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稼げる研究機関のディストピア感【国立科学博物館の1億円クラウドファンディングに見る衰退国家の景色】
この国は、衰退国家である。
この認識は日々更新されていますが、さらにその認識が加速しました。
国立科学博物館の篠田謙一館長は、
▼光熱費の高騰などを受けた支出の増加や、
▼新型コロナウイルスの感染拡大に伴う入場料収入の減少などで、
財政的にひっ迫していると説明しました。
昨今のエネルギー高騰により経費がかかっていることはやむを得ないにしても、それを補うのは、入場料収入ではありません。予算の拡大でしょう。
このクラウドファンディングによる資金調達は、
地方限界自治体の博物館も瀕死の状態なんだけど、我々がクラファンしたところでおそらく100万円も到達できない。だけどこの前例ができてしまったおかげで「クラファンすれば?どっかの博物館がたった1日で一億円達成したんでしょ?」って言われるのだ。
— 小さな博物館の学芸員 (@mu_curator) August 7, 2023
という点にも問題があります。
巷には、稼げる大学とかを評価する向きもあるようですが、これは本当に正しい流れなのでしょうか。
これも結局は、研究機関にはカネを流さない口実とも言えなくもない。
ただ、このような旗を揚げると、呼応する人が出てくる。
組織なんて、トップの意向で割と簡単に変わるものでもあるということは、この学長さんの存在をみても明らかなのでしょう。
新自由主義が幅を利かせる世の中では、研究機関が腰を落ち着けて研究ができないものなんだろうと実感しています。
国民には、増税をもくろむ一方で、出すべきところに、お金を出さない財務省仕草。このようなことをすれば、税の使い道の恣意的な動きがあると考える根拠にになりかねない。李下に冠を正さずという意味でも財務省には説明責任があるといえます。
税を国民から吸い上げて、あとは権力者の思惑通りに使う。
これは開発独裁国家で見かける風景ですが、衰退国家ではその方向に流れていきやすい環境にある。
少しずつ日常がディストピアに近づいているのだろうなと感じています。
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