メインコミュ第128話「キラキラのチカラ」【ミリシタ】感想
とてもよかったです。
一応、Twitterには書いたんですが、もっと書けそうなので追記します。
あ、ネタバレ注意です。
まず最初に、「エレナは日本人の父とブラジル人の母を持っており、ブラジル生まれ日本育ちである」という前提条件があり、そこからメインコミュのお話が展開していく。ここからすごく良いと思う。
知っての通り、765プロダクション(というかミリオンライブ)には52人のアイドルが所属しているだけあって、個性も52人分ある。52人52色あるということだ。
大阪弁の元気娘、アイドル兼アイドルオタク、委員長、日本人より日本語を使う13歳、箱入り娘など、比喩でもなんでもなく52人52色(原色)であり、(ミリオンに限らず)そこがアイドルマスターというコンテンツの魅力である。
文脈をエレナに戻すと、そんな52人52色の中で、「日本人の父とブラジル人の母を持っており、ブラジル生まれ日本育ちである」、言い換えると「ニューハーフの帰国子女」という、エメラルドグリーンの特徴(と髪)を持っているのが島原エレナである。(もちろん、外見は魅力の1%以下でしかないのだが)
話は変わるが、「外国人」という存在かそうでないか、という判断は(少なくとも世間一般においては)殆どが外見によってなされる。
日本人の外国人への態度、異文化受容について、椙山女学園大学教育学部教授の安達理恵氏はこう指摘する。
要するに「地理的・歴史的な理由から接する機会が少なく、海外旅行でも現地の人々との接触が少なくツアー型の旅行が多いため、見た目の印象のみで判断してしまう」ということであり、顔だち・瞳の色などの外見情報から「この人は外国人である」というある種のレッテル張りがなされ、「郷に入っては郷に入っては郷に従え」などの排他的な価値観が生まれるのであろう。
話を戻して、エレナは「自分自身は日本人である」と、考えている。
恐らくここを読んでいる読者の大半は知っていることだろうし、わざわざ言うまででもないことであろう。しかしながら、外見だけで判断するならば、日本的な価値観の中で考えてみれば、(少なくとも見た目は)「外国人」であると思う人が大半であると思う。
というか、筆者は当初(ミリシタをはじめてアイドルを眺めているとき)そう思っていた。
(おそらく最初に目を見る人はほぼいないと思うし、むしろ髪色で判断されそうではあるのだが)、それは当人も自覚するところであり、「見た目だけで外国人と判断される」社会に対してある程度息苦しさも感じているだろうことも、受け取れる部分である。
実際、このコミュは「外国にルーツのある、面白い人」の枠が欠けたので、そこを埋められないか。」というバラエティー番組の出演依頼から始まっている。
この依頼に対して、普段は「自分が良し悪しを判断」し、「仕事が決まったぞ!」の流れを使うPも、「センシティブな問題」として気を揉んでいるし、本人にも(丁度弟さんの問題で悩んでいたこともあって)少し思うところはあったのだろう。
しかし、最終的にはこの話に対して、かなり肯定的に受け止めている。
「外国にルーツのある面白い人」の枠ではあるものの、「アイドル・島原エレナ」として出演する気持ちではあるし、あまり気にしてない様子だ。
恐らく、普段の生活においてあまり「自分が外国人である」ということを意識しているわけではないのだろう(多文化に対して受容的な劇場の環境もあるのだと思うが)
「私は今は日本で暮らしているだけ」という結論がすべてなわけではないし、現実のハーフ・在留外国籍の人がどう思っているかというレッテル張りをするつもりもない。
しかしながら、「52色の個性を内包する765プロダクション」のアイドルたちが、劇場というある意味開放的な空間で、日々紡いでいる物語の結論として用いることは可能なのではないだろうか。
最期に、これに関連した歌詞を残して終わりにしようと思う。
ここまでご覧いただき、ありがThank you!!!
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