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2022年九大理系数学[3]その1

今回から3回に分けて、2022年九大理系数学[3]を解説します。
問題はこちら

今年の5題のセットの中で、最も難しい問題でした。一つ一つの要素を丁寧に分析、見極めて論証の方向性を整えることが求められる問題で、ハイレベルの良問だったと思います。

ここ数年、徐々に難化傾向となっていた九大理系数学の新たな到達点とも言える問題かなと思います。

では、今回は(1)を見ていきましょう。
問題は、(n^2+1)/2 と、(n^2ー1)/2が整数でかつお互いに素であることを示すことを求めています。

なので、論証の方向性として、これを二つに切り分けましょう。
まず、(n^2+1)/2 と、(n^2ー1)/2が整数であることを示します。
①の右辺は、m^2の値に関わらず奇数と言えるので、左辺のn^4は奇数であり、当然n^2、nも奇数と言えます。
よって、n^2ー1,n^2+1は偶数と言えるので、
(n^2+1)/2 と、(n^2ー1)/2は整数と言えます。

次に、(n^2+1)/2 と、(n^2ー1)/2がお互いに素であることを示します。
一般にお互いに素であることを示す場合、最大公約数gを設定し、g=1を示す流れです。
n^2を消していくと、方向性が見えてきます。

最後は

と結論づけることが出来ます。

この(n^2+1)/2 と、(n^2ー1)/2がお互いに素であることは、(2)にじわりと効いてきます。

(2)まで手がつけられれば、合格安全圏に入ったと思うので、(2)が勝負所です。次回は(2)について解説します。

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