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新人スタッフの早期離職を抑制して、定着率を高める4つのヒント

医療・介護業界は労働集約型ビジネスなので「人材」が資本です。スタッフがいないと満足して頂けるサービスが提供できないので、常に人材問題はつきものです。

人材を増やすには「スタッフを新たに採用する」「既存スタッフを辞めさせない」という2つの方法がありますが、多くのお客さんが前者の「スタッフを新たに採用する」に目が行きがちで、後者に手が付けられていないことが多いです。

そこで、今日は、早期離職を抑制して、定着率を高める4つのヒントを紹介していきます。

◆離職率の現状

・看護師 → 17.7%
・介護職 → 15.4%

※公益社団法人日本看護協会の2019年病院看護実態調査 結果、公益財団法人介護労働安定センターの平成30年度 介護労働実態調査の結果と特徴より、それぞれ抜粋

ご覧の通り、医療・介護業界では、離職率が高くなっています。女性が多い職場でもあるので、結婚・転居・出産・育児などのライフスタイルの変化が一定周期で起こりやすい側面もあるかもしれません。

◆ヒント1:早期離職の最大の理由

なぜ職場を去るのか?原因を知る事がまずは第一です。3年以内に仕事を辞めた人、4年以上でも仕事を続けている人、それぞれのアンケート結果が興味深いです。それぞれ第3位までを紹介します。

<在職3年以内に仕事を辞めた人>
Q:どうすれば退職を回避できたと思いますか?
 ↓
第1位 上司との良好な関係 28.2%
第2位 (上司からの)適切な叱られ方 22.6%
第3位 労働時間の改善 20.0%


<4年以降でも仕事を続けている人>
Q:退職を回避できた理由はなんでしょうか? 
 ↓
第1位 同僚との良好な関係 31.9%
第2位 その他 28.6%
第3位 上司との良好な関係 14.3%


早期離職するか長続きするかどうかは、職場での人間関係、特に上司との人間関係が大きなウエイトを占めていることが、一目瞭然です。

◆ヒント2:初出勤・配属時

では、どうしたら上司や同僚と良好な関係を早期に築き職場の人間関係に新人が馴染めるのか?

「来週の月曜日から一緒に働きましょう」
「来月1日から一緒に働きましょう」

など、キリが良いが良いからという理由で、月曜日から・1日から、と初出勤日を決めていませんか?以下アンケートを確認してみて下さい。

Q:新入社員時、1週間の中で、仕事や勤務先に関することで最もイライラした日は何曜日ですか?   ↓
第1位 月曜日 56.3%
第2位 金曜日 13.2%
第3位 土曜日 9.0%
第4位 日曜日 7.9%
第5位 火曜日 5.0%
第6位 水曜日 4.5%
第7位 木曜日 4.0%


「よし、来週月曜日から仕事頑張るぞ」と思える人は意外と少なったり、
入職予定の新人が仕事に意欲的だったとしても受け入れ側の心の準備が整っておらず、知らず知らずのうちにイライラしている事があるかもしれません。

キリが悪い…と思うかもしれませんが、初出勤は水曜日や木曜日にした方が新人も受け入れ側もお互いにイライラが少なく職場に馴染みやすいかもしれません。


◆ヒント3:イライラ解消法 

イライラすることは誰にでもありますが、そのイライラをどうやって解消しているのか?この点に関しても、興味深いアンケートがあります。

Q:新入社員時、イライラをどのように解消しましたか?(複数回答) ↓
<女性>
第1位 誰かに話す 72.9%
第2位 とにかく食べる 28.9%
第3位 気持ちを落ち着かせる 20.4%

<男性>
第1位 誰かに話す 42.6%
第2位 気持ちを落ち着かせる 28.2%
第3位 運動する 27.7%

男女ともにイライラ解消法の第一は「誰かに話す」という事でした。言い換えると「愚痴る」と言えるかもしれないですね。特に女性はその傾向が強いです。
友人や家族だけでなく、職場にも気心知れた仲間がいて愚痴を言い合えて、お互いに励まし合える人間関係を作ってあげることができたら、早期離職は防げるかもしれません。

◆ヒント4:コミュニケーションの取り方

「コミュニケーションは話す内容よりも頻度が重要」とよく言われます。

「何を話そう…」
「どうやって声をかけよう…」
と不安に思ったり、

逆に
「よし、相談に乗ってあげよう!」
「本音を引き出そう!」
と構えたりするよりも、まずは雑談することを、おすすめしています。


「おはよう」
「今日もお疲れさま」
「最近どう?」

など、1対1の面談も重要ですが、まずは新人との信頼関係を築けないと新人も1対1の場で本音を話しづらいです。「何を話すかよりも何回話すか」を意識して、新人とコミュニケーションとってみて下さい。



~出所~
上記アンケート、各種数値については一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の「新卒3年以内の離職に関して、怒りに関する調査結果」を参照させて頂きました。

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