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「アイドルを演じる」ということ

アイドルと一口に言っても、年齢、性格などは人によりまちまちであり、考え方、理由、そしてそのアイドルの「演出法」もそれぞれである。

ことアイドルマスターにおいては、300人以上のアイドルが存在するため、
そのアイドルがどう輝くか、プロデューサー的目線からみれば「輝かせるか」というのもかなり個人差がでてくるように思っており、ステージの上で自らをさらけ出すアイドルもいれば、アイドルとしての自分を演じ続けているアイドルもいることだろう。

そして、「自分を演じ続けている」アイドルとして知られているのが、
望月杏奈と黛冬優子である。

しかしながら、「自分を演じる」という共通点があっても、
どこで演じ、なぜ演じているのかという点には差異がある。

そして、その差異が彼女らの過去を読み解く鍵となると思うため、
本記事では共通点と差異をゲーム内コミュから読み解いてみようと思う。

以下、次のコミュのネタバレを含みます。
黛冬優子 W.I.N.G.編
【starring F】黛冬優子
望月杏奈 メモリアルコミュ1
メインコミュ125話

さて、まずはこの記事の主人公である二人のプロフィールを以下に記す。

ミリオンライブ公式HPシャイニーカラーズ公式HPより作成

特に何か数字がどうとか、声優さんがどうとかというわけではなく、注目するべきは「この時点で演じているか」という点である。

杏奈は基本的なプロフィールとして正直に答えてるのに対し、冬優子はプロフィールから「アイドルを演じる」ことを始めている印象を受ける。

もちろんのこと、書いている内容が嘘であるとか、そういうことを言っているわけでないが、杏奈は”自らを”知ってもらうためのプロフィールに対して、アイドル・黛冬優子を知ってもらうためのプロフィールである。という点は特筆に値するように感じる。


この「アイドル・黛冬優子だけを見せる」という方針はWING編の最初から一貫しているものであり、冬優子とふゆとのギャップこそが、彼女の魅力であるように感じる。

しかし、彼女の「ギャップ」はアイドル活動だけに限らず、一人でいないときは必ず「ふゆ」を演じている。
客観的、つまり外から「黛冬優子」という人間を見た場合、必ず「ふゆ」しか見ることができない、と言ってもいいだろう。

この”演技力”は、彼女自身の少女時代の失敗と葛藤を通して培われたものであるため、あくまでもアイドル活動で見るふゆであろうと、283プロのメンバーでも「ふゆ」を演じる。

つまるところ、「黛冬優子」という人間を外から見たときには「ふゆ」を演じ自らの本心は他に存在する。ということができるだろう。


では、杏奈はどうかというと、こちらは「演じている」というよりは「テンションが高い」という言葉の方が適切であるようにも思える。

ここでは、テンションが低い状態をOFFモード、高い状態(=ステージの上にいるとき)をONモードと定義するが、どちらにせよ彼女の考え方や、性格などに大きく影響してくるものではなく、単にテンションが高い/低いの違いしかない

つまり、ONモードの杏奈も、OFFモードの杏奈もどちらも「望月杏奈」という女性であり、自らの本心はどちらにも存在する。と考えてもいいだろう。

また、ゲーム内コミュで765プロのメンバーの前でもテンションを下げていることからもわかるように、杏奈のテンションの高さはステージ上のみで発揮されることが多い。
(偶にハイテンションが持続していることがあるが基本OFF)

最終的に、このようにまとめることができる。

望月杏奈は、あくまでもアイドルとして活動するためのテンションの高さ/低さがアイドルを演じている/いないの差であって、その境界線はかなり曖昧である。

黛冬優子は、完全に「ふゆ」と「冬優子」を切り離しており、アイドルとして活動するのは「ふゆ」のほうである。

最初の方で「アイドルとしての自分を演じ続けているアイドルもいることだろう。」と書いたが、今回例に挙げた二人は演じている方向性が異なった。

同じ「演技」でも、それぞれ違うように、アイドルそれぞれにも様々な顔が存在する。
とかいて筆をおくことにしよう。




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