マガジンのカバー画像

初仕事

7
1本、原稿用紙10枚ほどの短編集。 順風満帆な殺し屋人生を歩もうとしたはずが、こんなはずでは・・・「初仕事」 天涯孤独な男の唯一の親友との奇妙な絆・・・「親友」 など、すき間時間…
運営しているクリエイター

#ほろ酔い文学

【短編小説】幸せを感じるために

 絶望。  この言葉が当てはまるだろう。  私は25年間、勤めた会社をクビになった――。  最初は小さな波だった。  この会社は本当に大丈夫だろうか?  社員の中で湧き上がった小さな波。  私は何の心配もしていなかった。  大丈夫、会社も私も。  押し寄せる波は早かった。  すぐに私のところへ来て、私を飲み込んだ。 「話があるから来てくれ」  言われたまま、私は社長室を訪れた。 「昇進だ! しかも、社長から直々に!」  私は小躍りした。  聞いてみれば、何のことは