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RTAinJapan2020に出たらSteamカードマンになった

もうタイトルで完結してないかこれ。
はい、私はRTAinJapan(以下RiJ)の二日目に「ソルトアンドサンクチュアリ(Salt and Sanctuary)」というゲームで走りました墨酢というものです。
振り返り配信なんかもしたけど、お世話になった人へのお礼は見やすい形で残しておきたいので書きます。RiJに出るまでの経緯と、走り終わるまでの顛末。
けっこうな長文です。ご注意を。


RiJ応募のきっかけ

もともとRTAにそんなに明るいわけではなく、何かのタイトルを走ってるわけではなかったです。ただ「ソルトアンドサンクチュアリ」は大好きで、2年ほど前から「上手にこのゲームをクリアしてえなあ」「もっと多くの人にこのゲームを知ってもらいたいなあ」という漠然とした願望はありました。

大きな転機となったのは夏のRiJonlineでした。某YOKOHAMAを走り抜けるゲームのRTAを深夜見てしまったこと。これが元凶…もとい自分の中での「タイマースタート」でした。
プレイも上手けりゃ話も面白い。そして何より異様な雰囲気で盛り上がるCHAT欄…冗談じゃねえ……

そう、レーシングラグーンのRTAがきっかけです。リアルタイムで見ながらずっとワクワクしてて、見た次の日には「俺もRTAやる」と言い切るまでに決意が固まってました。
speedrun.comを開いて、今まで敬遠していた英語のレギュレーションを頑張って読み込み、それまで自分ルールで走っていたプレイング(中途半端に使っていたバグ技)を矯正し、レギュレーションに則った走りをするように変えました。
この時点で、
「speedrun.comにソルトアンドサンクチュアリで自分の記録を載せる」
「世界1位を獲る」
「RTAinJapanにそのカテゴリで出場する」
が目標になってました。

一番やりがいがあると思ったカテゴリ「Any% NoMajorGlitch」(バグ無しの真剣勝負)をひたすら練習。
先駆者であったひらはしさん(今回RiJで解説を務めてくれた方です)がニコニコに上げていた動画を何度も何度も再生。そしてツイッターで「走り方教えてください」と直接突撃。
それまで走っていたPS4版は不利であるということを知り、ゲーミングPCを新たに購入(約13万円)。
RiJに出るには安定した回線も必要と知り、光回線を新たに契約(月額約5000円)。毎日毎日タイム短縮に打ち込んでました。
…思い返すとすげえ行動力だ。

そして4週間ほど延々と走り続けたとき、それまでの1位であったyacob氏のタイム23:04を超える22:36を初めてマーク。

部屋で絶叫しました。死ぬほど嬉しかった…。

で、晴れて22分台の記録が自分のものとなり、speedrun.comでも世界1位にランクイン。縁がないと思っていた領域にようやく立てたという実感がありました。
「これなら堂々と応募できる!」と意気込んで応募フォームに入力したことを覚えています。

RiJ当選

当落が決まったときは、まったく関係ない格ゲーをしてました。ふとツイッターを見ると、「リスト:RTAinjapan2020に登録されました」の通知が。
えっもしかしてこれは…と矢も楯もたまらずoengusにアクセス。落選タイトルの多さに戦慄しながらも自分の欄にたどり着き、緑色の背景に「当選」の2文字が光っていたのを見た瞬間また絶叫しました。


RiJ当日まで

喜んだのも束の間、同時にやってきたのはプレッシャーです。
「何万人と見ている前で自分のRTAを披露するのか…」という緊張感は常に頭の中にありました。
実際世界記録を出したあともタイム短縮に取り組んでいましたが、凡ミスやだっっっっっさいガバは毎日のようにやらかしてました。
この辺から余裕がなくなってきて、練習配信でも怒りっぽくなったり言動が荒っぽくなったりと怪しくなりました。深く反省。

その中で特に困っていたのは解説などの「喋り」の部分です。
解説役はそれまでずっとお世話になっていたひらはしさん以外に考えられなかったので速攻で依頼しましたが、二人ともRiJ出場や解説は未経験。ましてソルトアンドサンクチュアリは知名度が高いゲームではない。
「どこからどこまで説明したらいいんだ…?」「RTA中に喋り切るのはテンポが速すぎて無理では…?」と悩みながらも相談とリハを繰り返していました。

RTAは知っているけどソルトアンドサンクチュアリは知らないという友人に見てもらったりもしました。
その際「このゲーム画面暗いね」と言われたことは特に衝撃的でした。
走者は、走っているうちにマップの中身を当然のごとく把握してしまいます。でも視聴者はそうではない。
その日からは「暗いマップではなるべく松明を点けて走る」がチャートに書き加えられました。
この時に「人に見せる走り」という意識がはっきりしたように思います。

解説のひらはしさんも入念に解説資料を作っていました。「解説の内容作ってみたけどチェックして」と言われて渡されたデータがパワポだったのには驚き。


メモ帳のテキストしか想像してなかったのにめっちゃ綺麗に整理されてました。この人に解説頼んでよかったと思った瞬間でした。
この人しかアテがなかったけど。

結局、喋りも入れたリハは本番直前含め計4回やりました。これ多いんですかね…
「言いたいのに言い切れない」「死んだりガバったら喋ることがなくなる」などなど、解説役のお兄さんは常に頭抱えてた気がします。
すまねえ俺の走りが不安定なばっかりに…


本番前日

本番前日、びっくりするくらい眠れませんでした。「ああ、やっぱり不安とか緊張があるんだな」と再認識。もうどうせ眠れないならもう一度ソルトアンドサンクチュアリを効果的に宣伝する方法を考えよう、と思いながら深夜ドライブを決行。
ぼんやりと、剣神ドラゴンクエストの軽妙なトークやドラゴンクエスト3の爆弾ワード「ホットプレート」など、印象に残ることや視聴者を楽しませることは大事だなとも考えてました。

そのとき頭の中には「インパクトの強いCMを参考にしよう」という考えが無意識のうちにできていたように思います。

それがあんなことになるとは。

本番

当日の本番前、FF13を見ている頃には完全に情緒不安定マンでした。「人と会話しないと気が狂ってしまう」とRiJのdiscord鯖にある雑談チャットに飛び込んで、一言二言交わしたらすぐ出て行ったり。なんやねんこいつ。
その節は大変ご迷惑をおかけしましたがおかげで救われました。チャットしてくれた皆様本当にありがとう…

それでも本番は無情にも訪れます。控室から本番のオンエア空間に放り出され、首の後ろのほうが縮み上がるのを感じました。
それでも喋るときは、最初の第一声はちゃんとwebカメラを見て呼びかけるんだ…と腹をくくって声を出しました。

「RTAinJapanをご覧のみなさん、こんにちは!」
1時間押しとるやないかい。
「あっ…こんばんは!」

終わってみれば、ちょっと間違えて言い直したりしたのは緊張をほぐすことに繋がって結果オーライでした。これくらい誰も気にしてねえよ、というのを直に感じ取れたからでしょうか。
少しずつ喋る余裕もできて、チャット欄を覗き見できたのも大きかったです。みんなが楽しんでくれてる!と感じられれば、自分も自然と楽しくなります。
この空気感が配信者にも伝わるのは、twitchはじめ配信の非常によいところだと痛感しました。あったけぇ…

「RTAちゃんをキャラメイクします!」(似てない)
「リモート焼きごてです」
「実はここで無敵時間が29回発生してます」などなど、楽しんでもらえたらいいなと思って入れたネタがおおむね好評だったのはマジで救われました。スベらなくてよかった~…

走り自体も一発勝負としては十分な点数をつけられる出来になったと思っています。何より「凡ミス、致命的ガバによる死がない」だけで万歳です。
お祈りが必要な場面も全部「みなさんのお祈りが通じました」と言える展開に。
進行が押していたのもあり、ドロップアイテムが一向に落ちてくれずグダグダ…という展開はかなり恐れていました。

それでいて順風満帆ではなくヒヤッとするシーンもけっこうあったので(未熟さによるミスなので反省している)、まあ見る側の立場で言えばそこそこ面白いものにできたかな…と思いたい、なあ。


走り終えて

ようやく完走した感想です。でもこの時点で何を言いたいかは私もひらはしさんも同じでした。
「みんなソルトアンドサンクチュアリやろうぜ!」

その気持ちを最大限に込めた結果生まれてしまったのが


どうしてこうなった。

とはいえ、クリップ作ってもらったり何度も貼ってもらったり他ゲーの宣伝のときにもチャットで喋ってもらったり、
「呼ぶ必要すらありません!」と引き合いに出してもらったり(みんな高速廻転寿司もよろしくね!)、結果的にはネタにしてもらってめっちゃおいしかったです。本当ありがとうございます。
最後の方はハランデイイとか言われてて流石に笑った。

なかでも大量のRiJネタを盛り込んだファンアートを描いた神絵師、たんぽぽ隼丸さんはsteamカードマンをイラストの中に入れてくださったという。


このイラストがご縁で配信用のアイコンをこしらえてもらったり、RiJ仕様のRTAちゃんを超絶かわいくイラスト化してもらったり、いくら感謝してもしきれません…

塩RTAちゃん_2

塩RTAちゃん2

ガチ恋しそうなくらいかわいいんだけど…? あとパネル詐欺とか言うな。

さらにさらに、走った後には「RiJ見てソルトアンドサンクチュアリ買った!」というリプライやツイートをかなり見つけることができました。
Steamカード×2→6000円。
みなさんがソルトアンドサンクチュアリに出会えること→プライスレス。
お金で買えない価値がある。買えるソフトはSteamカードで。


最後に

この半年間、RiJが私に与えた影響は思っていたよりはるかに大きかったです。
RTAを走るのも見るのもずっと楽しくなったこと、ゲームで人を楽しませるにはいろんなアプローチがあると気づいたこと、ゲームをうまく解説する人たちも超カッコいい!こと…挙げればキリがありません。
おかげでゲームそのものを前以上に楽しめるようになりました。

そして沢山の人に感謝しないとな、と毎日感じています。

RTA走者になるきっかけをくれたYOKOHAMAの「熱い風」フォンシさん。
最後まで最高の解説を追求してくれたひらはしさん。
backup枠も見てもらうべきだ!と気づかせてくれたユートロピーさん(残念ながらbackup枠が入ることはありませんでしたが…)。
「史上最高の走者」とハードル高めの紹介で繋いでくれたAltF4jp4さん。
めっちゃ楽しい上に、刺激になる走りを披露してくれた走者のみなさん。
このイベントを開いてくれた運営のみなさん。
協力してイベント成功のため活躍したボランティアのみなさん。
チャットでも盛り上げてくれた視聴者のみなさん。
告知の協力やお疲れ様コメントをくれた身内のみなさん。

本当にありがとうございました。


P.S.

RiJから1週間後ですが、世界初となる21分台の記録(21:45)出ました。
RiJ本番の走りより1分40秒ほど早いです。やったぜ。
よければ見てください!!(宣伝)



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