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<Transition Town> Totnes 探訪 Day1

2018年3月
〜 ロンドンから列車で南西に下ること約3時間。デヴォン州の南に位置する人口約8,000人の町、トットネス。古くは海運・造船業が発達し、広大な農地に囲まれ「マーケット・タウン」として繁栄し、一時は「ヒッピーの町」「ボヘミアンライフスタイルが受け入れられる田舎」として知られてきこの町は、昨今、「トランジション・タウン」として注目を集めています。私自身、イギリス留学がかなった際には必ず訪れようと数年前から心に決めていた憧れの地で、今回やっとその願いが叶いました。せっかくこんな貴重な機会を得たので、その発見と感動を記しておこうと思います〜

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そもそも,〝トランジション〟とは? 「 移行する、変化する」という意味で、2005年にここトットネスで始まった草の根町づくり運動のこと。パーマカルチャー講師のロブ・ホプキンス氏(Rob Hopkins)主導のもと始まったこの運動は、気候変動とピークオイル(石油の資源量には限界があり、21世紀の中頃までに世界の石油生産がピークを迎えその後は減っていくという考え方)の課題に本質的な解決策を提示しようと、エネルギーと食の地産地消を目指すもので、“レジリエンス” (resilience)と “リ・ローカリゼーション” (relocalization)という2つのコンセプトを軸に発展してきた。“レジリエンス”とは、外界の大きな変化に対してその場しのぎではなく、柔軟に対応する力のこと。エネルギーを大量消費する脆弱な社会から、適正な量のエネルギーを使いながら、地域の人々が協力しあう強靱な社会、持続可能な社会への移行を目指さす。そのために、地域内の資源を最大限活用し、循環させること。それが “リ・ローカリゼーション” である。
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今回、見学してきたトットネスのトランジション・タウン運動 (TTT)の中では:ガーデン・シェア、地産地消の実現、住民ビジネスの定着、地域通貨の発行、エコホームの建設、太陽光発電・水力発電所の運営など、石油に頼らずに生活するためのアイデアがたくさん詰まっていた。このように、エネルギーや食べ物を自給していくことを目指すトランジション運動は、オーストラリアやアメリカ、日本では葉山や藤野などで広がりを見せており、その数は、40ヶ国以上で1,000以上の運動が行われるまでに広がっている。

そんなトットネスをイギリスの大学院仲間と共に訪れ、一泊二日を過ごしながらトランジションの動きを肌で感じてきた。

<DAY 1> 2018年3月30日

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(メインアーケードが改修中だったので、Pinterestから借りたイメージで)
:町の中心を貫くHigh Streetはこのような感じ。小さな商店が所狭しと並んでいる。

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:High Streetでは、歩道まで2階のフロアがせり出したような建築様式を多く見かける。これは、道端で卵や牛乳といった製品が露天状態で売買されていた歴史があり、イギリス南西部の強い日差しから商品を守るためだったそう。マーケートタウンたる所以を感じる。

【 Totnes Castle 】

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: ウィリアム征服王(William the Conqueror)がサクソン人を征服したのちに、ジュディール(Judheel de Totnes)に町を与え、1068年頃にこの場所に城を造ったのがはじめとされている。ジュディールはその後ウィリアム征服王に反抗し、敗れて城を失ったため、その後城は多くの領主の所有となった。建設当初は木造だったそう! 
現在の石造りの城はエドワード2世が城主のウィリアムに命じて改築させたもの。

【The Zero Waste Shop】

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:イギリスで初めて徹底した「ゼロウェイスト」をテーマにした量り売りショップ。シリアル・スパイス・各種穀粉・ナッツにドライフルーツ、料理用油に洗剤まで揃う。すべてオーガニックで、購入するには空き瓶を持参しその場で必要なものを必要な分だけ詰めて購入。

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店内の様子:私も実際にオリジナルシリアルとココナッツチップスを購入してみた。

The Zero Waste Shop, Totnes HP

【New Lion Brewery】

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:トットネスで1926年まで営業し、一度は閉鎖を余儀なくされたライオン醸造所。失われたレシピを再現し、地元デヴォン州の原料を使ってトットネスならではのクラフトビールをつくっている。町民による出資で2013年に復活したこの醸造所は、「地域の経済と農業を支援し盛り上げること」をミッションにすえ、週末はをバーとして営業、結婚式へのケータリングでは新郎新婦の名前や写真入りのラベル付きビール瓶などの提供を行ったり、地元イベントにも頻繁に出店するなど地域の人たちと顔を合わせる機会をつくっているそう。

New Lion Brewery, HP

【Seeds 2 totnes】

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:1日目のお夕飯を頂いたお店。£10で好きな料理を食べられるビュッフェスタイル (破格!! こんなにやすくて大丈夫??と思わず心配に)。地元有機野菜を使った色とりどりのサラダや味付けに手の込んだロースト野菜を存分に楽しめる。とにかく野菜がおいしくて、渡英して久々にご飯で感動した。笑 お店の方もとてもフレンドリーで、「お酒飲みたかったら、そこの角のお店で買っておいで〜」というなんともカジュアルな雰囲気。年齢層も幅広い地元の方で賑わっていて、とにかくこのお店のためにもう一度トットネスを訪れたいくらい!

Seeds 2 totnes, FBページ

【Dartington Hall】

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:宿泊したのは、ダーティントンの森の中に広大な庭園と、私の長らくの憧れ Schumacher Collegeを敷地内に構えるDartington Hall Estateのアコモデーション。この土地と建物と買い上げたDartington Hall Trustは、Peace study・Arts・Horticulture ・Forestry ・Sustainability にまつわる教育や社会企業家をサポートするチャリティ事業を16個も運営している財団。 

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(寝具は大好きなタータンチェックで喜び倍増)
:窓からメインホールと桜をのぞむお部屋(この財団は日本人アーティストとの交流も深いようで、敷地内には桜の木だけではなく枯山水の日本庭園もある)は、こじんまりと可愛く、用意されていたティーセットはすべてフェアトレード(狂喜乱舞!)。バスタオルにつけられていたメモからは、少しでも無駄なエネルギーは使わないようにしようというメッセージがうかがえる。     

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:夜は素敵なラウンジで、お仲間と昼間に調達した美味しいものたちで乾杯。クラフトビールの飲み比べは非常に贅沢かつ一人じゃ出来ないから、仲間と旅する醍醐味かな。

〜 盛りだくさんなトットネス探訪1日目はこんな感じで、しっかり観光してしまいましたが、2日目はいよいよ、「トランジション・タウン」たる所以をたくさん見聞きすることになります。が、これまた盛りだくさんで長くなってしまうので、次のノートで共有させていただきます。〜 

<Transition Town> Totnes 探訪 Day2 につづく。  


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