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学園コントで始まった音楽番組

先日、僕が天の声をやらせていただいているスペースシャワーTVで生放送をしている音楽番組『スペシャのヨルジュウ♪』の改編突破をお祝いするスペシャル回があった。普段はレギュラー陣の中から2,3人がMCとして出演するのだが、今回は矢本悠馬さん以外の5人が揃う豪華な放送となった。

この回に向けて数週間前からプロデューサーさんからオープニングでコントをやってほしいという要望があり、僭越ながら僕を含めた6人の合同コントを書かせていただいた。せっかくなのでここでその時の台本を載せようと思う。見られた方は思い出しながら、見られなかった方は画を想像しながら読んでもらえたら幸いだ。

『ヨルジュウ高校』

森本、板付き
森「今日からこのヨルジュウ高校に転校してきたけど、うまくやっていけるかなあ…」
ハマ、飛び出し
ハ「あ、森本くん」
森「あ、君は同じクラスの…えーっと…」
ハ「ハマだよ。次僕の名前を忘れたら一生口を聞かないからね」
森「厳しくない?たぶんもう忘れないと思うわ」
ハ「どうだい森本くん、学校馴染めそう?」
渋谷、怖そうな感じで飛び出し
渋「おいハマ〜。こんなとこにいたのかぁ」
森「え、こわ!だれ!?」
ハ「彼は3年の渋谷さん」
渋谷、ハマに1000円渡す
渋「おいハマ、これでパン買ってこいよ」
ハ「あ、はい。わかりました」
森「え、ちょ、ハマくん!」
ハ「大丈夫。ちょっと待ってて」
ハマ、ハケる
渋谷、森本をじろじろ見る。森本、怯える。
ハマ、コンビニ袋を持って飛び出し
ハ「渋谷さん、買ってきました」
渋「おうご苦労だったな。じゃあそれ、おまえにやるよ」
渋谷、ハケながら
渋「食べ盛りなんだからちゃんと食べろよ。釣りは俺からの、小遣いだ!」
渋谷、言い切ったらハケる
ハ「(お辞儀しながら)あざーっす!!」
森「かっこいい!!え、なにあれ!パシリじゃないの?」
ハ「うん、渋谷さんはああやっていつも後輩に奢ってくれるんだ。そのせいで最近は学校休んでアルバイトしてるみたい」
森「え、これメインの人生なの!?大丈夫!?」
ハ「あ、僕さっきご飯食べたからあげるよ」
ハマ、コンビニ袋を森本に渡す
森「え、いいの?ありがとう」
R-指定、飛び出し
R「あれ、ハマくん!」
ハ「おー野上くん!彼は隣のクラスの野上くん。日本一のラッパーになるのが夢なんだ」
森「へーすごい!はじめまして、今日から転校してきた森本です!」
R、挨拶がわりにラップを披露しようとする
R「(ラップ風に)よろしく森本!えー…えっと…」
R、ラップがなかなか出てこず苦戦する。
R、森本の靴を踏み、逃げるようにハケる。
森「痛った!!!え、なに今の!?」
ハ「あぁ、野上くんは韻が踏めないと、靴を踏んでくるんだ」
森「タチ悪っ!!踏んだらなんでもいいわけじゃないからな!!」
三原、走りながら飛び出し
三「あーハマくん!」
ハ「あ、三原さん、彼今日転校してきた」
森「あ、はじめまして。森本と申しま…」
三原、そのまま走ってハケる
森「え、行っちゃった!なんであんな急いでんの!?」
ハ「あの人は隣のクラスの三原さん。ランニングが趣味で、歩いてる姿をまだ誰も見たことがないんだ」
森「マジか!」
三原、走りながら飛び出し
森「あ、また来た」
森本のコンビニ袋を奪って走りながらハケる
森「え!?」
ハ「油断してるとああやって食べ物奪っていくから気をつけて」
森「いやもうトンビじゃん。あの子やってることトンビだよ」
GEN、飛び出し
G「あーハマくん!」
ハ「おぉGENくん!」
森「はじめまして」
ハ「実はGENくんはね、すぐ近くの男子校の生徒なんだ」
森「え、そうなの?なんでここにいるの?」
G「待って!!…女子の気配がする」
森「え?」
三原、走りながら横切る
G「いた!!女子だ!!!」
GEN、三原を追いかけてハケる
ハ「彼は女子と仲良くなりたい一心で毎日うちの学校に来てるんだ」
森「ええ!?男子校のストレス、他校で発散させてんの!?」
渋「(舞台袖から)痛ってぇ!!」
R、走りながら横切る。渋谷、足を痛めながら追いかける
渋「おい待て!!」
森「また足踏んだのかよあいつ!!」
三原、走って横切る。GEN、走って追いかけながら
G「待ってー!名古屋案内するからー!」
ハ「どうだい森本くん、馴染めそう?」
森「あのー馴染めるかはわかんないけど、めっちゃ楽しそう」

見てお分かりの通り、番組のオープニングが学ラン森本による板付きで始まっているのだ。これには視聴者のみなさんもさぞかし不安な気持ちになっただろう。音楽番組で芸人ひとり板付きの生コントって、やけになった最終回みたいなことしてる。

しかしその不安もなんのその。僕以外全員が人生初のコントで当日数回しか練習できなかったのにも関わらず、本番では完璧なパフォーマンスを披露してくれて台本をはるかに超えるおもしろさになった。

コントを終え、僕はそのまま天の声ブースへと移動していつも通りの放送が再開した。学ランを脱ぐ時間もなかったので傍から見たら攻めた職業体験みたいになっていたと思う。

その後マシュマロキャッチをしたり大縄跳びしたりと、音楽情報ゼロでお送りした放送はツイッターのトレンド入りをするほどの盛り上がりを見せた。本番終了後、GENさんが僕にこう言った。

「次のコントはアルバイト先の設定でいきますか!」

今度はエプロン姿の森本がみなさんを不安のどん底に陥れそうだ。


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