BRIGHTEST WHITE ~目的地の先へ~【イルミネーションスターズ】
先日、「THE IDOLM@STER SHINY COLORS "CANVAS" 01」が発売された。
そのCDの中に、「BRIGHTEST WHITE」という楽曲があるのだが、これが大層良かった。
恐らくの推察ではあるのだが、この楽曲にはみなさんご存じであろう、「THE IDOLM@STER SHINY COLORS BRILI@NT WING 02」、つまりイルミネの一番最初のCDのA版…「ヒカリのdestination」との関係があるように思う。
というか、歌詞カードに「ヒカリ」とカタカナが良く出てくる所からも、やはりアンサーソングとしての性格があるのだろう。
ヒカリのdestinationは、それより前か後かで、イルミネーションスターズか否かというイルミネーションスターズにおけるドレッドノート(戦艦)のような存在であると思っているのだが、それに関してはここでは(コミュのネタバレにもなるしいくら文字数と時間があっても足りないため)割愛する。
詳しくは「Catch the shiny tali」というゲーム内のコミュをご覧いただきたい。
さて、「アンサーソングの性格がある」と言ったが、「信じて”きた”」という歌詞から、「こうだと思っていたが、こうだった。」というメッセージを含む曲であり、否定的なアンサーソングである。ということもできる。
しかし、ヒカリのdestinationは1stアルバム収録であり、BRIGHTST WHITEは6thアルバムに収録されていることから、あえて「成長の結果の変化」という表現を用いたいと思う。
BRILI@NT WING 02 からCANVAS01までの間で、イルミネ三人の「仲良し!!!」が変わったわけではないのだが、事務所には一年おきにストレイライト・ノクチル・シーズ・斑鳩ルカの順に後輩が加入したし(おそらくそのような関係性は本人たちに存在しないのだが)、個人単位で考えるならば仕事・イベントなどで経験を積み、人としてかなり成長しているように思う。
基本的に、イルミネーションスターズのイベントコミュでは三人それぞれの仕事や、イルミネでの仕事などを通して関係性の再認識、「イルミネーションスターズでよかった」というお話が多い。(楽曲でも、「FELICE(イタリア語で「幸福」の意)や「続いている空の下にいられるなんて奇跡だもん」(Happy Funny Lucky)などの出会えたことへの感謝や幸運を歌うことが多いように思う)
そのような関係性の再認識や、外部環境の変化(後輩ユニットの追加、越境カップリング、仕事の領域の拡大)などが、「求め続けたヒカリの一つだとわかる」という変化を認識した。という歌詞になるのである。
では、イルミネーションスターズが探していた「ヒカリ」とはどのように変化したのか?
「ヒカリのdestination」にはこのような歌詞がある。
ここでは、「夢がある限り、ヒカリの目的地のしっぽ(だけでも)を捕まえたい(探したい)」という感じで「夢」というフレーズが使われている。
一方、BRIGHTEST WHITEではこのように用いている。
「夢を見上げた(探した)先に夢があるし、は変わることも、揺らぐことがない(夢までの)道はない」と、単純なフレーズ比較だけでも成長を感じられるのだが、重要なのはそこではない。
「微かなキラメキ」から、「真っ白に輝く夢」への成長こそ、もっとも伝えたいメッセージなのではないか、と思う。
ヒカリのdestinationのイントロ部分は、「ヒカリのdestination、微かなキラメキだった」と始まる。
一方で、BRIGHTEST WHITEという英語は「”もっとも輝く”白」という意味を持ち、最後の部分では「集まったヒカリは”BRIGHTEST WHITE”、色彩を集めて、無限に光れ!」となる。
「色彩を集めてるのにヒカリは白に光るの?」という疑問を持った人がいるかもしれないが、これはそもそもの色の仕組みにヒントがある。
簡潔に言うと、光はさまざまな波長の電磁波からなっており、80nm~780nmの、可視化できる電磁波の集合体が、太陽光線や白色LEDなどの「白い光」の正体である。
波長によって色は変わり、原理的にはそれらの色が波長ごとに混じっているはずだが、人間の目にはすべて認識することができず、「白」として認識される。
一般に「色の三原色」と呼ばれるものの中央が「W」、つまり白となる理由はこれであって、
「様々な色の光を集めると白になる」ということである。
話を戻すと、「色彩をを集め、無限に光れ!」という歌詞は、「微かなキラメキだった」ころから考えればかなりの進歩である。
原理的に考えて、元となる色(RGB)が弱ければ弱いほど(RGBの数値が0に近づくほど)見える光は白からは離れていくはずであり、「微かなキラメキだった」ということは、各色の光が弱かったことを表す。
自信のなさからか、それとも少し控えめな性格からか、最初なので「少しづつ輝いていこう」という意味なのかはわからないが、どっちにしろ「ヒカリ」が小さいものであること自体は違いない。
そして、L@YERED WING 02以降(つまりL@YEREDとPANOR@MA WING)、
「沢山ある星の中で、強く優しい光でいたいね」(PRISISM)
「もっと輝けるから、私をちゃんと見ていてね。一歩一歩光の先へ、導かれているみたい。」(スマイルシンフォニア)
「始まりと気づかないで追いかけていた光が、揺るぎなく、曇りなく、ここで輝くの」(FELICE)
「終わらない夢ってあるんだね、終わらない光を奏でていよう」(イルミネイトコンサート)
などには「ヒカリ」に関するワードが良く出てきており、段々と光が大きくなってきているであろうことも見て取れる。
ここではあえて、「ヒカリの正体」について具体的に考察することはしない。
しかし、イルミネーションスターズは「微かなヒカリ」が”奇跡的に”あつまり、「最も白い輝き」を放とうとしているユニットである。
文章の構成上、触れることができなかったがこのような歌詞がある。
THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE 『IF I _ WINGS』day1のコンセプトである「もし、アイドルがアイドルではない道を選んだら」というIF世界を「あの角を右に曲がったならば」という「IF」で表現しており、もしイルミネーションスターズが今まで辿ってきた道を一つ外れれば、恐らく違うものになっているであろう。それほどまでに人にはさまざまな可能性を秘めているのだ。
しかし、今イルミネーションスターズがいる世界線(5th day2)では、「終わらない夢ってあるんだね、終わらない光を奏でていよう」というように、「アイドルである道を選んだ」世界線であり(それらは他アイドルも同じなのだが)、「最も白い輝き」を放とうとしている。
「もし角を右に曲がった世界」を我々は経験し、「最も白い輝き」の片鱗を見ることができた。
これから先、彼女らがどのような虹になるのかは彼女らにしかわからない。
先ほど述べたように、彼女らにはアイドル以外の道を選ぶ可能性も権利もあるのだ。
彼女らが「アイドルであり続ける道」を選ぼうとも、「マイクを置く道」を選ぼうとも、スムーズに進むであるように思う。
しかしながら、個人的なわがままが許されるなら、彼女らがトップアイドルのステージに立っている姿をプロデューサーとして見たい。ということを述べて、筆を置かせてもらおう。
ご視聴ありがとうございました。
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