夏の旅立ち

田舎に親父の残した、古いけど、海に近い家があるんだ。近くに、スーパーは、ないけど、安くて新鮮な、魚屋や、馴染みの寿司屋は、あるし。駅前には、イオンもユニクロもあるからほとんどの生活用品は揃うよ。何と言っても、富士山を間近で仰ぎ、駿河湾はいつだって穏やかに僕達を迎えてくれるさ。地元の同級生にも声をかけて、シェアハウス的な暮らしをしてもいいし。お互い、歳をとって、補い合って、楽しくね。小さな畑を借りて、野菜を作ったり、趣味のリトグラフをフリマに出品したり。。。これからは、残りの人生、やりたいことをしよう!

洗濯物を取り込んで、ふと、夫の部屋から聞こえてきた電話の声。離婚した同僚の奥さんとの会話。笑い声を久しぶりに聞いたよ。その瞬間、雨上がりに虹を見つけたように、私の心の解放っぷりには、自分でも驚いた。

新しい地図を、描いていてよかった。安心したよ。それぞれの家路には、笑顔で着こう

来月、夫は、すい臓癌の手術を受ける

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