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高橋留美子のわーるど

 Rumic-World


ただ、好きというだけでなく、少なからず影響を受けたマンガ家さんを"note"していきます。


 今回は、中学校から大学にかけてよく読んでいた高橋留美子さん。(先日、紫綬褒章を受章されましたね。)

 高橋留美子さんといえば、デビュー以来、ずっと少年漫画を手掛けていて、”週刊少年サンデー”の看板漫画家さんの一人ですよね。

 連載作品を見てみても

「うる星やつら」

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「らんま1/2」

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「犬夜叉」

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 などなど、どれもTVアニメ化や映画化されるほどの人気作品ばかりです。それに連載期間も長くて、ホントにすごい作家さんだと思います。

 

(週刊少年サンデー連載履歴)
 うる星やつら(1978年 - 1987年:9年)
 らんま1/2(1987年 - 1996年:9年)
 犬夜叉(1996年 - 2008年:12年)
 境界のRINNE(2009年 - 2018年:9年)
 MAO (2019年 - 連載中)

 サンデーの連載作品だけを見ても、短期で終わることなく、ほぼ10年スパンで遷移してるし、それだけの人気作をデビュー以来、ずっと描き続けてるなんて、きっと高橋留美子先生ぐらいかもしれませんね。


 長期連載ばかりなんで、高橋留美子先生の代表作品というと、各世代で違っているのかもしれませんね。
 言うなれば、私はうる星やつら世代ですが、他にも、らんま世代、犬夜叉世代などの方がいるんだと思うんですよね。


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 高橋留美子先生が描く世界は、SFや、格闘もの、伝記ロマンなど、そのテイストはいろいろあっても、根底には”ラブコメ”があるのが基本ですよね。

 ただ、高橋留美子先生が描くコメディは面白いだけではなく、描かれるドタバタの合間に、”フッ”と、優しさを感じられる時があるんですよね。
 笑いながら読んでると、一瞬にして間合いに入られてるような感じで、不意に泣けてきたりと、その辺のバランスが絶妙だったりします。 


 名作「めぞん一刻」でも、そんな場面がたくさんありました。
 特に最終巻では何度泣かされたことか...

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 笑いの中でも、そんなベタベタしてない優しさを感じさせてくれる高橋留美子先生の描く世界が好きで、そんなバランスを、自分も心掛けていきたいと思うのです。


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 高橋留美子先生は、絶え間なく週刊連載を続けているので、その他の連載作品となると数は少なくて、先述の「めぞん一刻」や、不定期連載の「1ポンドの福音」と「人魚シリーズ」ぐらいな感じです。

「1ポンドの福音」

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「人魚シリーズ」

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 「1ポンドの福音」はスポ根もののラブコメで、いつもの高橋作品のテイストなんですが、「人魚シリーズ」だけは、ちょっと系統が違っていて、ギャグなしのシリアスで、ちょっと怖いシリーズなんです。

 伝記的・怪奇的な雰囲気は「犬夜叉」等でも受け継がれているんですが、高橋留美子先生は、こういう怖い系の作品もうまいんですよね。
 ちょっと背筋をゾクッてさせるんです。

 自分の高校時代に、初期短編を集めて「るーみっく わーるど」という短編集が刊行されたのですが、その1巻目には、怖い系統の話が収録されていたのを憶えています。
 高橋作品独特の絵柄は、普段はノホホーンとした感じなんですが、それらの短編では、妙に怖さを増幅してたりしたんですよね。


「るーみっく わーるど1」

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「炎トリッパー」「闇をかけるまなざし」「笑う標的」「忘れて眠れ」 の4作品が収録されていたのですが、タイムスリップものの「炎トリッパー」以外の3作品はホラー風味で、「うる星やつら」や「めぞん一刻」に慣れていた自分にとって、高橋先生の別の一面を見せてくれた作品だったのです。


 少年漫画を描き続けている高橋留美子先生なので、少年を卒業すると、自然と縁遠くなってしまっていて、「犬夜叉」以降の作品は、ちゃんと読んでなかったりします。
 アダルトな作品も読んでみたいと思いつつも、そんな高橋先生のスタンスに敬意を持ちながら、自分のお世話になった作品を読み返したりしてるのです。

 

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※ 映画「うる星やつら2-ビューティフル・ドリーマー」について

 大人気となったアニメの劇場版第2弾なのですが、これもなかなか印象深い作品なんですよね。

 内容としては、「学園祭の前日」が果てしなく繰り返されている世界を舞台にしたループものなのですが、その世界観が、とっても面白いのです。

 監督は、その後「パトレイバー」や「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」を手掛ける押井守監督なのですが、この映画が、押井守監督が評価され始めた作品なんですよね。

 ただ、原作にはない話だし、ちょっと規格外の作品なんで、高橋留美子先生の受けは悪かったらしいんですが、高橋留美子と押井守という二人の天才の世界観があってこそ生まれた作品だと思いますので、機会があれば一度見てもらいたい作品ですね。



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