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現代語訳。


東西南北で言えば。
『東』の方に位置する島国。
その、島国にも『西』というものが存在しておりまして。
それが中々にややこしい。
もつれて からんで ややこしいのは、
何も携帯電話のプラン設定や
公的年金制度のしくみだけではないのである。

 そんな『東』の方に位置する島国の、『西側』。そう。
ウエスタンエリアに伝わる古いお話を、
あの世界的に有名な戯曲家の
クダラナイコトスキーが、みんごと。
みんごと現代語訳に書き換えた。

彼の底知れない探究心と、日本語訳を務めた小林栄氏の柔軟さ。どうぞみなさま、おたのしみください。

今回も、書籍発売記念の無料公開です。

まずは原文から。主にウエスタンエリアは、端折る言語の性質がありますので、原文の後に現代語訳を流し見て頂くとよりたのしんで頂けるかと。

それではどうぞ。


ライター 山本嘉ジ子





【原文】


「きいて きいて。こないだね、」
「うん?」
「結束バンドを見に行ったの。」
「どこに。」
「100円ショップ。」
「ふぅ」
「ほんでその後、ホームセンター行ってぇ、」
「ほぉ」
「結束バンド見つけてん。ピンクでブタが付いてるやつ。」
「ほぉ(・o・)」

「めっちゃかわいいやんと思って、テンション上がった。でも値段を見たら、10本入りで150円。いいお値段やなあと思った。」

「へええ〜」

「余程、繋ぎ止めておきたいものじゃないと使われへんわ。」
「(⌒▽⌒) 例えば?」
「うーん、相手の気持ち?」
「余程やなあ。」
「 ε-(´∀`*)」
「もっと、たこつくんちゃう。」
「他にもピンクとかぁ、黄色とかあ。美味しそうな色がめちゃあった。」
「へええ〜」
「あとな。あとな。」
「 」
「ちゃんとした本気の業者さんが使うような結束バンド、幅が広すぎていかそうめんやった。」
「いかそうめんって。」
「(*´∀`)」
「それで言うたら結束バンドっていう バンドありそうじゃない?」
「バンド?」
「ビジュアル系ロックバンドヽ(*´∀`)ノ そしてすぐ解散しそう。」
「結束とはなんぞや。」
「永遠のテーマやな。深い。深いよ。…エベレスト!」
「あれは、高いねん。」
「元は海やろ」
「…あっさい話。」
「いまこの瞬間、どこよりも高低差のある話。」
「ああ、そう。」

「【どうも、結束バンドです。バンドのメンバーを紹介してもいいか?…ベース、六角レンチ!】」
「ださ(*´∀`*)」
「【ボーカル、インターホン!】」
「工具ですらないの?(⁠⁠⊙⁠ȏ⁠⊙⁠)っ」
「ホームセンターに売ってるものやったら何でもいい。【新メンバー 二股ソケット!】」
「色々、波乱を巻き込みそう。」
「【俺達、この“結束バンド”で、君のことを つなぎとめるぜ!】」

「…それ手足の自由を奪ってない?」

「あ。本当だ、」
「…?何してるの。」

「8の字。⁠.゚⁠+⁠ ⁠⊂⁠(⁠^o^⊂⁠) ∞~⁠(⁠つ⁠ˆ⁠Д⁠ˆ⁠)⁠つ⁠。⁠☆」
「…頭ふらふらなるで。」
「。⁠.゚⁠+⁠ ⁠⊂⁠(⁠^o^⊂⁠) ∞~⁠(⁠つ⁠ˆ⁠Д⁠ˆ⁠)⁠つ⁠。⁠☆」

「埃舞うからやめて、 たのしそうやね。」
「(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)」
「(⁠・⁠∀⁠・⁠) それで、お客さんの反応は?」
「首振るの、やめるねん。」
「なんで?」
「コードも お客さんの気持ちも 繋ぎ止めておくことができなかったから。(⁠・⁠∀⁠・⁠)…(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)」
「ああそう。」





【現代語訳】


「きいて きいて。こないだこの前ね、」

「うん?(なんですか)」

「結束バンドを見に行ったの。」

「どこに。」

「100円ショップ。」

「ふぅ(それで?)」

ほんでそれでその後、ホームセンターに行ってぇ、」

「ほぉ(うん、)」

「結束バンド見つけてん。を見つけたの。ピンクでブタが付いてるやつ。」


「ほぉ(・o・)(え、そんなのがあるの?)」


「(そうなの。なにこれ!?え、かわいい、こんなのがあるの(*´ω`*)って)めっちゃかわいいやんなあと思って、テンション上がった。(こういうのがあるんや〜(*´∀`)って。新しい発見をしたの。)でも値段を見たら、10本入りで150円(プラス税)。いいお値段やなあと思った。」


「へええ〜(確かにいいお値段やねえ。100円ショップの物ならもう少し本数入っているし。)」

「(ね?いいお値段でしょう?だからね、)余程繋ぎ止めておきたいものじゃないと使われへん。使えないなあと思ったの。

「(⌒▽⌒)(あはは。本間やなあ。…で)例えば?」

「(…!? こわい質問しないでよ。そうだなあ…)うーん、相手の気持ち?」

「余程やなあだねえ。」

「(よかった。すっと出てきて)ε-(´∀`*)」

「もっと、たこつく高く付くんちゃう。(150円で相手の気持ちを繋ぎ止めておけるならお安いものよ。)」

「他にもピンクとか黄色とか。美味しそうな色がめちゃあった。」

「へええ〜(美味しそうってなんですの)」

「あとな。あとな。」

「 (なんすか。なんですか別にええいいけど今日はよう喋るなあ、)」

「ちゃんとした本気プロの業者さんが使うような結束バンド、幅が広すぎて いかそうめんやった。」

「いかそうめんって。(お腹すいているの?)」

「(*´∀`)(あはは)」

「それで言うたら結束バンドっていう(名前の)バンドありそうじゃない?」

「バンド?」

「ビジュアル系ロックバンドヽ(*´∀`)ノ そして(名前ださくて)すぐ解散しそう。」

「結束とはなんぞや。」

「永遠のテーマやな。深い。深いよ。…エベレスト!」

「あれは、(世界一)高いねんのよ。」

「元は海やろでしょう?

「(何この会話。なに聞かされているの。)…あっさい話。」

「いまこの瞬間、どこよりも高低差のある話(で酸欠になりそう)。」

「ああ、そう。(あなたが勝手にやり出したことよ。 ┐(´д`)┌)」


「【どうも、結束バンドです。バンドのメンバーを紹介してもいいか?ベース、六角レンチ!】」

「ださ(*´∀`*)」

「【ボーカル、インターホン!】」

「工具ですらないの?(⁠⁠⊙⁠ȏ⁠⊙⁠)っ」

「ホームセンターに売ってるものやったら何でもいい(のよ)。【新メンバー 二股ソケット!】」

「(何だかよく分からないけれど)色々、波乱を巻き込みそう。」

【俺達、この“結束バンド”で、君のことを つなぎとめるぜ!】

「…それ手足の自由を奪ってない?」

「あ。本当だ、」

「…?何してるの。」

8の字ヘッドバンギング。⁠.゚⁠+⁠ ⁠⊂⁠(⁠^o^⊂⁠) ∞~⁠(⁠つ⁠ˆ⁠Д⁠ˆ⁠)⁠つ⁠。⁠☆」

「…頭ふらふらなる。」

「。⁠.゚⁠+⁠ ⁠⊂⁠(⁠^o^⊂⁠) ∞~⁠(⁠つ⁠ˆ⁠Д⁠ˆ⁠)⁠つ⁠。⁠☆(紅〜に染まった〜こ〜とは〜な〜い〜♪)」

「(あなたがご機嫌で何よりです。)埃舞うからやめて、 たのしそうやね。」

「(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)(ふらふらしてきた。)」

「(⁠・⁠∀⁠・⁠)(言わんこっちゃない。)それで、お客さんの反応は?」

「首振るの、やめるねん。」

「(なんでって、聞いてほしそうな顔で見てくるから聞いてあげるけど)なんで?」

「コードも お客さんの気持ちも 繋ぎ止めておくことができなかったから。(⁠・⁠∀⁠・⁠)…(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)」

「ああそう。(  )」


完。


クダラナイコトガスキー戯曲【エベレスト】
小林栄訳【 …(⁠◔⁠‿⁠◔⁠) ?】

脚色シノダおれんじ【紅。】






祝〜書籍発売記念!


前回公開作品


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またあそぼうねえ〜ヽ(*´∀`)ノ

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