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恥ずかしい思い出

誰にでも恥ずかしい思いではあるもの。時々思い出すと思わず赤面してしまう。

大学生の時だった。大好きだった女性と喫茶店に行った。まだ、付き合いもしていない時だった。彼女はミルクティーを注文、こちらは当時あまり知らなかったカプチーノを注文。飲み物がくるまで話も弾みうれしくてたまらなかった。しばらくすると彼女にミルクティーが届き、こちらが注文したカプチーノもきた。するとスプーンの代わりに7、8cmの長さで、片端に銀紙が巻いてある茶色の棒がついている。今ならそれがシナモンスティックであることはすぐにわかるのだが、若かりし自分はそれを知らない。すると彼女が「それ食べられるんだよ。知ってる?」と言った。格好つけたい自分は「うん、知ってる。」と言っておもむろにスティックの銀紙部分を摘んでガブリ。口の中にはシナモンお香りと共に木屑が粉々となり広がった。彼女はコメディ映画のように右手で口を覆い、目を見開いて驚いた。そして小さい声で「ゴメン」って。こちらはブエッっとテーブルの上にあったおしぼりの中に吐き出した。その時の恥ずかしさと言ったらない。大好きな彼女の前で。地獄に突き落とされた気分だった。なぜ、「これなんだろう。」と聞けなかったのか。男ってバカだよな。見栄を張って馬鹿を見る。良い教訓だった。

でもね何十年経ってもまた同じ様なことやるんだよね。成長しないよな。

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