転職することになりました(12年ぶり4回目)

突然ですがこんなことになりました。

1.なぜ転職することにしたのか

いろんな複合要素があるのですが、社会人生活20周年(※院卒なので社会人になったのは2000年度)を迎えて、今の会社で最後まで勤めるか、そうでない選択肢を取るかについて1年前くらいから考えるようになり、「そうでない選択肢」を取ることにしました。

でもいきなりぶっちゃけますが、実は4年前(2016年あたり)も転職活動してました。この時は高望みしすぎていたこともあり年収2割減のところしか内定が取れないという「惨敗」で終わり、そのうち現職が多忙になり転職活動どころじゃなくなったため活動を止めました。

それから4年、また転職の虫が湧き始めて踏み切ったというのが実態です。

で、結論から言うと今回の活動は予想外にスムーズに行きました。何故そうできたのかも含めて説明します。

2.転職でかなえたいこと

以下2つでした。

①自身のこれまでの経験とスキルを活かせること
②年収は現状キープできればベスト、5%ダウンまでなら許容する

①は当たり前ですね。さすがに今から未経験は無理です。
私自身は割と経験の幅が広く、プロマネ・エンジニアといった職務だけでなく、システム・サービスの企画やコンサルティング職務でもそれなりに実績を挙げ続けてました。ただ逆に言うとこれといった強みがあまりない「器用貧乏」タイプでもあり、管理職経験がない40代のため、この点は厳しいかもと思ってました。

②は「管理職経験が無い40代」としては高望みかも知れませんが、安売りはしたくなかったので設定していました。結果的には年収は少し上がったのであまり心配しなくても良かったですが。

3.活用した転職サービス

@typetype転職エージェントです。

過去3回の転職はいずれもリクルートエージェントを使ってたのですが、3回目の転職活動時にリクエーに出していた個人情報が漏れ、現職入社後、元リクエーを名乗る人からしばらく定期的に「将来のための情報です」メールが現職のメアドに届く事象が起きたため、今回はリクエーには絶対に世話にならないと決めてました。

また、今回は最初はエージェントサービスの活用はあまり考えていませんでした。理由は上述の情報漏れも含めて、あまりエージェントに良い印象が無かったためです。

で、単純に案件数が多い@typeに4年前から登録し続けており、今年9月に登録情報(主に職務経歴)を最新化して「3か月以内に転職したい」という転職希望設定も添えて活動をスタートすることにしました。

情報を最新化するとスカウトメールがいっぱい来るようになりました。9割は人売りソフトハウスというクソ求人ですが、残りの1割の中にたまに志向にヒットするのがありました。そういう会社は求人詳細を見て問題なければ応募する、ということを9月下旬から始めました。

ただし、それらの求人の中には、type転職エージェントを経由する求人がいくつか紛れ込んでいました。10月上旬に、あるエージェント経由の求人に間違えて応募ボタンを押したことでtype転職エージェントにもお世話になることになりました。最初は「面倒なことになった」と思いましたがもう引き返せません。10月中旬にエージェントの中の人と電話面談を行い、経歴書の添削と求人の紹介を沢山頂いてエージェント経由の活動も始めました。

4.Web面接の恩恵を受ける

さて、過去の転職活動で私が最も苦しんだのは「面接」でした。吃音持ちで喋るのが苦手な私の面接通過率は下から数えた方が早い部類で、失敗した4年前の転職活動時は一次面接通過率が1割くらいしかありませんでした。一般的には5割くらいと言われているので低すぎですね。当時も別のエージェントを使っていたのですが、フィードバックで「経歴書の内容とギャップがあった」「コミュニケーション能力が不安」と何度言われたことか・・・。

ですが、今回の活動では面接を6社受けて4社一次面接通過、2社内定(うち1社を承諾)、2社は最終面接前に辞退という望外な結果となりました。辞退した2社のうち1社は「社長面接なので話だけでも聞いてほしい」とわざわざケータイに電話がかかってくるほどでした。

面接通過率が跳ね上がった理由は「Web面接」でした。対面の面接に比べて圧倒的に圧迫感や緊張感が無く、非常にリラックスして本来の自分自身をアピールすることがだいたい出来てました。面接場所も緊張感漂う会社の応接室ではなく、横浜や蒲田のネカフェの個室。時折PCで求人票や会社HPや経歴説明カンペに目を通しても相手からはなんとも思われません。

落ちた2社については、1社は対面面接でしたし、残り1社はネカフェのWi-Fiの調子が悪くそちらのほうに頭が回ってしまってアピールが弱かったのが原因です。万全の状態で受けられたWeb面接については全勝です。

もちろん4年前と比べて応募する求人の幅を広げていたことや、4年経って対外アピールできる職務経験が増えていた(その経歴を買ってくれた企業が面接まで行けました)こと、その4年の間に現職でも他部署の人達やお客様に対して私がプレゼンする機会が何十回もありコミュニケーションスキルが強化されていた…など、面接通過率が上がる要素は他にもありましたが、Web面接のおかげで余計な緊張が無かったのが一番大きかったかなと。あと10年早くWeb面接が普及していれば私の社会人人生は大きく違っていたかも。

ただ、一方で書類選考通過率はかなり悪かったです。応募は25社くらいしましたが通過したのは6社だけ。4年前の失敗活動時、12年前の転職活動時はそれぞれ4割くらいあったのでかなり落ちましたね。「管理職経験の無い40代」なのでこんなものかも知れません。

5.で、どこ行くの

とあるマネジメント系のコンサル会社です(FBではそのうち公開します)。エージェント経由で紹介を受けたところで、こちらをA社とします。
現職と比べると規模は小さいですが、一応上場企業です。実は「上場している企業に入る」のは人生初なんですね。上場企業の子会社とか、在籍中に企業が上場したということはありましたが、入る時点で上場済みなのは人生初です。だからといって何が変わるわけでもありませんが。

内定いただいた時点で自己応募の企業B社から既に内定を得ていました。条件が提示されるオファー面談はB社が先となり、「そこよりも年収XX万上回る条件だったらA社にしますよ」とエージェントの人に伝えたら、本当にその条件でA社が提示してきました。

この時点でA社を断る理由はほぼありません。懸念点は開発現場からは離れるのでエンジニア経験の蓄積が今後無くなるということと、直近のA社の業績で若干疑問符があり、短期間でまた転職活動する羽目にならないだろうかということ、でした。
ただ前者については「自分は器用貧乏タイプでスペシャリストにはなれないのだから、これ以上の蓄積は重要ではない」という考えに至り、後者については将来見通しを明らかにしてもらったことでクリアとなりました。

そして、12月15日にA社に内定承諾の連絡をしました。

6.退職交渉

12月下旬に直属の上司に退職の意向を伝えました。退職時期を2月末に設定したこともあり、あまり揉めることはなかったです。

ただ、逆に言えば今の組織では私自身のことはそんなに評価されていなかったことにもなります。実は組織内での私に対する評価は3年前をピークにだんだん下がっていってました。原因は詳細には言いませんが、一言で言えば現職の状況変化が私の志向やスキルに合わず、私もその変化に対応することを積極的にやらなかった、ということです。

一応所属の事業部長から引き留めを受けましたが、はっきり言ってめちゃくちゃ形式的でした。現職に入社した時の最初の面接もこの事業部長の方で、この時は私の自己紹介が終わった瞬間「あなたみたいな人に来て欲しいんです!」という内容の演説を45分間くらいしてきたというエピソードがあったのですが、それと比べると悲しくなるくらい弱弱しい引き留めでした。

7.総括

転職活動期間は3か月弱でした。面接通過率が異様に高く、内定を全部蹴ってもう一段上のランクの会社を受けることも頭をよぎりましたが、書類通過率が今まで一番悪かったこと、A社より良い条件で内定頂ける確証がないこと、コロナ禍の悪影響がさらに出て転職市場が悪化するリスクなどを鑑みて、これ以上の活動はしないことにしました。

40代の転職はリスクがあります。私は転職を繰り返してるので多少は慣れているとはいえ、知り合いが誰もいない新天地にこの年齢で行くことはそれだけでリスクです。A社は平均年齢が30代後半なので年齢ギャップはあまり心配してませんが。

最近騒ぎになった転職失敗事例があります。

国産MediaWikiサイトとしては最古参かつ最大手の「チャクウィキ」のオーナーであり、ビジネスでは「記事広告」という枠組みを編み出し、LINE社のチーフプロデューサーまで務めていた谷口マサト氏が今の私と同じような年齢で2019年に新天地に転職したものの、そこで上手くいかずメンタルを病み、昨年8月に人知れずこの世を去り、世の中がそれを知ったのは4か月後の12月・・・というとんでもない事例がありました。

チャクウィキをどうするかなどの死後処理を何も決めていない状態での急逝だったようで、残されたチャクウィキユーザーが今後サイトをどうするか話し合いがもたれていましたが、結論が出ないまま旧サイトはアクセス不可に。その結果、複数の自称後継サイトが出来ることになり、共に荒れ放題になっています。

谷口氏と直接お会いしたことはありませんが、プライベートで私は2020年5月ころからMediaWiki界隈に足を突っこむようになっており、私にとっては「スーパースター」な方だったので、この件はかなりショックでした。私も1年後にはこうなってしまうかも知れない、という不安は今でもあります。同氏の逝去が分かった12月10日時点では転職活動を止めて現職に残ることも頭をよぎりました。

でも、仮に自分がそういう状況になったとしても、まあ仕方ないよねと。

独身だから失うもの少ないし、影響も谷口氏と比べたら天地の差(もちろん自分のほうが影響皆無)だし、そもそも私は同じところに居続けるよりもあちこち動き回ることで実績を残すタイプ。スペシャリストにはなれないが、「汎用性」の高さでやってきた人。悪く言うと器用貧乏。

ロマサガ3のユリアンをSNSアイコンにしているのは、私の「器用貧乏」を最もよく表せるアイコンだからです。器用貧乏だけど勇者でありたい。モニカ姫に該当する相手居ないし、根は小心者だけど。

おしまい。

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