距離を競う『First in Flight』などがあります。

https://boardgamegeek.com/image/5990046
https://boardgamegeek.com/image/7518155

Amelia Sales氏はとてもリアルなイラストを描かれる方で、ガラパゴス諸島をダーウィンと一緒に巡りながら新たな種の発見をしていく、『On the Origin of Species』もこの方が担当しています。

https://boardgamegeek.com/image/5497749

私もこちらの作品を持っているのですが、同梱されている動物タイルのイラストがどれも美しく、目でも楽しめるのが幸せですねぇ。

https://boardgamegeek.com/image/5013874

パブリッシャーはどこ?

パブリッシャーはスペインのDevir Games。

https://boardgamegeek.com/image/7821695

パブリッシャーオリジナルのゲームの他、他社のゲームも取り扱っており、その作品数は700を超えています。
そのため、Devir Gamesのオリジナルタイトルをなかなか見つけられませんでしたが、有名どころだとイヴァン雷帝の命により聖ワシリイ大聖堂の完成を目指す『The Red Cathedral』や、兵庫県の姫路城を舞台とした『The White Castle』などがあります。

https://boardgamegeek.com/image/5556025
https://boardgamegeek.com/image/7754663

【コンポーネント紹介】

では、続いてコンポーネントを見ていきましょう。

ボックス正面

パッケージが渋くて良いですねぇ。
夕陽に照らされる採掘施設が哀愁を漂わせていて、グッときます。
最近の流行りなのか、シュリンクには入っておらず、四辺をテープで止めてあるだけ。
ちなみに我が家に届いたときには、そのテープも全て剥がれており、苦笑しました。
まぁ、段ボールの中で散らばっていた訳ではないので、良しとしたいと思います。

さて、これだけでは箱の大きさが分からないかと思いますので、トランプと比較してみました。

トランプと比較

そうなんです、意外と小さくて驚きますよね。
厚みはそこそこあるので、片付けにくいんですけどね。

ボックス側面

なお、箱が浮いているのは既にコンポーネントを小分けの袋に入れ替えたり、スリーブに入れたりしたからなんですが、実はそれだけではありません。
その原因がこちら。

ルールブック(多言語)

なんと、本作は多言語で5つの言語に対応しています。
し、親切ぅ〜(棒読み。
まぁまぁ、主原語以外はQRコードでWeb公開にしたら良いのにとか、エコのためにシュリンク使わずに紙資源は豊富に使うんかい!とかは置いときましょう。
ちなみに同梱されている言語は英語、ポルトガル語、スペイン語、ルーマニア語、イタリア語のようです。
ルールブックとしては44ページと多いものの、図や例文も豊富でだいぶ分かり易いように感じられます。
また、ゲームの設定に関する解説がギッシリ2ページあったり、後半の15ページはソロルールとカードの効果解説だったりと、実際に遊べれば良い方なら20ページぐらい訳せばいけそうな予感があります。

お待たせしました。
ここからは本格的にコンポーネントを確認していきたいと思います。
まずはメインボードから。

メインボード

夕陽が沈むソルトン湖の景色、まさに絶景ですね。
ボード上には株式トラックや得点トラック、各種カード置き場が多数。
人数によって多少異なりますし、反射で少し見難いですが、セットアップするとこんな感じになります。

メインボード セットアップ

はい、カードの種類がめちゃくちゃ多いです。
例えば、本作の肝でもあるアクションカードは全種合わせると100枚を超えますし、他のカードもそれぞれ20枚以上はある。

アクション兼資金カード
目標カード
契約カード
研究カード
採掘権カード

カードには言語依存はなく、すべてアイコンで示されています。
ただ似たようなアイコンも多く、場合によっては分かりにくいと感じる方もいるかとは思います。

続いて、プレイヤー駒です。

プレイヤー駒

どれも可愛いくて、良いですね。
特に中をくり抜いた駒はとても珍しいように感じます。
一見簡単に割れそうで怖いですが、意外と丈夫なのも気に入っています。
駒のサイズ自体は小さめなので、無くさないよう気をつけなければなりませんね。
ちなみに私がとても気に入っている駒は上段右から2番目にある株式トークンです。

この他にもメインボードのセットアップにも映り込んでいた、数少ない早取り要素の株式配当タイル、資源の買取価格を決める価格タイル、採掘を終えた資源を示すためのトークンが同梱されています。

株式配当タイル
価格タイル
採掘済トークン

最後に個人ボードです。

個人ボード

なんとも不思議が形のボードです。
そして、個人ボード拡張に必要な倉庫タイル3枚とゲーム開始時から持っている採掘権タイル1枚。

倉庫タイルと採掘権タイル

ゲーム開始時、すべての倉庫タイルは使用できない状態です。
ゲーム中、事業開発トラック進むにつれて、倉庫タイルが使用可能なっていきます。
倉庫タイルは資源の保存だけでなく、獲得した研究カードの配置スペースにもなっています。

色々と説明しましたが、これだけではゲームのイメージもつかないかと思いますので、試しに個人ボードのセットアップをしてみました。

セットアップされた個人ボード

3枚の倉庫タイルは個人ボードの右側に裏向きで並べ、初期採掘権タイルは左下のスペースにはめ込み、その上にドリルトークンが置かれています。
個人ボード上部にも何かを差し込めそうなスペースが空いていますが、左から達成を目指している契約カードが2枚まで、その隣には永続効果を持つ研究カードを4枚迄(倉庫が開放されていれば)配置できます。

『Salton Sea』はメインボード、個人ボードともに情報量がなかなかに多く、一目では混乱される方もいるかと思います。
現に私も最初に思ったのは「やべぇ分からん!」でしたですが、それと同時に「考えるポイント多くてて面白そう」とも感じていました。
もし、ここまでの紹介で私と同じように感じられた方には是非遊んでもらって、このワクワク感を共有したいですね。

【がっつりルール解説】

ここからはざっくりとルールの解説したいと思います。
一度遊ばせてもらった上で、自分でも英文を機械翻訳して内容を確認していますので、そこまで大きな間違いはないかと思いますが、気になる点あればご指摘いただけますと幸いです。

大まかな流れ

『Salton Sea』はラウンド単位でゲームが進行していく作品です。
各ラウンドはアクションフェイズとラウンド終了フェイズの2つから構成されています。
アクションフェイズではプレイヤーはワーカー1体を個人ボードのアクションスペース、もしくは手札のアクションカード、個人ボードに置いた契約カードや即時効果を持つ研究カード上に配置して実行します。
各プレイヤーが持つワーカーをすべて配置したら、ラウンド終了フェイズに進みます。
ラウンド終了フェイズでは、ワーカーの回収や達成した契約の除去、このラウンドでカード補充などを行います。
このとき、ワーカーを乗せてアクションを実行したアクションカードは手札にすべて戻ってくることを忘れないようにしてください。

ゲーム終了条件

本作は2つある条件の内、どちらか片方を満たすと、そのラウンドでゲームは終了します。
その条件とは採掘権カードが山札から補充できなくなるか、もしくはメインボード上にある株式会社の内、2社の株価トラックが上限に達したらです。
前回遊んだときは8ラウンドぐらいで終わったように思います。

最終得点計算

最終ラウンド終了後、ゲーム中に手に入れた得点に加え、以下の要素から得点が加算されます。
まず、手札として残っているアクションカード(前のラウンドでアクションとして使ったものも含む)の金額を合算して、$3ごとに2勝利点が加算されます。

次にメインボードに記録されている、プレイヤーが持っている株式数と株価をかけた値を勝利点を得ます。

個人ボード上にも追加の勝利点はあります。
まず、倉庫内に残っている塩水、リチウム、地熱エネルギーごとに勝利点を得られます。

あと、個人ボード上部に配置した研究カードからみ勝利点を得られます。
このとき、倉庫タイル上部に配置された研究カードの得点に倉庫タイルに記された乗数をかけた勝利点が手に入ります。

この他にも長期目標を達成したプレイヤーに対して勝利点を得られる他、事業開発トラックが最後のマスまで進んでいれば目標カードに記されている灰色⭐︎からも勝利点を得られるようです。

一方で失点要素もあります。
例えば、壊れたドリルや抽出プラントの故障を放置していると、そこから大きく勝利点を失います。
他にも達成できなかった契約カードが手元に残っていた場合、そのカードから本来得られる勝利点の半分の失点します。
要するに契約は計画的に結ばなくてはならないということですね。

2つの使い道があるアクションカードについて

普通ならここで、アクションの詳細について触れるところですが、先に大事な要素の1つであるアクションカードの使い方について、触れていきたいと思います。
本作のアクションカードには以下の通り2種類の使い方があります。

①アクションスペースとして使う
②アクションを実行するために支払うコストとして消費する

まず、①は手番に効果面を上にアクションカードとして場に出してワーカーを置き、コストを支払った上で実行します。

https://boardgamegeek.com/image/8120967/salton-sea

本作は個人ボード上に一部のアクションを除き、すべてのアクションが示されていますが、アクションカードに比べると効果は弱めです。
一方、アクションカードの場合、$1ですら個人ボードのアクションよりは強力です。
更に記されている金額が高額なほど、そのカードの効果も強力なものとなっていきます。
このとき、使用したアクションカードはラウンドが終われば手札に戻ってきます。

一方、②の使い方は金額面を上にして、アクションのコストとして支払う方法です。
この場合、一度支払ったコストは捨札にいってしまいます。

これこそが本作のキモの1つでして、強力なアクションは喉から手が出るほど欲しいのですが、その場合、コストとして使えるカードは持っているもののアクションとして使いたいため、支払う訳にはいかないといった状況が生まれます。
常に使いたいアクションと支払うべきコストの間で、真綿で首を絞められ続けるような、常に厳しい選択を求められ続ける、非常に悩ましい苦しさを味わえる訳です。

アクションカードの獲得について

次にアクションカードを獲得する方法についても明言しておきたいと思います。
よくあるゲームですと、アクションカードはコストを支払って購入することが多いかと思いますが、本作はアクションカード=資金カードでもあるため、収入としてアクションカードを得られます。
そこだけ聞くと優しいゲームのような気がするかもしれませんが、そんなことはありません。
本作は定期収入がないため、収入を得る方法は限られているからです。
また、メインボード横に並べられたアクションカードが補充されるのはラウンド終了時のみなので、場からアクションカードがなくなれば補充できません。
唯一の救いは捨札も選択肢として選べるため補充できなくなることは稀ですが、それでも多用する$1のアクションカードは枯れることも多く、欲しいときにカードが得られないなんてこともあります。

各種アクション

ここからはアクションについて、解説していきたいと思います。
本作のアクションは全部で13種類。
1つ1つはそこまで複雑ではないかと思います。
なお、ここで説明するアクションは基本のみです。
アクションカードによって強化された効果については別途ご確認くださいませ。
ちなみに他のプレイヤーとのアクションの取り合いは発生しませんが、一部のアクションを除いて同じスペース内に入れるワーカーは1体までです。

採掘権獲得アクション

ここでは4枚の採掘権カードから1枚を選び、コストを支払った上で個人ボードの左下、初期採掘権タイルの下に配置します。
ここに配置された採掘権カードは以降、ドリルアクションで掘り進めたり、採掘アクションで資源の採取ができるようになります。

ドリルアクション

このアクションではまだ掘り進められていない採掘権カード上にあるドリル駒を1つを下の層に進め、塩水の抽出を可能な状態にします。
採掘権カードには分かり難いですが、地層を表す線が薄く引かれており、その数だけ地層を掘り進めることができます。

ただし、ここで注意してもらいたいのが掘った先にあるものです。
掘った先にある資源が塩水だけなら良いのですが、稀に硬い岩盤にぶつかることがあります。

抽出アクション

ドリルで掘り進めたところまで塩水を抽出するアクションです。
抽出した塩水は倉庫の空きスペースに保管されます。
もしも、空きがなければ保管はできませんので注意しましょう。
また、抽出した塩水アイコンには抽出が終わったことが分かるようトークンを置いておくのを忘れずに。

加工アクション

加工アクションは抽出した塩水を使い、リチウムや地熱エネルギーに変換するアクションです。
リチウムは$6、地熱エネルギーが$4で変換が可能です。
このとき、更に変換するために抽出プラントの再稼働も可能です。
ただし、その場合は抽出プラントに無理な負荷がかかってしまいます。
抽出プラントの負荷は、これ以降の塩水の処理作業にデメリットをもたらします。
そう、処理ができなくなってしまうのです。
このとき、抽出プラントの損傷の具合を示すトラックをリチウムは右に3マス、地熱エネルギーは右に2マス進めます。
勿論、こちらも修理をすれば再稼働が可能ですが、高額なコストを支払わなければならないため、なかなかしんどいです。

修理アクション

無理な稼働によって壊れてしまったドリルや抽出プラントを修理するのが、このアクションです。
このアクションで修理できるのは$3支払って、対応するトラックを1マス左に戻せるだけです。
遊んでみないとわからないかと思いますが、本作における$3は相当負担が大きいです。
そのため、無理な稼働ばかりさせていると、すぐに資金が底を尽きてしまうのでご注意ください。

売却アクション

掘り出した塩水や加工したリチウム、地熱エネルギーをメインボードに示された3社に売却するアクションです。
プレイヤーは3社の内、好きな企業を1社選び、ボード上の示された金額で買い取ってもらいます。

買い取ってもらったら倉庫にある資源を減らし、メインボードの横からアクションカード(兼資金カード)を得た金額分受け取ります。
このとき、メインボード横に十分な枚数のアクションカードがない場合、不足分のは獲得できません。
このとき、買い取りを行なった企業の株価トラックが1マス上昇します。
株価が上がると、そこの企業の株式を持つプレイヤーはゲームの終了時に追加の勝利点を得られますが、株価が上がりきってしまうと終了条件に一歩近づいてしまいますので、ご注意ください。
本作では後述する契約達成アクションよりも売却アクションの方がメインの収入源となりますので、覚えておいても損はないかと思います。

契約アクション

メインボード上に並んだ契約カードの中から指定された枚数のカードを獲得できます。
獲得した契約カードは個人ボード上部の左側にある2スペースのどちらかに差し込みます。

契約達成アクション

獲得している契約カードの中から条件を満たしたものを達成するアクションです。
契約を達成すると示された金額のアクションカード(兼資金カード)と勝利点、契約を達成したことで得られる様々なボーナスです。
恩恵は様々で、例えば事業開発トラックを進められたり、特定の株式が手に入れられたりなど様々。
ただ、得られる金額は売却アクションより少ないのでゲーム序盤では使い難いようにも感じます。
なお、契約達成アクションは契約カード上にしかアクションスペースはなく、ラウンドが終了するまでは個人ボード上に残り続けます。

事業開発アクション

$3を支払って事業開発トラックを1マス進めます。
進めた先にボーナスがあれば即座に得られます。
事業開発トラックで得られるボーナスはワーカー、もしくは倉庫のみです。

研究アクション

個人ボード上に空きスペースがあれば、コストを支払いメインボード上にある研究カードを1枚得ます。
研究カードを置けるスペースは事業開発トラックによって倉庫タイルが開放され、最大4ヶ所まで増えます。

研究カードには即時と永続効果があり、即時効果はカード上にワーカーを置くことによって効果を発揮する一方、永続効果は個人ボード上に残っている限り効果は消えません。

株式購入アクション

メインボード上の3社から1社を選び、プレイヤーの株式トラックを1マス上昇させます。
その企業の株価に応じて買える株式には制限があり、一定の株価を超えなければ、それ以上追加の株式は買えません。
また、持株数に応じて任意の株式配当タイルから1枚を早取りできます。
数少ない早取り要素なので、強力な配当タイルを獲得して、他プレイヤーより有利にゲームを進められると良いですね。
まぁ、そんなに強力なタイルはないんですけどね。

資金調達アクション

ワーカーを置くと$1を得るアクションです。
このアクションのみ、同じスペース内に複数のワーカーを置けますが、1体ずつしか配置できないので要注意。

再使用アクション

$1を支払うことで、既にワーカーが置かれている個人ボード上のアクションを再度実行できます。

以上、ルール解説でした。
もしかしたらアクションの種類が多いため、面食らうかもしれませんね。

【本作の評価】

ここからは本作の気に入ってる点と、イマイチな点をまとめていきたいと思います。

Good!① 常に苦しいハンドマネジメント

【がっつりルール解説】内でも触れましたが、本作のアクションカードには2通りの使い道があります。
この2通りある使い道によって、どの金額のアクションカードを手に入れ、いつ使うのか、そして、そのカードをいつコストとして手放すのか、非常に悩ましい。
毎ラウンド、一定数のコストは常に必要となるため、手元に資金はあるのに手放せなくて金欠みたいな現象が起きてしまいます。
先日、私が遊んだときも同じような状態になり、「分からん!」と言いながら計画を立てるのが楽しいゲームでした。

Good!② シンプルだけど、可愛い木駒

初めて遊んだとき、目を引いたのが可愛い木駒の数々。
プリント駒ではないのですが、ドリル駒や株式駒など、一目見ればデザイナーのこだわりを感じられるデザインなのが素敵です。
『Coffee Traders』の初版のように一部の木駒は壊れ易いのではと心配していましたが、意外と丈夫なのも個人的にはポイント高めです。

Good!③ 意外と選択肢の多い得点源と油断できない失点要素

主な得点源だけでも目標カード、契約カード、持ち株数に応じて得られる勝利点などと様々です。
勿論、効率を考えると抑えてはおきたい得点源はありますが、バランス良く勝利点を得ていかなければ勝ちを掴み取るのは難しいゲームだと私は認識しています。
また、失点に繋がる要素があるため、油断できないのも本作の良いところではないでしょうか。

Bad!①弱々なインタラクション

本作はインタラクションが強くない作品です。
何故ならアクションスペースの取り合いが発生せず、他プレイヤーと関われる要素は株価の上昇、株式配当タイルと短期目標カードの早取り、あとはアクションカードの獲得ぐらいでしょうか。
これぐらいのインタラクションの方が好みの方も世の中には沢山いるかと思いますが、殴り殴られがないと生の実感を得られない系のボードゲーマーの方には物足りなさを感じてしまうかもしれません。
ちなみに嫌がらせをしようと思えば一応できなくはありません。
例えば、ラウンドを跨がないと各種カード類が補充されないことを逆手に取って、アクションカードを得るタイミングで$1のアクションカードばかりを取って場を枯らせば、他のプレイヤーは$1カードを得ることができず、計画を狂わせることができます。
とはいえ、$1のアクションカードが捨札に置かれれば、そこからも補充ができるため、嫌がらせとしては可愛い部類かとは思いますけどね。

Bad!②アイコンが多過ぎ問題

本作はカードの効果をすべてアイコンで示しているため、言語依存はありません。
それ自体は良いことなのですが、それもあってアイコン表記のレパートリーが多く、人によっては複雑だと感じる方もいるようです。
確かにパッと見ただけでは、どういう意味なのか判断に悩むカードもあるように私も感じました。
On Mars』のVital Lacerda氏や『Architects of the West Kingdom』のShem Phillips氏などの作品に慣れ親しんでいるボードゲーマーからすれば、そこまで多いとは感じないかもしれませんね。

https://boardgamegeek.com/image/4357658/on-mars
https://boardgamegeek.com/image/3781944/architects-of-the-west-kingdom

【まとめ】

如何だったでしょうか?
『Salton Sea』の魅力が少しでも伝わっていたら幸いです。
割とサックリとしたレビューを投稿予定だったのですが、気が付けばいつも通り1万字オーバー。
アレもコレもと思っている内にいつも通りの文字数です。
一体、こんな長い文章を最後まで読んでくださる方がどれだけいるのやら…
それだけに、いつも私の文章を最後まで読んでくださる皆様には感謝しかありませんね。
例によって月1更新の低空飛行ではありますが、また次回もお楽しみに。

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