短編小説  ひとりぼっち

「もう、ひとりで泣かないよ。だって君がいてくれるでしょ?」


「グスッぐすっ…」
今日もできなかった。また嫌われちゃう。
なんでこうなるの。もう嫌だよ。
「なに泣いてんの」
「……」
「はぁ…言いたくないなら別にいいけどさ」
また、こいつ、いつも何かと絡んでくる、ウザい奴。少女漫画から出てきたみたいで嫌。だし、さらに自分を嫌いになるから嫌だ。
「なにしに来たの」
「冷たいなぁ。心配してんのに。」
「嘘だ。私を心配する人なんていない。良い人ぶりたいなら別の所行って。」
「嘘じゃないよ。ずっと見てたよ。まぁ、お前は覚えてないかもしれないけどな」
「?」
「昔、俺が何もかも上手くいかなくて泣いてた所にお前が来て何も言わずに、俺が泣き止むまで隣りにいてくれたんだよ。そして、別れるとき『私がいるから、もう1人で泣かなくていいよ。』って言ったんだよ」
「え…」
覚えてる。あの時の男の子は、知らない内に転校したって聞いて…まさか、こいつがあの時の男の子だっなんて…
「あの時、俺はお前に救われた。だから、お前も、俺がいるからもう一人で泣くな、頼っていい、1人で苦しむな。」
1番言われたかった言葉を嫌いだったはずの奴に言われるなんて思わなかった。けど
「…ありがとう」
急に頼ることは難しいかもしれないけど、少しづつ頑張るよ



大人より子供で子供より大人
          大人より頼れる友達
君が悲しむならこの世界は間違ってる

綺麗にならなくていい。強くなんかならなくて良い。ただ大事なものをそっとぎゅっと持っていて

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