しっかり楽しんだオリンピック「東京2020」

「画期的なオリンピック」

コロナ禍で一年遅れて開催された「東京2020」は無観客、そして日本の一般国民が世界各国のアスリートたちと接することもできない前代未聞のオリンピックとなりました。

2019年に開催されたラグビーワールドカップでは、世界各国からラグビーファンが駆けつけ私が住む横浜の街でも、たくさんの観客で溢れかえりました。アイルランドやスコットランドの方々とかんたんな英語で挨拶するのも楽しかった思い出です。

でも今回のオリンピックでそういう状況は全く起こりえませんでした。

それでも、今まで以上に世界がひとつになった感覚や、選手が身近にいるような錯覚になったのはなぜなんでしょうか?(それは、私だけかもしれませんが)

「『言いたくても言えない』オリンピック」

オリンピックの開会式が行われる直前まで、本当に開催されるのか?そんな気持ちで見守っていました。

一時は国民の6割が開催に反対!(本当にそうだったのか?)というニュースや、野党や一部のマスメディアは開催に強く反対していました。

開催が東京に決まったときにあんなに喜んでいたのに、コロナ禍という理由が大きいかと思いますが、「責任を果たさねばならない」という意見はほとんど出ませんでした。いや、出せない雰囲気をマスコミが作り出したと思います。

オリンピックに参加する選手の一部から「開催してほしい」という強いメッセージを出すこともはばかれ、そのようなことを発すればその選手に対して攻撃するような非常に嫌なムードを醸し出してしまいました。

そんな苦しい気持ちを胸にしまい込んで選手たちはモクモクと準備してきました。

その結果、試合の結果が出たときにほとんどの選手が「開催を感謝している」というメッセージを出しました。

どれだけ選手たちに苦しい思いをさせていたのか、改めて認識したのは、柔道の高藤選手が金メダルをとったあとのあの涙のメッセージでした。

開催に反対するという意見も尊重されなければなりませんが、アスリートたちに心的な負担をかけるのはやはり違うのでは?とその時多くの国民は感じたと思います。

「やるからには徹底して愉しむ」

私はこのコロナ禍ということもあり在宅も多く、この際思い切ってめいっぱいオリンピックを楽しもう!と思いました。

2画面で見られるテレビの機能を生かして同時にふたつの競技を見たり、日本人選手だけではなくて、今まであまり見たことのなかった競技もよく見ました。

こんな状況の中でも開催されたオリンピックならば、どれだけ楽しめるか!?と徹底的に楽しもうと、早朝から遅くまでTVで応援をしました。

日本人選手たちの大活躍もありましたが、それ以上に多くのことを考え、そして得られたオリンピックだったと感じています。

「想像以上にさまざまな素晴らしさを魅せてくれた」

いわば、実競技をリアルで見ることはできずとも、放送メディアというものでオンラインでつながっているという新しいカタチ。

選手たちには、物足りなさを感じていたかと思いますが、反対に選手が雑音、騒音に気を取られる集中力をもって臨めたこともあるかと思います。

日本人選手のメダル獲得も嬉しかったのですが、それ以上にフェアプレーや素晴らしいシーンを数多く見ることができたのは今回のオリンピックの特徴でした。

果敢に高いパフォーマンスにチャレンジして失敗した選手に駆け寄る選手たちに目頭を熱くし、試合が終わった畳の上に静かに正座し礼をする姿。

決勝戦で壮絶な戦いをしたあとにも両チームがお互いを称え合う姿。

そして、小さいからだでも、まだまだ日本は追いつけないと思っていた多くの競技で、素晴らしい成果を出せたこと。

無観客、選手に接することのできないオリンピックでしたがやはり「こころ」はしっかり伝わっているそんな幸せな気持ちにしてくれるオリンピックでした。

開催にあたり努力されたスタッフのみなさん、そして大会運営のボランティアスタッフは国際的に非常に高い評価をいただきました。深く感謝申し上げます。

開会式そして閉会式などさまざまな批判もありましたが、私はそんなことはどうでもいい。やっぱり、日本の「おもてなし」が評価されたのであればそれで十分じゃないかと思うのです。

どうか3年後のパリでも日本らしく、いいオリンピックになるよう願っています。

こんなにハッピーな気持ちにしてくれた「東京2020」に感謝。

そして、日本の「おもてなし」を細かいサポートで実現してくださったボランティアスタッフのみなさんに金メダルを!

ありがとうございました。

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