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山形の旅(2)山形美術館 「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」

※山形城二ノ丸東大手門前にある山形美術館へ。民間主体で県と市が協力して設立された財団法人が運営する珍しい美術館。企画展として、大好きな新版画の旗手ともいえる川瀬巴水の巡回展が開催中。スティーブ・ジョブスも愛した版画家の作品約180点を一覧することができた。作品はすべて撮影不可。

展覧会ポスター

★山形美術館 「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」
開催期間:2024年7月11日(木)~8月25日(日)
会場:山形美術館(山形市大手町1-63)
主催:山形新聞・山形放送、山形美術館
共催:山形県、公益財団法人山形県生涯学習文化財団
後援:山形県教育委員会、山形県芸術文化協会、山形市、山形市教育委員会、山形市芸術文化協会
特別協力:渡邊木版美術画舗
資料提供:大田区立郷土博物館
企画協力:ステップ・イースト
「大正から昭和にかけて活躍した木版画家・川瀬巴水(1883-1957〔明治16-昭和32〕年)。近代化の波が押し寄せ、街や風景がめまぐるしく変貌していく時代に、巴水は日本の原風景を求めて全国を旅し、庶民の生活が息づく四季折々の風景を描きました。巴水とともに木版画制作の道を歩んだのが、新時代の木版画「新版画」を推進した版元の渡邊庄三郎(現・渡邊木版美術画舗初代)や彫師、摺師といった職人たちです。四者は一体となって協業し、伝統技術を継承しながらもより高度な技術の活用を求めました。そして新たな色彩や表現に挑み続け、「新版画」をけん引する存在として人気を博します。
本展では、季節や天候、時の移ろいを豊かに表現し「旅情詩人」とも呼ばれた川瀬巴水の画家としての生涯を、初期から晩年までの代表的な作品とともに紹介します。まとめて見る機会の少ない連作(シリーズ)も含む約180点に加え、当地ゆかりの作品《山形山寺》(1941〔昭和16〕年)を山形会場限定で展示し、叙情的な巴水の世界へといざないます。」(official siteから引用)

◎「増上寺の雪」(川瀬巴水:1953年:渡邊木版美術画舗蔵)

「増上寺の雪」(展覧会場フォトスポット)

◎「芝増上寺」(東京二十景)(川瀬巴水:1925年:渡邊木版美術画舗蔵)

美術館前の展覧会バナーより

◎「馬込の月」(東京二十景)(川瀬巴水:1930年:渡邊木版美術画舗蔵)

美術館前の展覧会バナーより

★出展点数も多いうえに、保存状態の良い作品も多く見ごたえのある展覧会だった。川瀬巴水の版画の何が観るものを魅了するのか?まずは、構図のすばらしさ。広重など浮世絵の時代に連なる大胆な構図に加え、西洋画の遠近法をふまえた違和感のない構図が、大胆さと安心感を与えているのかもしれない。そして色彩。江戸時代の浮世絵に比べると多くの色数を使い、微妙な色調の差が画面にリアリティを与えている。雪景色や夜の風景では、描かれているその場の温度や空気感まで感じさせてくれている。


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