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絵しりとり

絵しりとりが楽しい。
もう8日も続いている。

始めたきっかけは、A3!( ソシャゲ https://www.a3-liber.jp/ 劇団員を育てて公演を成功させる物語 )で、劇団員たちがやっていたから。

周年記念の企画として、劇団員24人が代わる代わる絵をUPしていくのだが、これがまあ、繋がらない。繋がらないどころか、そもそも何を描いているのか分からない人もチラホラ。

お前なんでそんな分かりづらい物を描いたんだ?! なぜその絵でドヤ顔なんだ?! この絵を正しく理解できたなんてエスパーか?!

毎日0時に更新されると、個性豊かすぎる絵を前に、頭をひねり、あーでもないこーでもないと答えを予想して、ワイワイと騒いだ。

それにしても、真面目に考えても答えの分からない(前後とのつながりが読めない)絵が多かったため、「絵しりとりって真面目にやってもこんなに繋がらないのか」「画力に関わらず素材を適切に選べば伝わるんじゃないか」と思って、検証に友人を巻き込んだ。快く応じてくれた3人、ありがとう。毎日楽しいです。

われわれの絵しりとりは、あと一週間続く予定なのだが、ともあれ結論はすでに得た、と思う。

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1.適切に素材を描けば、絵しりとりは滞りなく進む。
2.滞りなく進むゲームは、面白みに欠ける。
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1.について。

「適切に素材を描く」には2つの視点が含まれる。
①ゲームの参加者が認知している物(者)のかたちを描く。
②素材の特徴を端的にわかりやすく描く(コップを真上から見た図を描いてもコップと伝わらない。横から描くほうが無難)。
※基本的に画力は関係ない。

そんなん当たり前でっしゃろ! という感じなのだが、①を踏まえて②を描けるかが肝なのだ。バトンをつなぎたいならユニバーサルデザインを描け。

①は、世代や地域、趣味等々によって異なるかもしれない。
A3! には、海外育ちのキャラがいるのだが、彼の描いた果物が、一般的な日本人が描くであろう絵と異なっていて、個人的にかなりグッときた。私と彼が生きてきた世界は違うんだ…………。

ゲーム参加者の認知度の高低も重要で、もし魚に詳しい人だけで絵しりとりするなら、コイ、イワシ、シシャモとかも見分けがつくのだろうけど、私には全部「魚」にしか見えないだろう。

②は、素材の切り取り方の問題。絵しりとりが繋がらなくなる原因は、ほぼこれだと思う。そもそも際立った特徴を描きにくいものや、似通った特徴を持つ別物があるなら、避けたほうが無難。

A3!の絵しりとりで言えば、チンパンジーを描いたのに、次の人がゴリラと受け取ったのは、それは仕方ないよね……と思った。あのポーズといえばゴリラだよ。インドと伝えたくてインドの概念としてラクダを描いたら、次の人にそのままラクダと理解されて進んだのも、そりゃそうだろうよ、と思った。インドを伝える手段は他にあったろ。

特に、①について気がつけたのは面白かった。モノの認識も表現方法も人それぞれだなあ。

2.について。

あのね、順調すぎるゲームは、盛り上がりに欠けるんだよ!!!

私は、絵しりとりを実際にやってみて、A3!の制作スタッフを心底尊敬した。あれは考え抜かれた絵しりとりだった。絶妙な繋がらなさや、ド下手ではない、むしろ上手いが謎の絵たちが、ユーザーをわくわくさせ惹きつける鍵だった!(鍵だったんだ!)

われわれの絵しりとりも、最初は絵がつながるだけで十分だった。普段見ることのない友人の絵そのものが新鮮で面白かった(絵には驚くほど個性が出る)。

ところが、8日もやってるので、さすがにそれぞれの画風にも慣れ、マンネリ化してくる。みんな普通に素材選びが上手い。わかりやすく描く。だから、悩むことなくしりとりを繋げられる。

壊滅的に下手な絵を描いてほしい。才能が爆発した前衛アートを描いてほしい。一方で、今更自分からバトンを放棄するのも気が引ける。



ゲームとはそもそも、駆け引きや、なに? どうなるの?! どうしよう! 的なハラハラドキドキがあってこそ楽しい。ババ抜きで、たいして切られていない手札でイチ抜けしても、つまらないのだ。

というわけで、必要になるのが“難易度を上げるルール”。

A3! の絵しりとりでは、「直前の人の絵しか見てはいけない」というルールが劇団員に課せられていた。われわれは当初、このルールの重要性をわかっておらず、気にすることなく参加者全員の絵が常に見られる状態で絵しりとりを始めた。

しかし、ほどなくして、このルールが大変重要だったことに気がつく。

直前の人の絵がわからなくても、その前の流れがわかれば、大半は想像がついてしまう。「なんだこの絵!?」となる確率が大きく下がるのである。先述の、ゴリラかチンパンジーかわからない問題も、自分の前の前が「ち」で終わっていれば、ゴリラかチンパンジーかは判別できる。

さらに、絵しりとりの面白さの1つである、モノの呼び方が複数ある場合に生じる齟齬。A3! 絵しりとりを例にとれば「とびら」と「ドア」。自分が扉の絵を描いて、次の人が、アから始まる絵を描いたなら、それは意味は通じているが、正確な「しりとり」にはなっていない。

とはいえ、ゲームを面白くするこんな“間違い”も、全参加者の絵が見えていれば、ほぼ生じない。少なくともわれわれは生じなかった。

そこでざっと、絵しりとりの難易度を簡単に上げる、もとい、面白くするルールを考えてみた。

・直前の人の絵しか見てはいけない
・直前の人の絵を見てから1分以内に絵を描く
・素材に縛りを設ける(人物だけ、花だけ、3文字のモノだけetc)
・利き手ではない手で描く
・一筆描きする

酒を片手に思いついたのはここらへん。
面白いルールがあればぜひ教えてください!

ルールを設けなかったわれわれはというと、次の人に伝わらなさそうで伝わるギリギリのラインを狙った絵を描くことにチャレンジしたりしている。あえて狙うのは、かなり難しい、というのが感想だ。

気軽に始めた絵しりとりだったが、思わぬ示唆をたくさん得られた。
しりとりは奥深いゲームだ。

今度は、文章しりとり(空に浮かぶふわふわの白いもの→正月によく食べる弾力のある四角や丸形のもの→etc)をやってみたいなと思っている。
面白そうじゃない?

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