カミングアウト

カミングアウトしてくれたあなたはなぜか泣いていたけれど私はちっとも変だと思わなかった。性別抜きにして人を人として好きになれるなんて素晴らしい才能じゃん。それにあなたはすごく努力家で正義感の塊のような人だった。側からみれば愛情深く理想的な家族に囲まれているあなたを羨ましいとすら思っていたこともあったよ。私にとってはただそのままで完璧に見えるあなたが、どうしてそこまで苦しそうなのか、追い詰められているのか、理解出来なかった。だけど今思えば、当時からあなたは誰にも理解されないほどに高度な魂を持っていたんだと思う。十分に受け止めてあげられなくてごめん、許してね。

風の便りで今はあなたが幸せだと聞いたよ。あなたが幸せで心からよかった。またいつかどこかで会えたら嬉しいな。特に話したいことなんてないんだけどさ。

✴︎