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10歳の息子たちへ

#3000文字チャレンジ、今回のお題は「3000文字10歳の頃」です。

過去を振り返ってみようかどうしようかと考えましたが、私は現在2人の男児の母。 なので、彼らが10歳になったときに渡したい手紙を書くことにしました。 現在5歳と2歳の彼らが10歳になったときに伝えたいこと。 彼らとの思い出を振り返りつつ、未来の彼らへむけて書いてみます。

長男さんへ あなたが産まれた頃の話

あなたは、2013年の12月に産まれました。

予定日前日に陣痛がきてそのまま病院へ行ったのだけれど、病院に着いたら痛みがどこかへいってしまってね。

その日は一応入院して、病院内の廊下や階段をうろうろと歩いて運動していました。 その夜、陣痛が再来。今度は本当にしんどい痛みでした。でも、痛みに反してなかなか子宮口が開かない。

陣痛は、腰を大きな鉄のハンマーでガンガン殴られているような痛みが波のように押し寄せてきます。 もう最後らへんは痛すぎて意識も朦朧とし、なんだかよくわからない状況になっていました。

すると、繋がれたモニターから異音。 バタバタと看護師さん助産師さんが私のところへやってきて、医師とのやりとりの後「緊急帝王切開にする」という結論にいたりました。

後で聞いたところ、あなたの心拍が低下して、開腹してみたらへその緒が首に巻き付き締まっていたそうです。 私も必死で陣痛に耐えていたけれど、あなたも必死で外に出ようとしていたんだね。それで絡まってしまったのだろうと思います。

陣痛も、手術後の痛みも、後陣痛も、疲労も、初産の私には何もかも初めての経験でした。

ハッキリ言って空手の組手試合の何百・何千・何万倍もしんどかったです。

でも、あなたが無事に産まれてきてくれたことが何より嬉しかった。 私のところに産まれてきてくれて、ありがとう。

その後は、何もかも初めてだし、お腹の傷は痛いし、産後のホルモンバランスのせいで気持ちも乱高下だし、夜中に起きるあなたのお世話で寝不足だしで「とにかく大変」の連続でした。

私はあなたを守ること、あなたのお世話をすることにそれはもう必死でした。 なんでこんなに不安で心配で大変に感じるのか自分ではわからなかったけれど、とにかく必死だったよ。

でもそうしたしんどさをあなたと一緒に乗り越えていくうちに、あなたのことがますます好きになっていきました。 小さな命、毎日少しずつ大きくなっていくあなたの横で寝顔を見られる幸せ。 その成長を見逃すまいと、ずっとずっと抱っこしていたように思います。

1歳の誕生日までは必ずあなたの姿を毎日1枚以上写真を撮っていたんだよ。 笑い顔も泣き顔も寝顔も全部撮りました。

あなたは知らないし、覚えていないだろうけれど、私の大切な思い出です。 もう一度言います。 産まれてきてくれて、ありがとう。 あなたに出会えて、よかったです。

10歳のあなたへ

これを書いている今、あなたは5歳です。 毎日色鉛筆をもって、メモ帳や落書き帳に絵や文字を書いて楽しんでいます。 私にも毎日の様に手紙を書いてくれて、その絵がどんどん上手くなることに驚いています。

ちょうちょ結びできるようになったね。 鉄棒で前まわりできるようになったね。 絵もどんどん上手くなっているね。 紙飛行機も折れるようになったね。 小さな頃からずっと宇宙に興味を持っていて、5歳のあなたは「ロケットをつくる人になりたい」と言っています。

できることが増えて、自分の夢もできて、とても楽しそうなあなたを見ていると私も嬉しくなります。

10歳のあなたは、小学生ですね。毎日、何を考えながら暮らしているのかな。 あなたが10歳ということは、私は44歳。 私は元気であなたのそばにいたいです。健康第一。命があってこそ、あなたとの暮らしを楽しむことができるから。

10歳ともなれば、おそらく頭の中はほとんど大人と変わりません。むしろ柔軟なぶん、色んなことを吸収する時期だろうと思います。 あなたは賢いから、もしかしたら自分の気持ちに蓋をして我慢したり自分の気持ちに嘘をついたりするかもしれない。

でも、どうか周りに流されることなくあなたの思うままに生きていて欲しいと思っています。 あなたはなにが好きで、何を考えて、何をしたいですか?

あなたの人生は、あなたのもの。 あなたの命は、あなたのものです。 あなたの身体も、心も、気持ちも、全てあなたのもの。

いいことも、わるいと感じることも大切なあなたの感情だよ。 自分の気持ちを大切にしてね。 どうか、今の自分を丸ごと受け入れて、自分を信じて生きていってください。

私はあなたをずっと見守っています。いつも応援しています。

二男くんへ キミの産まれた頃の話

2016年の4月。 桜が満開の頃に、キミは予定帝王切開で産まれました。

本当は3月の末頃の出産がいいと先生に言われていたのだけれど、早生まれだと何かと大変だろうと思って、粘って粘って4月の出産にしてもらいました。

キミがお腹にいるときは悪阻がわりと大変で、お腹も張るし、胸やけはするし、頭が痛かったり気持ち悪かったり大変でした。

あなたが悪いわけじゃないけれど、妊娠して、お腹が大きくなって、色々不自由を味わって、大変な思いをしながら私は妊婦生活を一生懸命がんばりました。 その甲斐あってか、キミは3400gオーバーの立派な身体で産まれてきてくれました。

帝王切開で出てきたときのキミは、びっくりした顔をしていたね。お腹の中でゆっくりしていたら、いきなり出されてしまって驚いたのかなと思いました。

その後は、ちょっとミルクを吐いてしまって小児病棟に入院しましたね。お腹が弱いのはこの頃から。生まれつきってこともあるんだね。

保育器の中のあなたは、いつもスヤスヤと寝ていたように思います。 大人しくて、たくさん寝て、いっぱいミルクを飲むキミ。 赤ちゃんの頃は、本当に手のかからないお母さん孝行な子でしたよ。

お兄ちゃんがいたのもあるけれど、あなたはよくおばあちゃんと一緒に過ごしていました。 おばあちゃんがあなたのことをたくさんたくさん可愛がってお世話をしてくれたおかげで、私も安心してお兄ちゃんとキミのお世話ができました。 あなたもおばあちゃんのことが大好きで、私よりもおばあちゃんの方がいいと泣くことがあるほど(笑)。 あなたとおばあちゃんの仲睦まじい姿を見ながら、私もこうして育てられたのかな?と想像していました。

私だけじゃなく、周りのみんなからたくさん愛されてあなたは成長していきました。 いっぱい寝て、たくさん食べて、たくさん動くキミは私の小さかった頃にそっくりです。

きっとこれからもたくさんのひとたちに愛されて、キミは大きくなっていくと思います。 あ、あなたのことも1歳になるその日まで毎日欠かさず写真を撮りました。 いつかそれを一緒に見返すときがくるといいな。

10歳のキミへ

もうすぐで3歳になるキミは、頭の中が全部仮面ライダーとウルトラマンで出来ているのかな?と思うほど、特撮ヒーローものが大好きですね。 たくさんいるウルトラマンシリーズのキャラクターは、全問正解。 仮面ライダーシリーズも、ほぼ覚えているんじゃないかと思うほど詳しくなったね。

まだ文字が読めないから、キミがその姿かたちをすべて記憶していることに驚いています。

飛んだり跳ねたり、お調子者で、歌や踊りが好きで、外遊びはもっと大好き。

ひとつ私がすごいなと思うのは、年上の子にも億さず向かっていくところです。でも、相手はキミとケンカしたいわけじゃないからもう少し優しくしてあげて欲しいなぁ。

お兄ちゃんともじゃれて遊んでいるだけならいいけれど、エスカレートして喧嘩になるのは個人的にはやめて欲しいです。苦笑

お兄ちゃんのことが大好きで、なんでもお兄ちゃんの真似をするキミ。 なんでも自分でやりたがり、思い通りいかなかったり、欲しいものが得られないと怒って泣くキミ。

大好きなウルトラマンや仮面ライダーが始まるとピクリとも動かずじっと見つめているキミ。 「ごめんなさい」が苦手でなかなか謝れないキミ、なんでも自分が1番じゃないと納得しないキミ。 おもちゃ大好き、落書き大好き、散らかし放題大怪獣のキミ。

私はそんなキミが大好きです。 キミのその天真爛漫な笑顔は、いつも私に元気と勇気をくれるんだよ。 周りにもその笑顔のパワーを分けてあげてね。

10歳のキミはどんな暮らしをしていますか? 相変わらずお調子者で、危なっかしくて、大怪我などしていないかちょっと心配です。

自分が悪かったなと感じたら、ちゃんと「ごめんね」って言えるようになっているかな? 動くことが好きだから、何かスポーツにでも打ち込んでいるのかなぁ。

いずれにしてもキミの命はキミのもの。大切に大事にしてくださいね。 キミが10歳の頃、私は47歳。アラフィフだ!どんな私になっているのか自分でも想像できません。

私も私らしく、キミもキミらしく。 自分の人生を、毎日を、暮らしを楽しんで生きていたらいいですね。 お互いの人生を歩みながら、キミと手を繋いで生きていきたいです。

親として伝えたいこと

10歳のあなた方へ伝えたいことを書きました。 ここには母として親として私個人としてのエゴも含まれます。

この手紙を読んで、必ず守らなければならないことでもないし、忘れてしまっても構わないです。 でも、伝えたいことなので書きました。 読んでくれたら嬉しいです。

まず、ひとつめ。 【どうか自分を大切にしてください】

生きていると「どうせ俺なんか」「どうせ無理」「俺はダメなヤツだ」と思うときがあるかもしれません。 私にはそういうときがありました。

でも、あなたとキミが生きて毎日暮らしているということは、本当に奇跡なの。 あなたとキミを産んでみて、お産は本当に大変だし奇跡の連続で成り立っているとよくわかりました。

私が言うことの意味がよく分からない? そう思ううちは、自分を大切にして、生きてください。

人生を歩むうち、きっと私が言っていることの意味が分かるときがきます。 だから、自分を大切にしてね。

そして、ふたつめ。 【親より先に死なないでください】

これは、完全に私のエゴです。 私よりも先にふたりがいなくなってしまうなんて、想像もできないししたくありません。 きっと私が耐えられない。 だから、年齢順にしましょう。 まず私がいってから、あなたとキミの番です。

すぐについてこなくていいからね。 自分の人生をしっかり楽しんで味わってからにしてください。 後悔のないようにね。

みっつめ。 【自立した大人になってください】

これは、私も自分でできているのか微妙なところです。 でも、自立できるときっとあなたもキミもラクなんじゃないかな。 よりよく生きるために、自立は必要なことだと思います。

自立とは、なんでも自分ひとりでできるようになることじゃないよ。 周りを信じて困った時は「助けて欲しい」と声をあげられる様になることです。

そして、周りに困っているひとがいたら自分のできる範囲で手を差し伸べてあげること。 ひとはひとりでは生きられません。 あなた方は、お互い助け合うこともあるだろうし、それぞれの友達や仲間、関わりのあるひとたちとの関係もそうです。

支配や従属、主従関係は要りません。 ひととして対等に、支えあって生きてください。

そして、最後に。 【ありったけの愛を込めて】

愛しています。 あなたのことも、キミのことも。

今は毎日一緒に暮らしていて、その寝顔を1番近くで見ることの幸せを毎晩噛み締めています。 この幸せは、何にも代えがたい有り難いものです。 私はあなたとキミを、真っ直ぐ愛せていますか?

私はあなたとキミのことを叱ったり怒ったりするし、時には甘えてしまうこともあるけれど、許してくれてありがとう。

親として至らないところばかりで申し訳ないけれど、私はふたりのことが大好きです。 本当に、出会えてよかった。 産まれてきてくれて、ありがとう。 それぞれの人生を、 楽しんで味わって、 あなたらしく、 キミらしく、 生きてくださいね。

いつも、応援しています。 いつも、見守っています。 いつも、ありがとうございます。 元気でいてね。

いつもありがとうございます✨何かしらのお役に立てば幸いです。