見出し画像

優秀なツールとポンコツな私

育児アプリを導入してみた。赤ちゃんの授乳や睡眠、排泄などの記録が残せる物だ。
上の子の時は、「アプリを使うほどきっちり管理したいわけじゃないし……」と手書きでフンワリ記録していた。ところが2人目育児、どうも手帳を開く暇がちっともない上に、記憶力の失われた母は赤ちゃんが泣いた時、前回の授乳が何時だったかすぐに思い出せない。前の日のことになるとなおさらだ。授乳の時間や間隔をきちんと管理したい、というわけでもないが、助産師さんや保健師さんに会うことがあると「1日に何回くらい排泄がありますか」とか「授乳はどのくらいですか」とか尋ねられがちだし、「大体でいいですよ」といくら言われたところでその「大体」があまりに雲を掴むようなフワフワ加減だと「いい加減なことを伝えてしまった」と気になってしまう。今後健診やら、病院の受診やらで聞かれた時、いちいち「えーっと……」と抹消された記憶を振り返るより、アプリに頼った方がきっと早い。
使い始めて感動したが、アプリはすごい。授乳も排泄も少ない動作で記録できるし、簡易なグラフにしてくれるおかげで「こんなに眠れてるんだな」とか「そういえば排便の間隔が開いているな」とか、赤ちゃんのリズムが一瞬で可視化される。授乳の際、ストップウォッチのような機能で時間の計測ができるのもありがたい。ぼんやりして何分あげたかわからなくなる私にはうってつけだし、アプリを閉じても計測が続いてくれるので、他のアプリを見ることもできる。これは便利。……なのだけれど。
ある日アプリを開いて「アッ」と声が出た。授乳の計測がカウントを続けていたのだ。「左13分、右227分」の表示に「溺れるわ!」とツッコミながら、「227分」を手打ちで適当に「10分」に修正する。
ツールがいくら優秀でも、使い手はやっぱりポンコツでいい加減だ。でも、無理に「きちんと」を追求しないくらいが、いい距離感かもしれない。

この記事が参加している募集

#育児日記

49,312件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?