スナック永子が見た! 日本のMVの歴史

映像ライター林永子(はやし・ながこ)、集大成始めます。

==================================1980年代以降、時代と共に表現やスタンスの変容を遂げながら、独自の文化を築き上げた日本のMV。そのシーンを専門的に記録し、体を張って応援し続ける映像ライター林永子(はやし・ながこ)が、クリエイターをゲストに迎え、黎明期より現在までの歴史を振り返る。
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【スナック永子が見た! 日本のMVの歴史】

日時:2017年11月11日(土)OPEN 12:30 / START 13:00(END 15:00予定)
場所:LOFT9 Shibuya

前売¥1,800 / 当日¥2,000 / 学割¥1,000(いずれも税込・要1オーダー500円以上)*学割の方は、受付にて学生証の提示をお願いします。
前売券はpeatixにて発売中

【MC】林永子 

【ゲスト(敬称略)】庄野祐輔(『映像作家100人』編集)、寺井弘典(P.I.C.S)、西村則幸(スペースシャワーネットワーク)、山口保幸(東京NO.1) 

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自分がMVとともに歩んで来た略歴については、こちらのプロフィールを見ていただければあらかたご確認いただけるかと思います。とはいえ、最近のMVシーンは疎いのですが、MVはいつの時代も、新しいプラットフォームや技術、需要などによって在り方を刷新していくところが面白いと思っています。

現代のMVに、然るべき背景とニーズがあるように、かつてのMVにも、それなりの背景があった。どんどん在り方を刷新していくMVだからこそ、これまで辿って来た経緯を、一度総括してみようではないか。というのも、日本のMVの歴史をまとめた文献も書籍もサイトも、どこにも見当たらないので、「じゃあ、私がやる」と勝手に言い出したわけです。得意なんです、勝手にやるの。

ただし、1人ぼっちでコツコツ執筆する書籍スタイルだと、飽きるし、しんどいので、当事者であるクリエイター陣をゲストに招いたトークイベントにして、わいわい楽しみながらまとめ作業に向かうという飴を己に与えた次第です。勝手に企画して、みなさま巻き込んで、楽しもうとしているわけですから、マジで勝手ですね。自覚はあるのですが、大変恐縮ながら、諦めてお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

そうそう、日本のMVの歴史を端的にまとめるコラムを、2012年に発売された『メディア芸術アーカイブス 15 YEARS OF MEDIA ARTS』(ビー・エヌ・エヌ新社)に寄稿しておりました。この15年分に前後を加えて、【日本のMVの歴史】では、1980年代半ば〜現代まで、約30年くらいの歴史を網羅したいと考えております。

約30年ですからね、1回じゃ絶対に終わりません。そこで、まずは全体を俯瞰でひろーく見直して、時代ごとに重要なトピックスを洗い出す会を、まずは、開催しようと。それが11月11日(土)のお昼に開催いたします【スナック永子が見た! 日本のMVの歴史vol.0】です。このvol.0会にて精査したトピックスについて、次回以降、詳細を掘り下げる分科会を行っていく予定です。

vol.0会は、以下のような切り口で時代を振り返っていこうと思っています。

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◎黎明期 1980年代後半〜1990年代初頭(ヒント:ビデオアートの台頭、ポータブルビデオレコーダー発売、米国MTV(1981年設立)、ライブ映像などの演奏シーンを主軸としたクリップ、MTV JAPAN(VIBE)やスペースシャワーTVの立ち上げ、民放テレビ番組「カウントダウンTV」やテレビ神奈川「ミュートマジャパン」等、MV需要を高めた媒体等)

◎隆盛期 1990年代(ヒント:邦楽ミリオンセラーブーム、MV制作費高騰、海外ロケや高額機材の導入、MVディレクター人気、低予算作品は若手作家の登竜門に等)

◎デスクトップ期 1990年半ば〜2000年前半(ヒント:DTP革命、編集・合成ソフトの台頭、モーション・グラフィックスの流行、大人数制作体制から少数精鋭へ、モーションデザイン集団、アスミックエースのMV監督作品集「ディレクターズレーベル」発売(2004年)、音楽業界の低迷等)

◎インタラクティブ期 2000年半ば以降(ヒント:インターネットの台頭、MVのアップロード禁止、MVを手がけた映像作家や制作会社が自作をHPで紹介できないジレンマ、レコード会社がYouTubeに公式チャンネルを開設(2009年頃)、インタラクティブなコミュニケーションを表現するMV・ボーカロイド・プログラミング・プロジェクションマッピングが台頭等)

◎2011年の東日本大震災を経て、現在まで(ヒント:震災が映像クリエイターに与えた影響、制作環境の変化、youtubeでの再生回数を重視する低予算作品が定番化、テレビでみるための映像クオリティを不要とする時代性、作家性よりも情報サービス提供が好まれる時代?、作品の一方的な閲覧ではなく体感の共有、アニメーション作品の流行等)

◎最後に、まとめ

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って、ものすごいとっ散らかっている! 全然まとまらない気配しかない! いや、逆に要所要所、トピックスがすでに抜けている! いやあ、 恐ろしい企画に手を出してしまいました。とはいえ、言い出しっぺは私ですからね、責任をもって遂行いたします。

が、1人であれこれ考えていてもラチがあかないのでね、心強いゲストのみなさまにご登壇いただき、貴重なお話をうかがいながら情報を粛々とまとめて参る所存です。ゲストのみなさまは、今回は4名さま。

山口保幸さんは、1980年代から現在まで第一線でMVを作っていらっしゃる映像作家です。まとめサイトを見つけたのでご参照ください(『【アーティストの頭の中をPVに】映像作家「山口保幸」のすごい仕事まとめ』)。日本のMVの初期のお話以降、ご自身の作風や時代の移変わりなどについて伺います。

寺井弘典さんは、P.I.C.Sやその前身のVIBE(MTV JAPANの前身)にて、日本の映像文化シーンを牽引されて来られました。今回は、MTVや洋楽MVの影響、VIBE時代のSTATION ID コンテスト、自社のブランディング、プロジェクションマッピング等の大型展示映像などについてお話を伺います。

西村則幸さんは、私がかつて勤めていた音楽映像制作会社『SEP』で大変お世話になった元上司でございます。前職はレコード会社勤務とのことで、音楽業界からみたMVの需要について、また、隆盛期の音楽産業や映像制作のエピソード、当時の映像制作会社などについて、お話を伺いたいです。

最後に、庄野祐輔さんですが、今回のメンバーの中では最も若い30代です。編集されている『映像作家100人』も10年目とのことで、庄野さんが見てきたこの10年のMVや作家の変遷についてご意見伺います。特に、MVを見るプラットフォームがTVからネットに移行した現在のシーンについて伺います。

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今回はこのメンバーで、2時間、各位の視座より見てきたMVについておしゃべりいたします。どこにもまとめられていない、ここでしか聞けないお話が満載で、どなたが聞いても絶対的に面白い内容になると自負しております。ご登壇者のお仲間やご同業者のみなさまも、ぜひぜひ、お気軽に遊びにきてください。映像に興味がある方や、現在のMVがご存知ない若い方、学生のみなさまも、ぜひぜひ、ふらっと遊びにきてください。学割をご用意しておりますので、学生の方はぜひ学生証をご持参ください。

それでは、11月11日(土)13時〜 LOFT9でお待ちしております!


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