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125:蜜月のおわり

 米調査会社「Golfdatatech(以下GDT)」社とのパートナーシップが先週(ある意味突然)終了した。

GDTとはある人の仲立ちにより、2008年「世界のゴルフ用品市場を可視化しよう」というミッションの下提携が始まった。

 但し「提携」と言っても業務提携契約書やNDAなどの書面をもっての厳格厳密なものではなく、「ゴルフ産業を縁の下で支える者同士、産業発展に寄与する」という共通目的のもと手を組んだ、どちらかというと緩やかな提携だった。

 自分は日本を含めたアジア地域を、GDTは欧米及びオセアニア、アフリカ大陸の調査を担当、両者の調査結果を持ち寄り2年に一回「世界ゴルフ市場レポート」を発刊してきた。2011年の初版以降7回の版を重ね、今回「2025年版」を発刊すべく8月にアジア市場の調査をキックオフしたところだった。

 そんな矢先にGDTから届いた「GDTとしては2025年のプロジェクトを中止する判断を下した」というメール。

 まさに青天の霹靂だったが、その理由は自分にとってある程度納得、腹落ちするものでもあった。

 GDTの創業者であるTom Stine氏は、兼ねてより自身の高齢を主たる理由に会社を売却したい意思を明確にしていた。フロリダに住み釣りをこよなく愛するトムさんはこの数年「早くハッピーリタイアして釣り三昧の生活を送りたい」という気持ちを隠そうとしなかった。

 そして2024年のPGAショー直前にGDTから「当社はサーカナグループの一員となった」旨の連絡を受けた。

 サーカナ(Circana)グループは消費者インサイト調査事業を主体事業としているNPDグループと Information Resources, Inc. (IRI)が2022年8月に合併してできた会社。スポーツ用品業界の一部の方はNPDジャパンさんが提供するデータを購入しているところもあるだろうから馴染みがあるかもしれない。

 それまで所謂ファミリーカンパニーとしてやってきたGDTが大手調査会社グループの一員となることに正直不安もあったが、今年のPGAショーではサーカナ社の幹部とも顔合わせをして「ヤノとGDTの友好関係を今後も尊重する」という言葉ももらっていた。

 その言葉もありPGAショーの場でトムさんを除いたGDTメンバーと「2025年レポートに向けお互い頑張ろう」となった訳だが。

 トムさんに代わりGDTの新たなリーダーとなったJohnさんからは世界ゴルフ市場レポート(WWR)を中止する主な理由として

・世界のゴルフ用品市場を取り巻く環境も大きく変わり、GDTとしてコア事業にリソースを集中することで環境変化に対応したい

旨のコメントが記されていた。

 親が変われば事業の方針が180°変わるのはよくある話。本当の理由(があるのかどうかすら分からないけれど)はさておき、自分としてはGDTという強力なパートナーを失ったWWRをどうしてゆくのか、更に言えば不変のテーマである「世界のゴルフ用品市場を可視化することで産業発展に寄与する」というミッションをどう持続してゆくのか(またはゆかないのか)。

 まずはそこのところを冷静に判断してゆきたいと思う。だって「パートナーとの提携が終わったからレポートの発刊もやめまーす」というのは短絡的というか、何かスッキリしないじゃない?例え最終的にそういう判断を下さざるを得ない結果になるとしても、自分なりに精一杯あがいてみたいというか。そうすることで自分にとっても新しい道が開けるかもじゃん?というか。今は頭の整理があまりついてないけどそんな感じ。

 最後に、これまで長きに渡りパートナーシップを維持してくれたGDTメンバーに心から感謝したい(念のため言っておくけど、1ミリも恨みがましい気持ちとか裏切られた気持ちは持ってないからね!w)

またいつの日か一緒に仕事できる日が来ることを願っています。


 

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