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しゅーくりーむ短編小説集

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中学生の僕、しゅーくりーむが書きました短編小説のマガジンです✍️ まだまだのところもありますが、暖かい目で見てくださると嬉しいです。 コメントなどで感想もぜひ教えてくれると助かりま…
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#超短編小説

今年の冬も、暖かいのは「便座」だけ。

俺にとって、冬に、クリスマスに暖かいのは「便座」だけだった。 毎日使うトイレにその日だけは愛着が湧いた。 「お前だけは、お前だけはずっと暖かくてそばにいてくれるんだよ」 便座に呟きながら、便座を撫でまくった。 人としての行為じゃないことは承知済みだ。 もちろん、この話をすると周りの友達もまっさらいなくなる。 「お前、いい病院教えてあげようか?」 友達の最後の言葉はみんな揃ってこうだ。 至ってこっちは真面目にやっている。 ひとりぼっちの悲しさを、便座が癒してく

導く者。受け継がれていく物。

「カツカツ」と、黒板にチョークで板書を書いていく。 現在35歳、私、成川奏は教師として中学校で勤務し、日々国語を生徒たちに教えている。 国語なんてものは自分が中学校のときは大嫌いもいいとこだったが、ある先生の言葉で日本語、いや、言葉の面白さに気づかされたというか、興味を持ち始めたのだ。 その先生は授業もいい加減で、下ネタばかりを連発し女子からはあまり人気ではなかったが、やるときはやる先生だった。 先生が高校の時は学年一二を争うほどの成績だったらしく、案外、普段しゃんと

時間の使者はBARにいる。

「いらっしゃいませ」 20XX年 4月9日 午後9時 「ウォッカを一つ。」 表商店街の地下にあるこの店は、私の愛用しているBARだ。きつく胸の焼けるあの感覚の虜になり、週一回は来ている。 しかしもうこの店に来ることも、ウォッカを飲むこともなくなるだろう。 20XX年 4月9日 午後4時頃 「速報です。巨大隕石が地球に接近しています。専門家の調べによりますと後5時間ほどで地球に衝突し、地球の4分の3は破壊されるとのことです。」 無茶苦茶だ。 そう、まるで映画のよ