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「子どもの中に答えがある」

初めて弊塾にお越しになり、教室を見て驚かれる方々もいる。教室はガラス張りで開放的で「個別指導」と書かれた教室のドアを開けると壁一つない空間に机が並べられている。小学生から高校生まで同じ時間と場所を共有し、着席した途端に学習を進める。多い時で40名程のお子様が一斉に学ぶが、同年代でも進度、進路、趣向性によりカリキュラムが異なる。このスタイルで20年以上が経つ。

保護者から聞かれるのは、「板書授業や導入授業はないのですか?」「個別指導なのに集団授業ですか?」などである。その答えは「イエスであり、ノーである。」授業は無いが指導はあり、個別であるが集団でもある。保護者の方々にその場で過不足なく説明できれば良いのだが、説明には時間がかかる。だからお子様に体験して頂いて、入会意思があれば、その後面談にて指導法を説明している。

弊塾の指導の根本には「子どもの中に答えがある」という考えがある。子どもは大人の支えが無ければ学べない程に「弱っちい存在」ではなく、逞しい程の生命力がある。だから自分から理解する力を伸ばす為に板書授業はしない。わかりやすい解説を与えるのではなく、自分で解決する術を与える。講師の話ばかりで授業が終わる事がない様に貴重な授業時間のほとんどを実践練習と試行錯誤に費やす。自らの力で問題解決した子どもの顔は、学びを自分に取り戻した自信で輝いている。

卒業生は医療、教育、研究職などで活躍する者以外に海外へ出る者など多様だ。ほとんどが中高校時代に優秀だった訳ではなく、どちらかと言えば、失敗した経験から学び、試行錯誤しながら成長する「しぶとい存在」だった。近年では大学推薦枠の多い高校への進学が流行だが、中には推薦枠を友人に譲り、自らは中堅の大学に進み猛勉強。学内1位になった後、休学して会社を立ち上げて学生ながら凄い年収の者もいる。彼らは学びを辞めない。大学などは通過点でしかないのだ。

「子どもの中に答えがある」それに子どもが気づけるようにサポートするのが教育の役割だ。過干渉は子どもの生命力を奪う。ユンケル並の速攻的効果を指導に求めるのはいかがなものか。塾の宣伝広告に使われる為に依存させ、勉強漬けにされ、目標達成と同時に燃え尽きて生命力を失うなどあってはならない事だ。進学先の高校や大学で更に成長できるように意欲の種火を大切にして欲しい。そして成長し、人々を照らす大きな光となってほしい。それが私の願いだ。

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