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「あとでね。」

いつでも一人ひとりの気持ちに寄り添うこと

保育をする中で、
・何時までにこれをしなければならない。
・何時からはこれをしたいと思っている。
そういう場面はたくさんあります。

そんな中でも、
子どもの一人ひとりの気持ちに寄り添いたい。
そういう思いで日々保育をしています。


それなのに、

今日は、そんな思いと現実との葛藤のお話。

散歩に出ようと玄関先で子どもたちに帽子や靴を履かせて、
準備は万端で、玄関の外に出ようとしたとき、

子どものうちのひとりから、
「いちごする!」
と『イチゴを摘みに行きましょう』の手遊びのリクエスト。

もう、出発の時間は過ぎていて、
イヤイヤを訴える子がやっと外に出る気になってくれたそのタイミングで、

(今ですか、、)

と思ってしまった、私。
思わず、口から出てしまったこの言葉、、

「あとでね。」

そのまま、玄関を出て、
点呼のために並んでもらい、
さあ、出発しようとしたら、
また、
「いちご、、」
とリクエスト。

出発時間は過ぎていく。
時間がない。

でも、さっき、「あとでね」といった分、
約束は守りたい。
とっさに対応策としてやったのが、
高速で手遊び!!
「いちごをつみにいきましょう!小さなかごを用意して!!」

そうやって始めると、
「もっとゆっくり!」

そうは言われても、ゆっくりしている時間はない!
一応、約束は守った!!
「駆け足でやったから出発~!!」

無理やり出発しようとしたら、、

差し出した手に、手をつないでくれない。

そしたら、違う子どもが手を出して、
イチゴの子はその子とつないだ。

イチゴの子は、
歩く途中で、ふらついたり、
列から離れようとしてしまったりすることもあるので
保育士と直接つないでいないと危険。

その後、本人が納得して、
もう一度保育士の私と手をつないでくれるまでに、
説得するのにかかった時間は、
『イチゴを摘みに行きましょう』5回以上と同等。


そんなことに時間を割くくらいなら、
最初から丁寧に
『イチゴを摘みに行きましょう』を1回、
やっておけばよかった。

この一連の自分の行動は、
ちっとも子どもの気持ちに寄り添えていなかった。

出発に遅れた時間は、
きっと違うところでも取り戻せたはず。

困っていた私に、
イチゴの子に正面から向き合って説得してくれたのは、
保育士2年目の先生でした。

本当に、ありがとう。

私の、主任として足りない部分を、
いつも補ってくれる
頼もしい存在です。

散歩から帰って、
皆が、手洗いや排泄をしてそろうのを待つ間に、
『イチゴを摘みに行きましょう』
ゆっくり楽しみました。






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