2019年アニメの奇跡

・アニメに興味が無くなった

私はアニメが好きです。


子どもの頃は少年誌原作系のアニメが特に好きでしたが、そのほかのジャンルの作品もけっこう見ていました。地上波で時間帯的に見れるアニメは、ほとんど見ていたと思います。

ちなみに、アニメが特別大好きだったと言うより、運動も大好き、外遊びも大好き、テレビも大好き、ゲームも大好き、漫画も大好き、その中でのアニメも大好きなものの一つでした。


ところが、大人になるにつれて(最新の)アニメをあまり見なくなりました。

見なくなった大きな理由が、単純につまらないものが多くなったからです。

私はアニメにおいて、特にストーリーもさることながら、会話ややりとりの面白さやボケとツッコミといった笑いを重視します。それらにおいて、「…で?」「え、何が面白いの…?」「ほお…」と思うことが多くなりました。関西人だし普段お笑い番組をよく見るから、なおさらそう思うのかもしれませんが。

子どもの頃の作品は今見ても、たとえバトル系やファンタジー系でもボケとツッコミがしっかりしているものや笑えるものが多かったと思います。思い出補正的なもの(美化)をなるべく排除して見ていますが、やはりそう感じます。

日常系(空気系)と呼ばれるものが増えてきたのも、理由のひとつかもしれません。ストーリー的に大したことは何も起きないのに、会話ややりとり、笑いのレベルが低いと見る気が無くなります。

ストーリーや設定、演出においても、ちょっと奇をてらい過ぎているものやカッコつけすぎているもの、あざとさが垣間見えるものなどが多くなったように感じます。王道モノや分かりやすいものがどちらかと言えば好きなので、そう思うのかもしれませんが。あと、作品が多くなってきて、普通のものはやりづらくなってきたのかもしれません。

ほかにも理由があって、ただでさえ興味の幅が広いのに、ほかのことにも興味を持つようになったからというのも大きいです。昔は異常なほど興味があったエンターテイメント系への興味が、だんだん薄れてきたのもあります。一般的には、大人になるにつれアニメを見る時間や興味というのは、たいてい無くなっていくものだと思います。そもそも特に最新アニメというのは、どちらかと言えば若い人や子ども向けだと思うので、それは仕方ないことかなと思います。


誤解しないでほしいのは、大人になってからも好きになったアニメはたくさんあります。ただ、価値観や視野を広げるためにたまにどういうのがやっているかチェックはするのですが、興味の惹かれる作品はかなり限られていました


そんな中。2019年。衝撃が走ります。しかも何回も。


・2019年1月①

2018年末ごろに、ニコニコ動画(生放送)をちょくちょく見るようになりました。ニコニコ動画では最新アニメもやっていました。

年が明けて2019年。ふと、ニコ動でやっていた「私に天使が舞い降りた!」(わたてん)というアニメの第1話を見てみました。

え…?めっちゃ面白い…!?

「わたてん」は女子小学生と女子大学生が出てくるお話で、ほぼ女性しか出てきません。いわゆる百合と呼ばれる、女の子同士仲良くしたり遊んだりする話です。笑いの要素もあります。

百合や女の子だけ出てくるようなものも、先ほど述べたように日常系もほとんど見ていませんでした。「ただかわいい女の子がたくさん出てくる」というだけでは、かわいいなあとは思うけどそれだけでした。結局、ちゃんと笑えるところややりとりにセンスが無いと、面白いと感じませんでした。

ところが、「わたてん」は面白い。普通に笑えるのです。

まずボケのセンスが良い。上から目線みたいですが、お笑い番組が好きな自分でもけっこう笑えます。それからボケとツッコミの間がすごく良い。間ってやっぱりものすごく大事です。ボケ(ボケが発生した時)やツッコミの言い方も面白い。あと、ひいたときのリアクションもすごく絶妙で、「ええ…」「うわ…」といったものや「あー」とも「うーん」とも「ん-」とれない言い方がすごく面白い。アフレコの監督や声優さんすごいなと思いました。

第1話序盤でみゃー姉が不審者の格好するくだりや花ちゃんがみゃー姉を「ペシっ!」ってするシーンだけで、あれっ!?このアニメ面白い!?と目の色が変わりました。第1話最後のひなたが足蹴にするところで、もうすでに「面白い!?」から「面白い!!」に変わりました。

好きなところはお笑い要素だけではありません。音楽も良いし、絵自体もかわいいし、キャラクターの個性もあってそれがバランス取れてるし、ほっこりするようなところもある。面白いけど全体的にはすごく癒される。


「わたてん」を見始めてからは、狂ったように「わたてん」を見る日々が続きました。原作漫画も買いました。音楽も買いました。生まれて初めてアニメのBDを買いました。

正直今まで見たアニメの中で、ひょっとすると1番好きかもしれません。少なくとも3本の指には入るでしょう。

まさか大人になってだいぶ経ってからこんなにハマるアニメがあるとは思ってもみませんでした。しかもそれが、まさかまさかの日常系や女の子だけしか出てこない系だなんて。未だにこんなことってあるんだなと驚いています。


いやほんと、こんなことってあるんやな…


・2019年1月②

同じ時期、もう一つ面白いアニメにハマりました。「わたてん」同様、動画配信サイトで見つけました。最近はこのパターンが多いですが。

「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」です。

お互い好き同士なのにプライドが高すぎる故に素直になれず、相手にどう好きにさせて告白させるかというお話です。学園ラブコメです。

お互いツンデレというのはラブコメでよくありますが、極端にツンデレでプライドが高いと、こうも面倒くさくて面白いのかと思いました。

キャラクターもそれぞれものすごく愉快だし、ナレーションも面白い。ギャグセンスも良い。やはり細かい言い回しや表現、間もすごく良い。

あとOPが鈴木雅之さんってだけでもう面白い。めちゃくちゃ良かったです。アニメにもなぜかすごく合っていました。

学生の恋愛というあたりがなんとなく青臭くもあり懐かしさも感じます。自分が若かったらそこも含めてもっとハマってたかもな…


それにしても最近になって1クールに2本ハマるアニメがあるなんて…


・2019年4月

2019年4月。「わたてん」との邂逅の興奮と熱狂と終わった喪失から冷めやらぬ中。「かぐや様」を含め、最近のアニメも面白いのがあるんだなと思っていたので、ちょっと最近のアニメをチェックしていこうと思っていました。

すると、「ひとりぼっちの〇〇生活」(ぼっち)という面白いアニメをまた発見しました。

極度の人見知りの主人公、一里ぼっちがクラス全員と友達になろうとするお話です。男の子も出てきますが、主に女の子が出てきます。こちらも日常系で学園モノです。

やはりボケややりとり、間、言い回しといったものが面白い。

音楽も良い。BGMは木管楽器や小オーケストラのようなアコースティックサウンドが印象的で、ほのぼのした雰囲気が醸し出されています。主題歌もお気に入りです。あとなんかやばい歌もあったり(笑)

また、友達を作ろうとする主人公ぼっちの姿は健気で一生懸命で勇気を貰えます。


いや…また女の子が多く出てくる日常系好きになるって…どどどうなってるんや…?


・2019年7月①

2019年7月。次放送するアニメをチェックする中、「ダンベル何キロ持てる?」(ダンベル)というアニメの予告が。これは好きそうだなと思って見始めました。

女子高校生の主人公ひびきが筋トレにハマるお話です。ひびきが筋肉マニア、トレーニングマニアの人達にツッコんでいきながらも筋トレについて学んでいきます。

なんだろう、筋トレする人ってバカのかな…?(いや良い意味でね?)と思わせてくれます。

ボケとツッコミがやはり面白いし、なんというか安心して見れます。

OP、ED曲も素晴らしく、聴いてると冗談抜きで筋トレをしたくなります。
ちなみに、OP曲の「お願いマッスル」の実写MVがYouTube再生回数(2021年7月時点で)2億回を超えています。2億回…?桁おかしくない…?いやそれくらい中毒性あります。


そしてなんと、このアニメを機に筋トレを始めました。「ダンベル」に出てきた軽いトレーニングをいくつかセットで毎日5~10分ほどやっています。2021年7月現在も続いています。今まで筋トレ続いたことなかったのに…アニメってすげえな…

「ダンベル」まだ見てない人はぜひ見てください……サイ…サイドチェスト!(見たらこんな感じになると思います)


・2019年7月②

2019年7月同時期。「わたてん」の乃愛ちゃん役の声優である鬼頭明里さんを知って、めちゃめちゃキャラクター向きの声だし絶対売れるやろ!と思い、その後の動向を追っていました(「ぼっち」の本庄アルも鬼頭さんです)。

そんな中、鬼頭さんの出てる「まちカドまぞく」(まぞく)という作品に出会いました。

魔族の末裔であるシャミ子が魔法少女の桃を倒そうとするお話です。日常やコメディ要素も強い作品です。女の子ばかり出てきます。

笑い要素に関しては、喋る量が多く微妙にボケたりツッコんだりするのが立て続くので、やや消化不良と感じることもあるのですが、逆にそれが心地良くも感じます。

登場人物がいろんな意味で独特でキャラクターも良い。

とにかくこの作品、何となく好き。分かってもらえないかもしれませんが、なんか良い意味で懐かしさを感じる。

「これで勝ったと思うなよー!」「シャミ子が悪いんだよ」といった、ちょっとした流行語も生まれました。(「シャミ子が悪いんだよ」に関しては作品で一度も言ってないのに、なぜか有名になったそうです笑)


・2019年7月③

2019年7月同時期。いやなんか今年アニメすげえな…え?こんなハマる…?とすでにかなり驚いていました。

そんな中、またまた鬼頭さんが「Re:ステージ!ドリームデイズ♪」(リステDD、リステ)というのに出ると知りました。

一度は挫折したり諦めたりした中学生達が、アイドルを目指すお話です。

最近のアニメ面白いなあと思っていたものの、アイドルものはあまり好きじゃなかったし、全部の最新アニメの第1話をチェックするのは大変だし、もうさすがにこんなに好きな作品に出会うのは続かないだろうと思って、正直見れたら見るかぐらいの気持ちでいました。

実際1・2話を見逃してしまい、登場人物や設定のことを全く何も知らずに3話から見ました。絵はかわいいなー、キレイだなーと思っていたぐらいですが、急に音楽が壮大になって、えっ、これアイドルアニメ…?という話の流れに引き込まれました。

主題歌も良く、とくにその時EDに惹かれました。曲や歌も良くちょっと感動する感じで、今風に言うとエモいと言うのでしょうか。そしてEDのアニメが曲とものすごくマッチしてて感動しました。

4話で特徴的な語尾のキャラの登場、5話で各ペアシーンと「例のシーン」、6話でこれまた曲が良いユニットが出てきて、7話で「良いほうの例のシーン」(って呼んでる)で感動し、どの話も面白く回を重ねるごとに自分でも戸惑うぐらいハマっていました。8話ぐらいでもう毎週の一番の楽しみになってたし、逆に終わるのが寂しくもなってきました。

やはり会話ややりとりのセンスも良い。話のテンポもちょうど良く、1話ごとのまとまりも素晴らしく良い。音楽も良い。

最終回を迎えた頃は、わたてんと同じくらいの喪失感と衝撃でした。

え、嘘でしょ…?まさかアイドルものにハマる…?好きなアニメで5本の指に入るかも…?

初めてアニメの聖地巡礼もしました。

あと楽曲が良すぎて、その後も1曲1曲知るごとに衝撃を受けました。いやなんだったら、何回も聴いてる曲でも聴くたびに衝撃を受けます。今もリステの曲をめちゃくちゃ聴いてます。いやほんと、いろんな人にアニメだけでなく楽曲もおススメしたいです。


もっとリステに早く出会いたかったな…と後悔しています。


・どうして2019年に集中するのか

このように、2019年にハマるアニメが何個も出てきて未だにびっくりしています。

大人になってだいぶ経ってからこんなにアニメにハマるなんて!しかも百合系や日常系、アイドルものといった今までそれほどハマってこなかった作品にどっぷりハマるなんて!しかも何なら人生で1番かもしれない作品に出会うなんて!

その後もこの経験を活かし、先入観をもたず過去現在のアニメで面白そうなのを改めて探してみました。最近のものでいくつかは好きな作品が見つかりました。


思うに、自分が子供の頃面白いと感じた作品を作り手側も見てきたのかもしれません。原作者を代表とする作り手側が、自分の年齢と近くなってきたのではないかと思います。まあ自分も年食ってきたなと悲しくなるのですが…

思い出補正的なものが無いとはもちろん言えませんが、子供の頃はたくさんの素晴らしいアニメや漫画作品とともに育ってきました。アニメや漫画だけじゃなく、音楽やドラマ、テレビ番組、遊び、文化など良いものがたくさんありました。好きな作品にはその感性がなんとなく出ている気がします。

この記事で出てきたアニメは、私同様大人になってアニメに興味がなくなってきた人やそういったジャンルに興味が無い人にこそ、とくに勧めたいです。ぜひ見てみてください。


ただやはり、2019年にこんなに集中するのは不思議ですね…


・ちなみに伏線もあった

ちなみに、こういったことが過去に全くなかったというわけではありません。


アニメ同様、大人になってテレビゲームをやらなくなりました。子どもの頃はあんなにやっていたのに…もうゲームに興味無くなったんだな…、と思ってなんだか悲しかったです。その後も、がんばってゲームをもう一度好きになろうとするのですが、どんどん興味がなくなっていきました。

そんな中、とあるきっかけで2016年に「スプラトゥーン」というゲームに出会いました。そしてそのゲームに自分でもひくぐらいハマってしまうのです。面白過ぎるなんだこのゲーム!一生やってられるわ!

一度興味が無くなったものに思いっきりハマるとは思ってもみませんでした。まだ自分はゲームが好きなんだ、と思いとても嬉しかったし、びっくりしました。それをきっかけに、ゲームをまたやるようになりました。


2017年、アニメでも同様のことがありました。「小林さんちのメイドラゴン」(メイドラゴン)というアニメに出会いました。

「メイドラゴン」は人間の姿をしたドラゴンのトールが、メイドになって人間と一緒に住んで生活をするというお話です。ドラゴンと共生してく様子を描いていますが、ざっくり言うと日常系やコメディかなと思います。

絵やキャラがかわいいし、例のように私の好きな作品の特徴である笑いのセンスや言い回しといったものが好みで、最近のでもこういう作品もあるのか、あまり見ないジャンルだけど面白いな、と思いました。


「スプラトゥーン」はあくまでゲームだし、「メイドラゴン」きっかけでほかの興味が無かったジャンルのアニメにまで手を出そうとは思いませんでした。

しかし、このように『2019年アニメの奇跡』の伏線というか予兆みたいなものがちょっと前にあったからこそ、一度興味を失ったものや今までハマらなかったものを完全にシャットアウトしなかったのかもしれません。ある意味、『2019年アニメの奇跡』に驚くと同時に合点がいきました。


・嫌いなこともやってみる

『2019年アニメの奇跡』なんて大げさなタイトルだと思うかもしれませんが、自分の中でこのことはかなりの衝撃でした。

2019年に好きなアニメにたくさん出会ったのは偶然かもしれませんが、それによってアニメの観念だけでなく、多少なりとも人生の観念まで変わったと思います。それは奇跡と言っていいかもしれません。

自分はかなり幅広くいろいろなものを知っていて、興味の幅も広いと思います。そこは自信をもって言えます。だからこそ、いろんなものを決めつけずに良いところ悪いところ見るようにして、嫌いなものや興味が無いものでも無理して触れることもありました。そんな自分でも、そういったものや一度興味を失ってしばらく経ったものなどに対して、こんなに好きになったり感動したりする日が来るとは思ってもみませんでした。自分もまだまだ知らないことがたくさんあるのだなと改めて感じました。

頭で分かっていたり他人の例で学んだりしても、実際に自分が体験する衝撃や実感というのは比べ物になりません。


大人になればなるほど、やりたくないことはやらなくなるし固定観念は変わりにくくなります。しかし、その時は嫌いだったり興味の無かったりするものでも、時がたてば環境や状況、価値観、質なども変わってきます。

自身の価値観や視野、知識、経験を広げるために、興味の無いものや嫌いなものでもチャレンジすれば、新しい良い出会いに巡り合え人生がより豊かになるかもしれません。



いやそれにして2019年すごかったな!

(アニメ以外も見たいものややりたいことはたくさんあるし自分のペースで知りたいので、お勧めアニメ紹介コメントは不要です)

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