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欧州MBA現地就活記_ネットワーキングを通した就活の例

 最終的にご縁がなかった会社でしたが、非常にうまくネットワーキングが効いたポジションがありました。この体験記を通して、ネットワーキングがどう機能するのかのイメージを持っていただけたら幸いです。

0_求人発見

 10月下旬にJapaneseというジョブアラートに引っかかり、その求人を見つけました。ポジションはMBA卒業後のキャリアとしては明らかに高い、事実上の日本のCFO職でした(勤務地はスイス)。
 自分の過去の業務を援用することで活躍できることは想像ついたものの、人によってはキャリアゴールになるようなポジションです。最初の数年間はキャッチアップに猛勉強する必要があると思われる非常にストレッチな業務でした。しかしながら日本語が求められており、またその他のRequirementもほぼクリアしていたため、十二分に可能性があると思いました。

1_Key personの選定

 まず最初に、その求人の採用プロセスに関わっているだろう人をリストアップしました。求人票に書いてあるHR担当者、Hiring managerらしき人、同じ職位で他のRegionを担当している人、日本CEO、Global CFO等をターゲットをLinkedin経由で把握しました。
 創業年こそ50年以上前にも関わらず、Global CFOやHiring managerの年齢が妙に低く、またHiring managerのキャリアが自分と似ており爆速で昇格していたので30歳の自分でも十分採用される可能性はあるのではないかと思いました。
 

2_繋がりをリストアップ

 その後、その会社内で働いているIMD卒業生、LinkedInで2ndと表示される人を(誰と繋がっているかを含めて)エクセルにまとめました。Linkedin経由でコンタクトを取り得る人は以下の4名でした。

A氏:ボードメンバー。IMDのprogram参加経験有。
B氏:子会社のCEO。7月に話した卒業生X氏と繋がり有。
C氏:日本チームのSalesメンバー。日本人卒業生Y氏と繋がり有。
D氏:R&DのManager。イベントで仲良くなった友達と繋がり有。
 

3_連絡を取っていく

 A氏にはcold messageを, B~D氏については繋がりがある人達にどのような繋がりなのか確認するためのメッセージを送りました。
 D氏に関しては紹介できるほどの仲ではないということになりましたが、B氏とC氏に関しては協力をしてくれることになりました。B氏とC氏の協力が決まった同日に、A氏からも返信をいただけました(求人が公開されてからちょうど1週間後でした)。
 非常に幸運なことに、日本人卒業生Y氏がヨーロッパでのとあるイベントにてスイス本社のSales manager の方(以下、E氏)と仲良くなり、E氏も私に協力してくれる運びになりました。
 各人とどのように協力してもらえるかを調整し、それぞれ以下のように動いていただくことになりました。

A氏(ボードメンバー)→Hiring manager, Global CFOへ連絡
B氏(子会社CEO)→アプライしたタイミングでGlobal CFOへ送付
C氏(日本Sales manager)→日本市場及び企業の理解のためミーティング実施
E氏(スイスSales manager)→私の連絡先をHiring manager、日本CEO、Global CFOへ送付。

4_Hiring managerからの連絡 

 そろそろカバーレターを書き始めないといけないなと思っていた矢先に、Hiring managerから私のLinkedIn アカウントに直接メッセージが送られてきました。興味があるなら是非ミーティングしようと言われ、翌営業日に急遽オンラインミーティングを実施しました(通常HR面接が1次面接のため、事実上の2次面接でした)。

 週末を挟むことができたので、過去3年間のすべてのFinancialsを読み込むとともに、C氏とミーティングを実施し、Hiring managerも知らないような日本市場に関する情報を仕入れました。ミーティングでは、その情報を織り交ぜながら求人に関する質問をぶつけました。日本市場のプロから仕入れている情報に基づいているので、質問の質は非常に高く好印象を与えられたと思います(ミーティングの結果、CVとカバーレターを会社のポータルからではなく、Linkedinで直接そのHiring managerにCVとカバーレターを送付することになります)。
 

 ここまでが、求人が出てから2週間の動きです。この時期は他にも2社重点的な準備を実施しながら、リファーラルを貰えた企業への応募もしていました。この時期は忙しすぎて、関心があり自分の経験と100%マッチする求人を見送ることもしました(リファーラルがあったとしても受かる気が全くしない有名企業の良いポジションだったため)。

5_この後の面接

 この後HRから連絡があり、正式な面接プロセスに入ります。強力なリファーラルを持ち、さらに入念な準備をしていたため順調に進みました。最終面接の最後にHiring managerにI'm sure you are with usと言われることになります。(その後取り消されますが、何が起きたのかは推測することしかできません。ここで公開できない情報もありますが、結局あまりに若すぎてHiring managerがより上位/別部署の関係者を説得できなかったと考えてます涙)。
 具体的な面接内容については割愛しますが、 面接で効いたのは、結局C氏から日本市場や組織の課題について直接お話を伺えたことでした。そんなことまでして応募したのは私だけだったんじゃないかと思います。

まとめ

 もし事前にネットワーキングを実施していない場合、Linkedin上検索してもA氏しか表示されなかったはずです。2週間でここまで集中的に意思決定権者へアプローチすることは難しかったでしょう。結局このような形で就活を展開する場合、事前のネットワーキングが必須になると思います。
 ここまで意思決定者にアプローチできたのはかなり稀だとは思いますが、私はこのポジション以外にも、大なり小なり、意思決定者にネットワーキングすることができました。そのようなネットワーキングを通した就職活動が年間10社できれば、どこかには引っかかるんじゃないかなと思っています。ネットワーキングを通した就職活動を志す場合は、なるべく早いタイミングでネットワーキングを始めることをオススメしたいです。

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