国指定史跡虎塚古墳・ひたちなか市埋蔵文化財調査センター・国指定史跡十五郎穴横穴群
◎国指定史跡虎塚古墳
所在地:茨城県ひたちなか市中根3494-1
7世紀初めに築造された全長約56メートルの前方後円墳。国指定史跡。1973年に日本で初めて発掘調査によって確認された装飾古墳。横穴式石室内の奥壁と側壁には白土で下塗りした上にベンガラで幾何学文や武器、馬具が描かれている。
令和6年度秋季虎塚古墳壁画公開
【公開期間】
前半:2024年11月7日(木曜日)から11月10日(日曜日)
後半:2024年11月14日(木曜日)から11月17日(日曜日)
★関東では珍しい装飾古墳の石室内部を観られる機会ということで、ひたちなかまで遠征した。見学には長い行列ができているのかと思いきや、ほとんど待つことなくすんなりと見学できた。石室は温湿度管理されていて、ガラス越しに数名ずつが見学させて頂けた。丁寧な解説を聞きながら、ゆっくり見学することができた。装飾古墳というともっと古い時代の古墳を想像していたが、ここは7世紀初めということだ。その分、石室内の図形や模様も抽象的なデザインというわけではなく、それぞれ弓矢など具体的なものを描いているとのこと。べんがらで描かれたという赤色が鮮やかで感激した。(写真撮影は禁止)この古墳は、未盗掘だったようで遺体も見つかっている。こちらでは、調査終了後に骨壺に入れて石室内に戻しているのだとか。それが正しいと思います。
見学後は古墳近くにあるひたちなか市埋蔵文化財調査センター石室内の原寸大レプリカ(下写真)や発掘された遺物などを見学できた。
◎虎塚古墳石室レプリカ
◎虎塚古墳出土遺物(ひたちなか市指定文化財)
漆塗小太刀、刀子、毛抜き型鉄製品、やりがんなどが出土
※おまけ
虎塚壁画擬人化キャラクター:虎塚ちゃん
※今回のお土産
石室ペーパークラフト、クリアファイル、虎塚ちゃんアクスタ、埴輪クッキー
◎国指定史跡十五郎穴横穴群
「十五郎穴横穴群は、太平洋に東流する那珂川の支流である大川と本郷川に挟まれた舌状台地に位置する横穴墓群です。7世紀前葉~9世紀前葉にかけて、台地崖面に横穴を掘って造られた墓で、谷により分けられた「指渋支群」、「館出支群」、「笠谷支群」を合わせて推定500基を超える横穴墓が分布すると考えられています。
昭和25年から断続的に実施されてきた発掘調査により、須恵器や玉類、武器類などが出土しています。特に、館出支群Ⅰ区第32号墓から出土した直刀や、同群Ⅰ区第35号墓出土の金銅装刀子は、正倉院宝物との類似性が指摘され、注目されます。また、墓の形態については、九州の豊後や肥後地域との関連がうかがえるものがあり、複数の地域からの系譜をもつ可能性があります。
古墳時代終末期から平安時代にかけて造営された東日本最大級の横穴墓群であり、当時の東日本社会を考える上で重要な資料です。」(茨城県教育委員会web siteより引用)
★虎塚古墳のすぐ近くに7~8世紀の横穴墓・十五郎穴横穴群があり、こちらもあわせて見学した。穴の内部はよく見えなかったが、中にはそれぞれに玄室があるようだ。ここからは、勾玉や太刀、須恵器などが出土している。