シャニアニ2ndSeasonについての雑記


※ネタバレあります


 先日、アニメ「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 2nd Season」の劇場先行上映に参加してきた。  
 正直、一期の出来が個人的には(議論の余地があるのは否定しないまでも)よくなかったがゆえに、この2nd Seasonの期待値が下がっていた面もありはすった。しかしながら、率直な感想を言うと「楽しかった」というところが先行していて、率直な一ファンの感想として劇場の客電が付いた瞬間に安心したところだ。

 「2nd Season」ということで、便宜上「1st Season」という呼称にするが、この1st Seasonになく、わかりずらかったものの大多数が2ndには入っていた、とまで言ってもいい。
 特に全体としての話のまとまり登場人物(特に真乃)の心情描写は大きく改善されていたところであり、しっかりと読み手に伝えるための仕掛け、独白という形での伝達などがなされていたのはかなり大きいのではないか。

 まず心情描写に関して、思い返してみると具体的に明示されていない形での描写自体は1st Seasonにも数多く存在したように思う。
 アニメの本放送自体は追っていなかったので、具体的に何話のここのシーン、と具体的に指し示すことは難しいが、1stライブのセンターをやってほしいと言われた時の真乃の瞳の動きや、プールの水に真乃が足を付け、水面を見つつも揺れる水面の表現など、真乃自身の内々で揺れる考えや心情などが非言語的に表現されており、そこには同じく言語化できない、櫻木真乃という人間が表す言葉べきである以上は正解にならないような深みが存在し、物語の読み手に解釈の余地や考えられるポイントとなるようなものを与えていた。

 しかしながら、そのシーンが非言語的であるがゆえにそのシーンは無音・劇伴のみとなることが多く、物語全体として見たときに悠長な印象、または「何しているのかよくわからない」時間を与えてしまう。
 さらに、後者の「何をしているのかわからない」「どういう感情なのか理解できない」という点がキャラ自体のアイデンティティ、シャニマス風にいうと個々人の「色」の描かれなさ、理解しにくさ、原作(enza版やSong for prism)への丸投げが行われてしまったことで強調されてしまったことであり、全体と流れとしての、「1st Seasonの批判」としてSNS上(もっと言えばインタネット上の)に明示されていると考える。

 しかしながら、「2nd Season」での心情の描き方は異なり、悠長に取られそうな心情(ここでは瞳の動きなどの非言語的なもの)を描くシーンではキャラ自身の言葉としての独白を用いる、または他のキャラや他の事象を受けての細かい動きを大げさ目に用いる。といった「わかりやすさ」が強くなっているような印象を受けた。

 「わかりやすさ」か、「現実的な表現」かというのに正解はないような家事もするが、少なくともアニメ作品においては前者を採用するのが1st Seasonの際に受けた批評を見る限り、間違っていないと感じるし、ただの表現の仕方の問題であって心理描写の細かさ、深さ自体は1st Seasonも2nd Seasonも共通してシャニアニといったものの「強み」としてある。

 2nd Seasonが「楽しかった」理由はキャラの心情理解という面だけではなく、ライブパートの面白さ、興味の引かせ方、新しさや新ユニットの存在、強く示唆されている追加キャラが大きな面を占めるような気もするのだが(心情理解は一要素でしかなく、占める割合は他要素と比較して小さい)、「悠長でなく、見ている途中で飽きがこない」というのは長時間の(30分でも2時間でも6時間でも)視聴を必要するアニメ作品において重要なことであり、1st Seasonにも必要な要素であったのではないか。

 未だ議論の余地はあれど、ニコニコ動画での視聴後アンケートでの数字や各種SNSでの批判など、1st Seasonが「良かったもの」であるとは言えないだろうし、私自身の感情としても肯定よりはマイナスの印象が強いのは好きなコンテンツの一ファンとして、残念ながら事実である。
 しかしながら、それ自身を否定することや存在自体を無かったことにする姿勢は議論からからの逃げでしかないのだから、まっすぐにその作品と向き合い、そして批評する姿勢は何においても重要なはずである。

 そして、この2ndSeasonへの向き合い方として「1stがダメだったから」であるのも仕方ない面もあると思うが、本放送でいいので見てほしい、というのもまた、このコンテンツにいる一ファンとして純粋な気持ちである。ということをかいてまとめとする。
 

 1幕の先、2幕3幕と、その先に描かれるシャイニーカラーズの物語がどんなものとなるのか、それを見届けたい。



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