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LB 47 須長駿太(4年)

「と、言うことはSNAILSに?」

そんな選択を迫られることになるとは、思ってもいなかった。



大学では、アルバイトや勉強に力を入れようと思っていた。その方が教員になった時のために知識も社会性も身につくもんね。ただ漠然とそう考えていた。



そんな中、同じ学科のアメフト部の先輩からイベントに誘われ、軽い気持ちで参加してみた。そこで出会った人々は愉快な人だらけだったが、もちろんそれだけではアメフトをやる気には全くならなかった。



しかし、「一度、騙されたと思って見に来て」と誘われた練習見学で、その印象は変わった。普段一緒にふざけている先輩方はどこへやら。激しくぶつかり合う男達の姿に魅了された。


競技の迫力もそうだが、勝つためにお互いの妥協を許さない環境に惹かれた。ミスを厳しく指摘し、苦しい中で声を出して仲間を鼓舞する姿に、憧れを覚えた。

 

練習後、先輩とご飯を食べながら話をしていると「どんな先生になりたいの?」

と質問された。私は、

「部活動を通して人間形成をする先生になりたいです。」

と答えた。するとその先輩は、

「勉強やバイトも教員に必要なことかもしれないけど、それは『君の理想像』へ近づく行動として、本当に正しいと思う?」


先輩の言う通りだった。自分はただの先生ではなく、スポーツを通して人間形成を行える先生を目指しているのだ。そのためには部活を続けるべきなのかもしれないと考えるようになった。さらに、先輩が自分の将来のことなんぞを親身に考えてくれたことが、何よりも嬉しかった。



だが、やってみたい競技は他にもあり、アメフトをやろうとすぐには思わなかった。他部活と悩んでいる間も先輩は誘い続けてくれた。私は不思議で仕方がなかった。どうして体が小さく、運動神経が良いわけでもない自分をこんなにも誘ってくれるのだろうかと。すると先輩は、

「熱い気持ちを持ってるお前とアメフトがしたい。体の大きさや能力は関係ない。」

と言ってくれた。人生でここまで人に必要とされたことはなかった。ストレートに自分を欲しいと言ってくれる男に、この組織に、自分の4年間を懸けてみたいと思った。目標のために、SNAILSで自分を磨いてみよう。そう決心した。



大学における部活・サークル選びは大きな分岐点だと思う。だからこそ、4年後の自分を見据えて選択する必要がある。



「と、言うことはSNAILSに?」

「入部します!」



気づくと私はそう叫んでいた。

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