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064:長崎五島の旅⑦(最終回)

五島のこれからを(勝手に)考える

 これまで6回にわたって記してきた長崎五島の旅。最後は私が勝手に考える長崎五島の今後について考えてみたいと思う。

 五島市の話ではないのだけれど、仕事柄今回の旅で一番心が痛んだというか自分の無力さを知ったというか業界の無力さのようなものを実感したのが、宇久島にある「平原ゴルフ場」が近い将来メガソーラーになる、という話。

 「勿体ない」「日本のゴルフ文化のために存続の可能性を」というのは簡単だけれど、そこで暮らす人々の「生活」という重い現実を考えると軽々しくそんなセリフは口にできないよな、と。それでも何かゴルフ場を存続させながら島民の生活を豊かにできる「解」であったり、自分たちの次の世代、次の次の世代、更にその先の世代にこの環境を残せるような「ビジネスモデル」はないものか、と調査会社の研究員として考え続けている自分がいる。もしかしたらそれだけでも今回旅に来た価値はあったのか、それともなかったのか、とあっち行ったりこっち行ったりしている。恐らく「正解」はないのだろうが。

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何度見ても素晴らしいコース

風力発電

 今回宿泊した施設のすぐ近くが、戸田建設が主体となって推進している「フロート型風力発電装置」製造工場だった。諸々の縁で戸田建設さんとはちょびっとだけ絡んでいることもあり、散歩がてら何度か見学に行かせて頂いた。

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まるでスペースシャトルを作っているみたい

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 上の画像、スマホで撮影したので鮮明ではないけれど実際に稼働している福江島沖の風力発電施設。

 これ、実は釣りで使う「ウキ」のように浮いているんだとか。恐らく設置コストが安かったり台風などの自然災害に強い特性を持っているのではないかと。あとは「漁礁」としての役割も担っているらしく、どちらかというと反目し合う傾向の強かった地元の漁師さんたちともwin-winの関係が構築されつつあるんだとか。

 風力発電市場には何の知見もない私だが、新しい産業発展の種が生まれているもよう。

リゾートホテル

 それと今回は、8月オープンに向けて商社双日さんが主体となって建設しているリゾートホテルの工事現場も視察してきた。

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 こちらのホテル、福江島のシンボル「鬼岳」噴火時の溶岩流によって形成された海岸「あぶんせ」の海岸沿いに建設されている。

 鬼岳からも道路が繋がっており(五島カントリークラブからも車で10分程度)、島外から訪れたゴルファーにとっても現在リゾート滞在型ホテルとして営業している「コンカナ王国」と共に有効に機能するのではないかと思った次第。

 これまで記してきたように五島は自然環境に恵まれた場所ではあるけれど、「産業」も着実に歩を進めていることをこの目で確認してきた。私が目指している「ゴルフ、スポーツを介した地方活性化」と「新たな産業振興」をどのようにしてブリッヂングしていくか?」ということも考えていかないといけないなあ、と強く感じた次第。「産業化文化か?」の二者択一ではなく「産業も文化も」という“二者とも選択”の可能性を模索し実現する必要性を(勝手に)感じた旅でもあった。

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