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【腹膜】腹膜の二重膜が腸間膜!

お腹の中では、消化管など消化器系の臓器全体が袋状の構造に包まれています。
その包んでいる膜が『腹膜』です。

まず、腹壁側を覆っているのが『壁側腹膜』です。
そして、肝臓とか消化管とかの臓器も膜に覆われています。これが『臓側腹膜』です。

他にも、例えば『腸間膜』とか消化管の『外膜』とかって聞いたことがあるでしょうか。

実は、これら腸間膜も消化管の外膜も『腹膜』なんです。
「いや、どういうことですかぁ^^;」ってなりますよね。
これをどう理解すればいいのか。

腹膜や胸膜や心膜を総称して『漿膜』といいますが、『漿膜』の解剖学的構造の原則は何か。
原則は『風船にグーパンチ』です。

イメージしてみてください。
風船にグーパンチするとどうなるか。
風船がひしゃげて、グーがめりこみますね。

この状態でそれぞれ何が何かというと、外側(そとがわ)にある膜が『壁側腹膜』です。
そして、この内側(うちがわ)にある膜が『臓側腹膜』です。

めり込んだグーの、手首のところを覆っているが、『腸間膜』です。
手首の両側で二重になっています。
ここの腸間膜のところを消化管に向かう血管が通っていきます。
グーパンチのグーが消化管に相当します。

そして、もう一つ原則、『風船は周りに張り付く』。
なので、この『壁側腹膜』の方は体壁の内側に張り付いています。
一方、『臓側腹膜』の方は消化管の表面に張り付いています。
で、この『臓側腹膜』は別名、消化管の『外膜』です。
消化管の外側(そとがわ)の表面を覆っているので、『外膜』といいます。
別名『臓側腹膜』です。

重要なポイントは、腸間膜の根元のところでこの膜が折れ返している、ということです。
ここで折れ返して、臓側腹膜から壁側腹膜へ移行している、ということなんです。
まあ、もともと一つの風船なので、もともと同じ膜、連続している膜が折り返しているっていうことになります。

そして、この風船の中の領域は、パンチしてひしゃげたけれども風船の中は中。
ここを『腹腔』といいます。
この『腹腔』は閉じた空間です。
ここに病気などで水が溜まってしまった場合、その溜まった水を『腹水』といいます。

それぞれの膜や腔が、このような関係になっているんですね。

以上、腹膜の解剖について解説でした。
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