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【鼠径靱帯】紐状の構造物?それは誤解です!

鼠径靭帯は上前腸骨棘と恥骨結節を結ぶ靱帯であり、上でも下でも重要な構造に参加しています。

鼠径靱帯の上には、鼠径管があります。
鼠径管は、男性では精索、女性では子宮円索が通り、鼠径ヘルニアの病態と深く関わります。
鼠径靱帯は、この鼠径管の下の面、いわば床を構成しています。

鼠径靱帯の下には大腿三角があります。
大腿三角は、大腿動脈、大腿静脈、大腿神経が通る、大腿前面の重要な領域です。
鼠径靱帯は、この大腿三角の上縁を構成しています。

そして、よく誤解されているのですが、この鼠径靱帯は紐状の構造ではないんです。
これが最大のポイントです。
鼠径靱帯は独立した紐状の構造物ではありません。

では、実際は何なのか。
鼠径靱帯は、外腹斜筋腱膜の最下部の肥厚した部分です。
つまり、あくまで外腹斜筋の腱膜の一部なんです。
腱膜の下の部分が分厚くなっているので、そこを鼠径靱帯と別の名前で呼んでいるだけ、なんですね。

鼠径靱帯は外腹斜筋腱膜の最下部の肥厚した部分である、ということをおさえておきましょう。

以上、鼠径靱帯の解剖を解説してみました。
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