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運命を変える出会い #2

帰る時にはなぜかすっかり意気投合した私たちは
お互いの連絡先を交換して
次回もまた友人を集めて飲み会の場を作る約束をした


雰囲気のいい居酒屋の個室で
美味しいお酒と美味しいご飯
私は幸せな気分でお腹を満たしながら
ふと目の前の男性と目を合わせる

なんだか嬉しそうな顔で私の食べる顔を
見つめるその人は
先日合コンで知り合ったその人だ

何度か連絡を取り合ううちに
「美味しいお店があるんだ」
と切り出され、いつの間にか2人で会う約束をしていた

「彼女とはあまり会えないんだよね。だからバイトない日は暇でさ…」
と寂しそうに話す彼を見て、
「じゃあいつでも付き合うよ!みんなで遊びに行こうよ」
なんて言ってたはずなのに。

だけどこの頃の私に
彼女が知ったらどう思うのかとか
深く考える頭はなく
2人で出かけるとしても、ご飯食べるだけだし
相手は彼女持ちだから
逆に何も起きないから心配なんてないんだ
なんて思ってた

…いや、違う
彼が自分に少なからず好意を持ってくれていることに多少は気づいていたのかもしれない
私も彼に対して好意がなかったわけではない

私は都合の悪い部分を見ないようにしたのだ
そしてずっと好意なんて持ってないふりをして
自然体を振る舞っていた


お店を出た後に
「記念にプリクラ撮ろう」
って言われて
撮影するときに彼がこっちに身を寄せたその時も
平然と振る舞っていたのだけど
実はドキドキが止まらなかったのは
お酒に酔っているだけではなかったんだと思う


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