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掃除機の話

さっき、掃除機をかけた。

この新型コロナが流行り始めるまで、ほとんど家の掃除機をかけたことがなかった。私は、実家に住ませてもらっており、母がいつもやってくれていたからだ。(父は母に言われてたまに週末にしているようだった)

掃除機をかけるのは、案外悪くない。

家にずっといると、少しずつ積もっていく埃がまあよく見える。我が家の場合、その埃の変化がよく見えるのがフローリングの廊下。

夕方近くになると廊下の先にある部屋の窓から西日が差して、隅にいる埃ちゃんたちが、夕日に照らされながらふわふわふわふわ漂っているのが目に入ってしまう。

あとは、ダイニングのテーブルの下。まあ汚い。人がそのテーブルで食事をすれば、何も床に落とさないなんてことはありえない。我が家の場合、朝ごはんにパンを食べるので、そのパンのくずがまあたくさん散らばっている。

見えてしまうと、気がついてしまうと、気になってしまう。この子達とこの空間で一緒に過ごすのかぁと、私も埃の一部のような気分になってきて、いやそんなはずは、、と思って、ブォーンと吸い取ってしまいたくなる。

そう思ったら、netflixを見るのを一旦やめ、クーラーをつけたまま室外機から遠いところのベランダの窓を開けて、掃除機をかけ始める。

ブーンと騒ぎながら、ヘッドからパンくずや埃ちゃんが吸い込まれていく。

綺麗に吸い込んでもらうためには、ゆっくりと同じ航路を前向きと後ろ向きに進ませること。みるみるうちに目の前から消えていく。

一通りやり終えたら、最後に、その掃除機のパックに溜まった吸い殻をゴミ箱へ持っていく。どさーっと、グレーの塊が出てきて、ふふっ、やってやったぜ、という謎の達成感が訪れる。

それに加え、掃除をしてやったぜ、という優越感も感じることができる。

目の前から消えていく快感、塊を見たときの達成感、からの優越感。これが、家が狭いおかげもあり、15分くらいで得られる。

うん、悪くない。たまには。

あ、私は整理整頓は苦手だ。食べたお菓子のカスはそのまま、ほいってカーペットの上に投げ捨てるし、机には美しくものが散乱している。

だから、整理整頓好きと掃除機好きは別です。

※うちはダイソンじゃないです。


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