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即座習得と反復習得

即座習得と反復習得

メジャーリーグでピッチャーの最高名誉なサイ・ヤング賞投手であるトレバーバウアーはアメリカンベースボール革命でこのように記されている
「ラプソードに加えてハイスピードカメラがピッチデザインの問題を解決できる鍵になった」
「ラプソード×ハイスピードカメラがプロ野球の風景を完全に変えた」

つまり、ラプソードでどのような変化をして回転数がどのくらいでという自分の球種の数字はわかった、ではそれをどう改善するかという問題を解決できる鍵はハイスピードカメラにあるといっている

言い換えれば、ラプソードだけでは、動作習得で最終的に必要なコツやカンまでは数値化されていないということ

ではハイスピードカメラがなぜ問題を解決できると言ったのか?今回はスポーツ運動学の動作習得の視点で考えてみた

習得には即座習得と反復習得がある

即座習得
マイネルはスポーツ運動学の中で10歳前後が新しい動きを一気に身につけてくれる時期と書かれている
(weaveのジュニアアカデミーでやっている、のぼる、ぶら下がる、わたるなどの運動スキルがカラダに備わっている必要はある)

また才能に恵まれた選手が難しい技術を一気にものにできるというのも即座習得

このように即座習得で成功してしまう人は習得過程が極端に短縮されているので、そのコツ、カンを聞かれてもうまく答えられない
これが
「名選手必ずしも名コーチならず」ということだと思う。

なので今まではすごい変化球を投げられるのは才能で真似できないと思われていた
一方トレバーバウアーは自分を運動能力も才能もない選手で適切な「反復習得」で作られた選手だと語っている

反復習得にはさらに2つに分類される

機械的反復と内観的反復

機械的反復
失敗してもなんの反省もなくひたすら反復を重ね偶然の成功を待つ
苦しい練習に耐えるというどちらかといえばメンタルを強くする練習方法に近い

内観的反復
ラプソードやハイスピードカメラの数値や映像と目標との差を確認しながら、自分の感覚、コツやカンを統合しながら、習得していく
自分の運動感覚を少しずつすり合わせていきながら反復していく

つまりラプソードとハイスピードカメラが登場したことで、あの選手の変化球が投げたいと思えば、投げられる可能性が出てきたということだと思う。
あんなのは異次元の世界の話ということも無くなってきたのだと思う。

しかしそのためにはインテリジェンスの高い選手でないとこれは成功しない、トレバーバウアーはかなりの知性の優れた選手であると思う。

科学だけでは、数値がわかっただけではなにも変えることはできない。

その一歩先は「運動学の理解」

ラプソードを使い始めてみんな気づいてきている問題。

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