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本多劇場 第1回 愛しのボカン大作戦『こんなんほろんでいい世界』観劇記録(一部ネタバレあり)

【日時】2024年8月11日(日)13:30開演
【会場】本多劇場
【脚本・演出】山崎彬
【出演】森川錦、平松來馬、齋藤明里、香月ハル、佐藤新太、野崎紗矢、高畑裕太、山崎彬、潮みか、中村るみ、馬渕香那、&you
(以下、公式web siteからの引用)
「やさしくないヤツが 「優しい」と担がれ、
あいなどないヤツが 「愛」を語り讃えられる。

一方ワタシは「難しい」といわれ、
「生きるの困難、もう滅んでいい」 と呟く。

もはや残機ゼロ 瀕死寸前のワタシに
舞い込んだ闇のスタンドイン。
とりあえず行ってみますかと
たどり着いた現場で 行われるショーは、

かつてない没入型演劇でした。

やっぱ滅んでいいや。
いや、やっぱちょっと待って。」

【感想】
本多劇場の中央前列に張り出した舞台、最前列の一般客が”参劇”、など新しい仕掛けが満載の舞台。密閉・孤立した空間の集団の心理を描くことは、小説でも演劇でも数多く取り組まれてきた題材だが、演劇空間における舞台の上と下という境界が現実と劇中というシンクロもあいまって、複雑なストーリーになっている。終盤になって、意外な(ちょっとこわい)展開もあって、着地点が最後までわからない面白さがあり、2時間半あまりの上演が長時間に感じなかった。終演後のアフタートーク(齋藤明里、香月ハル、山崎彬、ゲスト:本西彩希帆が出演)で作・演出の山崎彬さんが言っていたように自分の居場所と思っている空間(職場)に置き換えて考えると、こわいような、でも逆に自分がいなくてもきっと同じように時間は進み、自分の存在もいずれ忘れられるのかなということを、ネガティブな文脈としてではなく、だからこそ、外の世界に飛び出すことに躊躇はいらないと背中を押されたような気もした。アフタートークでも皆さんのお話も含めて、確実に私の帰りの足取りを軽くしてくれた、そんな観劇、いや、参劇経験だった。

上演台本、ブロマイド、リーフレット

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